備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『グレートギャツビー』

2017-05-27 03:03:56 | 国内ミュージカル
テキトーなあらすじ。

奈落からリクライニングチェアに
横たわるギャツビーが登場。
おもむろに立ち上がるが、銃弾に倒れ、
そのまま、水の中へ。(上から観ていても、
結構、豪快に後ろに倒れ込むギャツビー)

次々と警察が到着するなか、
作家のニックもそこに駆けつける。
ギャツビーの隣人である彼は、二人の出会いの話に。


引っ越してきたニックは
隣人の金持ちのギャツビーの
パーティに招待される。

そのパーティーには、多くの人が集まり、
禁酒法の時代でも、酒が出てくる。
しかし、主催者のギャツビーは、
そのパーティーには出てこない。

ニックが面食らっていると、
警察が乗り込んでくる。
酒の取り締まりという名目で、
踏み込まれるが、そこにギャツビーが登場。

実は、参加者に、警視長官も参加しており、
逆に踏み込んできた警察を警備に使う。

そんな鮮やかな手腕を発揮するギャツビーに、
ニックはギャツビー本人に興味を持ち始める。

いつの間にか、ギャツビーは消え、
屋敷の裏にある湖の岸辺に。
対岸にある屋敷を見つめるギャツビー。
そこにニックが話しかける。

ニックは対岸の屋敷が、
知り合いの家で有ること
(旦那のトムが大学の同期、
奥さんのデイジーが従姉妹)
をギャツビーに告げると、突然、
ニックに興味を持ち始めるギャツビー。

そして、ニックが帰った後、やっと、
デイジーとの繋がりが出来た、と呟く。


後日、トムとデイジーの家を訪問するニック。
ふたりの間には一人娘が生まれ、順調のように
見えたが、デイジーの知り合いでもある
ジョーダンから複雑な夫婦であると聞かされる。

トムには浮気相手がいた。
その相手はマートルといい、
車工場のジョージの妻であった。

ガソリンを入れに来る、お得意様の
トムに頭を下げ、何かと街に出かける
マートルを疑いもせず、真面目に働くジョージ。

そんなジョージを無視して、
密会を続けるトムとマートル。
でも、その一方で、デイジーも
独占しようとするトム。

デイジーはデイジーで、娘を育てる事で、
トムの不倫には触れないようにしていた。


ニックはギャツビーと、
モグリの酒場で再会。

そこでは、ギャツビーが顔を利かせ、
違法である酒が当然の如く、
商品として扱われていた。

その店には相場師のマイヤーの姿も。
彼はギャツビーにこの辺りの店を任せていたが、
麻薬の取り扱いをする、しないで、意見が分かれる。

ギャツビーとしては、
麻薬には手を出さないという信念を持っていた。


そんな裏の顔も知ったニックに、
ギャツビーは自分を招待するように頼む。
そして、デイジーと会える機会を
作ってくれ、と頼まれる。

そこに突然、現れるトム。
ギャツビーとトムを会わせるニックだが、
ギャツビーはトムに敵意を見せて、先に帰ってしまう。
訳の分からないまま、ニックも帰るが、
ジョーダンからギャツビーとデイジーの過去を聞かされる。


ギャツビーの中尉時代に
デイジーと出会い、恋に落ちたが、
身分違いからデイジーの親から反対される。

そのまま、五年が過ぎ、ギャツビーは
財を成すが、デイジーは結婚。

そんな過去を知り、
二人を会わす段取りをするニック。

久々の再会に、変わらない
気持ちを確かめ合うギャツビーとデイジー。

今度はギャツビー宅のパーティに
デイジーを招待するギャツビー。
そこで、再び、トムと会い、ゴルフの勝負を挑まれる。

一方、マイヤーは本格的に麻薬に手を出そうとする。
しかし、デイジーの事で頭が一杯なギャツビーは、
デイジーのために、何もかも捨てるとマイヤーに話す。

二幕。
ゴルフ試合の当日。

トムとの勝負に勝つが、
ギャツビーが財を成すために、
汚い仕事にも手を出して、
金持ちになったことを皆の前で話すトム。
そして、デイジーは自分の妻であることを話し、
紳士的に自宅に送るよう言いだす。

そのころ、マートルが交通事故で亡くなる。
マートルをひいたのは、黄色い車。
トムを呼び止めようとして、
車の前に出たが、間に合わずひいたまま逃走。
(試合の朝にギャツビーとトムの車を
交換したが、それを知らないマートルは、
黄色い車がトムの新車と勘違い)

実は、車を運転していたのはデイジー。
しかし、デイジーのために、
自分が運転していたと罪をかぶるギャツビー。

ジョージは、妻をひいた犯人を
探すべく、黄色い車の持ち主を捜す。
そして、ギャツビーの車であることを突き止める。

一方、再び、対岸から見つめる事しか、
出来ない関係に戻ってしまったギャツビーは、
リクライニングチェアに座りながら対岸をみていた。

オープニングの場面に戻り、
ジョージがギャツビーを、銃で撃ち殺し、
その後、ジョージも銃を使って、自殺。


ギャツビーの葬儀。葬儀には誰も来ない。
ニックが墓前に行くと、ギャツビーの父親が居た。

そこに、一輪だけ、花を添え、去っていくデイジー。

父親がギャツビーが上京した時の日記を
見つけ、読むと、若い頃のギャツビーが、
財を成すための努力が書いてあった。

若い頃のギャツビーが歌い、
歌い継ぐ白い衣装のギャツビー。
そのまま、歌い上げ、幕。



井上@ギャツビー
正統派な主演。
財を成すために、キワドイ事をした設定だが、
酒の密売くらいで、ドラックには手を出さない。
なので、成功するまでにどのくらいキワドイ事をしたのやら。

台詞回しがセワしい。自然ではなく、
ミュージカル風味というか、コント風味というか。
若い設定(一途な設定)だと、
特にそれは気にならないけど、
今回のような落ち着いた役だと、
その話し方に、ちょっと違和感。

トートの台詞にそれは感じなかったので、
このギャツビーという人物が、
中途半端に清廉潔白だからか。

財を成すためのヨゴレ仕事に、
どんな事をしてきたのかが見えてこない役設定。


夢咲@デイジー
裏声で歌ってるな、と。
ここまで、『サンセット』と『1789』で、
観てきて、元ヅカ感が無いな、と思ったら、
ここに来て、あぁ、ヅカの娘役なんだな、と。

何がスゴいって、五年前のシーン。
ちょっと、幾つだろう?という設定。


広瀬@トム
これは、何枠なんだろう。
歌枠だと思ってたら、ソロ無し。
『1789』が好青年枠だったので、
今回は普通に悪人。でも声は良い。
悪人というよりは、遊び人か。


畠中@ジョージ
普通に良い人。
それが、あまりに普通過ぎて、
なんかこの作品に違和感。

これが暴力夫とかだと、
浮気しても仕方ない、となるけど、
最後まで妻思いの夫という珍しいパターン。

役者本人の演じている設定を聞きたいかも。


蒼乃@マートル
トムの愛人にして、ジョージの妻。

ダンサー枠なのかと
思ったら意外と歌っていた。
ただ、そこまで歌の印象は残らず。


アカネ@ジョーダン
一人高音。
もっと地声を生かした印象があったけど、
今回は娘役というか、演出?


田代@ニック
主人公の友人なので、
狂言廻しな役かと思ったら、
普通に好青年な役。

で、ジョーダンとくっつくかと、
思いきや、安定の幸せになれない役。

今回、井上氏と対決曲が有り、
比較する機会が有ったが、
(トートとフランツの時よりも、
普通に人と人という意味で)
改めて、好みの低音という認識に。


本間@マイヤー
相場師という事で、かなり胡散臭い。
踊らされるシーンがあり、
役としてはムチャ振りだけど、
サッと無難にこなす。
こういうのは当て書きなのかも。


イ・ギドン@ヘンリー
ギャツビーの父親。

アンサンブルシーンでも登場せず、
最後になって登場し、ソロを歌い、
かなりオイシい処を持って行く。

若干、台詞に訛りが有ったけど、
久々の日本の舞台のハズなのに、
そこまでのブランクを感じさせない。

普通に美声なので、
一度、アルコで観てみたい。
次回、東宝版での登用は有るのか?



小池演出作品。
映画版を観たことが無いので、
主人公が死ぬという展開に驚いた。
(そして、生き返って白い衣装で歌う展開)
ま、デイジーとくっつく事はなくとも、
一人、生きていく系な結末を予想してたので。

で、このギャツビーの仕草が、
男性というよりは、気障な男を演じている。
それゆえに、ヅカっぽい雰囲気が。
また、女性役のほとんどが、
裏声で歌っているので、一層。

極めつけは、暗転時に
音楽が流れるという形式が、
更に、ヅカっぽい印象に拍車を。



舞台装置で、丸と曲線が度々登場。
なぜ、そういうセットなのか謎だが、
重なることで、電話線のモチーフになったり。


楽曲は事前に聞いていた曲以外は
そこまで残らず。というか、
その曲、イチラスで
出てくるので、余計印象に残る。


ストーリー展開は、
ツッコみ処、多数だけど、これが原作通りなのか。
で、ヅカ版(瀬奈さん)との違いを比べたいかも。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『エレクトラ』 | トップ | 『パレード』 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

国内ミュージカル」カテゴリの最新記事