備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『エジソン最後の発明』

2017-04-02 01:19:46 | 国内ストプレ
テキトーなあらすじ。


下町にある工場の一室。

そこには、作業服に身を包んだ
社長の真一郎と息子の正が居る。

それに加え、真一郎の娘であり、
ラジオ曲のDJをしている深春と
ディレクターの仲木戸が正に交渉中。

その交渉とは、ラジオ番組の生放送で、
出演予定だった親子が急遽、出れなくなり、
代わりの人材を探して欲しいという依頼だった。

そこで、正は近所にあるバネ工場の恒夫を
紹介するが、その甥である博之は色々と
問題があると、真一郎が横から茶々を入れる。

正は、『自分達が出ても…』
と提案するが、深春が拒絶し、
仲木戸も、親族じゃない方が、と反対。

そこに正の嫁の明美が、
納期の催促に来た、と伝え、
慌てて出て行く真一郎。

そんな様子を心配した深春に、
正は最近、真一郎が仕事もソコソコに、
何か発明をしているとだけ話す。

とりあえず、恒夫に出演交渉するため、
正は出て行き、残る深春、仲木戸、明美。

そこで、明美は仲木戸が深春の婚約者である
事に気づく。しかし、まだ真一郎には話せずにいた。
それは、仲木戸がバツイチであり、
バツイチは長く続かない、と言い
真一郎が反対することは目に見えているからだ。

一方、深春は真一郎の取り組んでいる
発明が気になる。明美から聞き出すが、
その発明とは、死者と話す機械、
スピリチュアルホンを作ろうとしていた。

技術畑である仲木戸は、
その話題で何とか真一郎と
親しくなろうと計画。

そこにラーメン屋の格好をした馬場がやってくる。
深春に憧れており、差し入れ持参で見学に。

深春の出身中学の後輩である馬場は、
深春と意気投合し、そのまま取材見学に。

そこに正が恒夫を連れてやってくる。
そんな恒夫に驚き、直ぐに出て行く馬場。

ラジオ出演も、まんざらでない恒夫は、
若干の説明下手な処もあるが、
交渉は成立し、ラジオ出演が決まる。

そして、遅れて現れる恒夫の甥、博之。

若干、コミュニケーションを取ることに
問題がありそうだが、そちらとも打ち合わせを。

そこに戻ってくる馬場。
実は馬場と博之は幼なじみだが、
小学校時代に訳ありで疎遠に。

しかし、久々に再会し、近況を話し会い、
自分の母親と真一郎の関係について、
何か気になる事があるという話題に。

更に、真一郎が戻り、
明美と馬場の仲介の元、
仲木戸はスピリチュアルホンの事を話し、
意気投合し、深春の結婚相手の話しになるが、
バツイチだけは認めない、と頑なに拒否。

そうこうしている内に生放送は始まる。
緊張はしているものの、上手く対応していく恒夫。
しかし、博之はマイペースに答えていく。
(基本、下請けでなく、何の部品か分からない横流し
請負業だけど、博之は医学部時代の教授ツテで、
理解した上で、部品を製造していることなど)

生放送、最後の最近、気になる事を話すコーナー。

そこで、博之は人の不倫が気になる、と、
自分の母親と真一郎の関係を疑っていることを明確に。

そんなトラブルも、なんとか纏め、
生放送を終えるスタッフ。
帰ろうとするが、仲木戸が、
突然、深春と結婚するつもりであることを宣言。

バツイチでも決して別れないと誓う仲木戸に、
真一郎は証明として、スピリチュアルホンを
作れと言い、つい、それを受け入れる仲木戸。

数日後。
隣の工場を覗く、正と恒夫。
手には缶ビールを持ち、
工場を開けようとしている。

中から猫の鳴き声が聞こえてくるため、
それを出すためだった。

しかし、開かず、博之を呼び出す。
どうやらラーメン屋にいたらしいが、
あれ以来、馬場のラーメン屋に通っている様子。

そのまま、博之の母親が、
若干、ボケてきたこと、
博之の父親が自殺だったこと、
博之の大学の費用を真一郎から
借りてること、それを最近、
母親が、博之に話したこと、
(それで、二人の関係を疑い始めた)
など、色々酒の勢いで話してしまう。

そのまま、話は恒夫の好みのタイプの話へ。
実は、明美が好みのタイプだが、
正はもう冷え切って関係と口走るが、
トイレから携帯の着信音が。
実は、明美がトイレに居て、
すべて聞かれていた。

そして、不機嫌になる明美。

なお、その電話は、
仲木戸がスピリチュアルホンを完成させ、
真一郎に見せる前に、正と深春に見せにくる。
あれ以来、ギクシャクしている二人は別々にやってくる。

更に工場を開けるために博之もやってくる。
博之は深春に母親と真一郎が不倫していたのでは、
疑うが、気分を悪くしたと外に出る深春。

そこにラーメン屋に携帯を忘れた馬場が届けにやってくる。
皆の前で、スピリチュアルホンを実演する仲木戸。
しかし、これはインチキと直ぐに見破る馬場に、
サリの要領で人口知能に答えさせていること、
声は正に協力して貰ったことを深春に告白。

真一郎に変な発明を辞めて貰いたい正は
協力した事を話す。若干の拒否感を持ちつつ、
スピリチュアルホンを受け入れる深春。

一方、馬場は博之に、
幽霊が見える体質であることを話す。
しかし、それに対し、宗教的なモノを
感じた博之はつい、口走るが、
馬場は馬場で、霊感が見えなくなった人が、
宗教を興すという、その傍迷惑さを話し、
博之が信じてくれないことを残念がる。

そして、真一郎がやってくる。
仲木戸に見せられ、唐突に油木と話しかける。
皆が亡くなった妻に話すモノと思っただけに、
誤魔化すが、妻の声が聞こえても直ぐにインチキと見破る。

そして、認めないという真一郎だが、
深春は油木とその妻の関係を問いただす。

それには答えず、スピリチュアルホンを持って、
隣の工場に行く真一郎。
そこで、何故、油木が自殺したのか、
と問いかけ、金策に困っていたなら、
何故、自分に相談してくれなかったのか、と問う真一郎。

博之に対しても、母親とは何もないし、
自殺するまで追い込まれていたのに気づかなかった
負い目から、貸した金も返さなくても良いと話す。

そして、室内に戻り、仲木戸との結婚も、
どうせ自分の言うことはきかないと、
仲木戸との事を認める。

そこに、恒夫が、
工場で子猫を産んでしまったとやってくる。
そのままスーパーに餌を買いに行く。

一方、明美もツマミが無いと、
買いに行くが、恒夫が居ることに気づき、
慌てて自分も、と付いていく正。

真一郎が呑んでいると、外で桜が散る。
そのまま、外に行く真一郎に、
相手をするように促す深春。

残った深春は、スピリチュアルホンに
話しかけ、暗転。


瀬奈@深春
DJという職業を差し引いても、
快活に喋るキャリアウーマン。
前回観たのが、オットリとした
マチルデだっただけに、その落差が。

主演にしては、出番やオイシい場面が少なく…。


東山@仲木戸
ストプレで観るのが稀なのに、
更に、普通のチャラい、でも真面目な青年役。

台詞が若干、聞き取りヅラい、
一瞬、言ってる事を理解するのに、
反芻するけど、他は普通に好青年。

というか、粒子の説明の流れるような
台詞に棒読み感が無く、すっと、
理解させるのが、スゴいな、と。


岡部@正
この辺に地味にウマい人を配役。
娘と父親の親子がメインだけど、
ちょっと、息子との葛藤とか、
夫婦間の問題とか、すっと差し込む。


まりえ@馬場
ラーメン屋。
この小気味良い
元ヤン風な演技がなんか、ツボ。


安田@明美
正の嫁。
この体型を逆手に取った脚本なので、
ラストの正に抱きつくツンデレが。


武谷@博之
若干のコミュ障と、
その棒読み加減が絶妙すぎて。

結局、馬場とは仲直りだけど、
それ以上の展開は特に。

母親を疑うけど、
その母親が、登場しないので、
何故に、そんなに拘るか、と。


八十田@恒夫
前半は普通の人だったのに、
後半は色々とクセのある役に。


小野@真一郎
職人気質な父親。
と、思いきや、結構、理系脳。
その辺の説明台詞をま〜淀みなく、と。
それも、初日から。(一回、言い直したけど)

近年、翻訳舞台には結構出演していたけど、
オリジナル脚本はかなり久々だし、
(『巌流島』以来かも)この当て書き感。

ドラマも、一種の当て書きではあるけど、
やはり、舞台で当て書きというのがオイシい。



ほとんど暗転がないけど、
複数のエピソードが同時に進む。
その伏線も綺麗に回収して、
見終わった後に、何の疑問も残さない。

大変にほのぼの系な話で、特にドンデン返しもなく、
こういう路線を描く脚本家なのだろうか。

ちょっと、馬場のエピソードは、
別に削っても、問題ない気も。
てっきり、霊感が強いという話が
メインに絡んでくるかと思いきや、
結局、その能力の必要性というか。

ましてや、正周辺のエピソードとか、
更に、削っても問題なさそうだし。

メインの話に、絡んでいれば、
また、違った印象を残すけど、
結果として、独立しているので、
この二つのエピソードが、同時に
絡んでいる必要性がなさそうな。


最初、発表されたキャストが、
深春、仲木戸、真一郎のみだったので、
3人芝居かと思ったら、違ったし。
ま、この3人だけだと、
話が進行しない気もするけど。


観ていて、倉持脚本の持つ雰囲気と
似ている処があるな、とは思ったが、
なにぶん、オリジナルの青木脚本を
観るのが、始めてなので、特徴は分からず。
ただ、脚本有りきでの観劇は無さそう。
(出演者によっては、観劇パターン)
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