備忘録

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『北京の幽霊』

2005-06-12 22:16:40 | 国内ストプレ

 日本人一家に中国人の幽霊達が成仏を頼む話。
 夫人の洋装化運動に失敗して、北京に逃げてきた平田一家。住む家は清王朝に処刑された宦官の持ち家で、今も幽霊として居着いてる家だった。しかも、そこには兵役から脱走して処刑された幽霊チュンアルもいた。幽霊の願いは自分たちが隠した財産で成仏してもらうこと。ただ、平田夫人しか幽霊を見ることができず、夫人は夫人で見えないことにしている。しかし、それに耐えかねた夫人は屋敷に現地人の為の学校を作り、賑やかにすることを思いつく。そして、急に前向きになる夫人。チュンアルにももう、怯えないと宣言して幕。
 2幕。開校に向けて準備をするが、幽霊屋敷に生徒は集まらない。また、初子はローに奥さんがいることが分かったため、一人日本に帰ろうと考える。そんな絶望の中、急に幽霊が見える様になる初子。そして、幽霊の願いを叶えようとするが、先にチュンアルに財宝の在処を話してしまい、葬式の費用をとられてしまう。3ヶ月後、なぜか生徒も集まり、軌道にのる学校。しかし、初子はローとうまく行かず、東京に戻ろうとしていた。そんなある夜、教務室に忍び込む生徒を見つける。理由を聞くと、『ここに来れば幸福が訪れる』と夢枕で聞いたからという。実際、チュンアルの指示に従い、ワンという男が財宝を掘り当てた話は伝わっていた。しかし、今では金よりも教育で、その現状を維持したいと願う生徒。初子が東京に帰ろうとしていることを知り生徒たちは、また金に目が眩み始めていた。そのことを聞き、困る初子。そこに宦官の幽霊が現れる。そして、成仏すると言い出す。弔いはされてないが、学校という場を作ったことで、国の水準が上がり、自分たちのメンツがたったためという。実は夢枕に立っていたのは宦官たちだった。そして、初子に先生を続けてもらうよう説得して成仏する。夜があけて、ローが新しい門番を連れてくる。それは幽霊に似た者達だった。
  話の全体的な構造が文学座とか俳優座とかそういう雰囲気。真面目なカンジ。また、中国人(幽霊)が日本人に最下層の中国人の教育を頼むというのに、違和感を感じる。戦前の戯曲を知らないが、上演するのに規制とかがあるのか?その辺は作者の背景を知りたい。パンフに『飛行機に悪戯をすることで、反戦を表してた』となってるので、基本は戦争を支持するような本を書いていたのか?
  
富岡。思ったよりジジイ演技だった。実年齢はいくつ?その他の役者は、発生がしっかりしており、棒読み感もなかった。ただ、若干息子役が棒読み。逆に、初子役の人が気になった。普通にウマいというか自然と言うか。平田博士は良い声だし。
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