備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『ピピン』

2019-06-16 03:44:24 | 国内ミュージカル
あらすじは来日版のコチラ


城田@ピピン
居場所を探し続ける、
という役ではあるけど、
木偶のボーで役立たず、
更に優柔不断というのが第一印象に。

歌声は細いのだけど、
意外と歌詞は聞き取れる。

これは音響なのか、
はたまた、本人の資質なのか。

で、最後、ピピンという
役を演じている感が無くなったような。


Crystal Kay@リーディングプレイヤー
R&Bを歌うような、
ちょっと、粘っこい歌い方。

そのソウルフルな歌い方は
狂言廻しには良いが、台詞になると、
ちょっと、日本語に訛りが。

でも、訛り自体は、一人、異質の
語り部っぽくて、良いのだが、
ラストで、急に、舞台を牛耳り、
実は、座長だったときの、
急に場を仕切り始める違和感。

あんた、座長だったのかい、と。


霧矢@ファストラーダ
継母感はあまりなく、
純粋に息子を王に仕立てる、ただそれだけ。

”ちょっぴりサンシャイン”では、
スチームヒート的なフォッシーダンス披露。
そこはやはり、元ヅカ的なダンスセンス。


宮澤@キャサリン
一幕では、首を乗せた荷台を押したり、
自転車に乗って、ピピンに絡んだりする。

二幕で本役。
登場からイツモのエマ節。
あの可愛いらしい声で、
それを全面に押し出す。


岡田@ルイス
なんか歌ってるメロディと設定に既視感。
最初、ロミジュリのパリスかと
思ったけど、ウィキッッドのフィエロか、と。

一幕ではとにかく、
ピピンと比べられていたが、
二幕からは、ほとんど登場しない。


前田@バーサ
あの年齢であのアクロバティック演技を。
更に、あの体勢で歌っているけど、そこは口パクか。



リバイバル版の演出家を招聘し、日本語版。
来日版同様、サーカスとミュージカルの
融合というエンタメ系ミュージカルだけど、
パフォーマーは外人部隊で、何か、
そこだけ、別物というか、ゲストに
日本人が加わっているという印象に。

で、披露する度に、客席の反応がよく、
更に、ミュージカルを観に来てる感がなくなる。

”あっという間に”では、
後ろに歌詞が出てきて、皆で歌いましょうという、
展開になるのだけど、普通、この流れでは、
歌わない日本人観客だけど、皆で大合唱。

開幕一週間で、ここまで、
観客参加型ミュージカルになろうとは。
主役がSNSで、盛り上げてくださいと、
役者からの要望を伝えているとは言え、
日本人の公演で、これは大変に珍しい。

ただ、問題は手拍子を先導する客が
流れで止めても、それを理解出来ない、
普通の客がやめないので、ちょっと、
ズレたような、合わない手拍子というのが、
何回か有り、逆に役者が大変そう。


一幕で出てくる、忘れられないラスト。
主役が火の海に飛び込むという演出なのだが、
そのシーン自体は覚えていたけど、
それを目玉にする事は完全に忘れていた。


来日版同様、メタな展開で終幕。
ただ、リーディングプレイヤーのキャラが
結構、強めで、かなり座長感を重視。
最後にはオケに向かって、キーボードを止める。

その流れで、アカペラで歌うので、
ピピン(を演じてる役者)が自分の居場所
(キャサリン女優と生きてく)を見つけ、
代わりに、テオがそれ(一座)を引き継いでいく。

と、有る程度、計算された流れなので、
この最後のメタ要素の唐突感は若干、薄れる。


で、改めて、このメタ要素やサーカス演出が、
串田演出と似ている(というか系譜)と、実感。




今井@チャールズ
”魔法のひととき”の
バトル、という歌詞で幕から登場。
この時の小道具は剣で、
まだ劇団員という設定。

幕が開くと、お立ち台で歌うも、
ただ、剣の舞、というポーズ。

BWリバイバル版では、この時点で、
ジャグリングだったけど、
来日版同様、剣の舞というパターン。
なお、エアお手玉はやらない。

どうやら、ジャグリングはカット。
残念。

慌てて、袖に捌け、スタッフに
ナイフを渡し、センターに戻り、
フォッシースタイルなアレでフィニッシュ。

その後、王として登場。
民の陳情には、とにかく、却下と否定。
その言い方が、幼い、というかコミカル路線。

で、ファストラーダに骨抜き。
ともかく、何時までも手を握り、
かなりのエロオヤジ路線。


”戦は科学”
同じ歌詞とメロディの繰り返し。
だけど、回数を数える毎に早口になる
この曲を歌いきって、唯一のソロ終了。
(Welcome homeがカットのため、
ここしかメインソロが無い)

また、最後、ハンカチをステッキに
という手品を披露するも、服の袖から、
取り出す瞬間が見えたのは気のせい。


”ちょっぴりサンシャイン”で、
ファストラーダに向かってナイフ投げ。
これも投げた瞬間、マントに隠しているのが見える。

その後、マジックボックスに
入ったけど、消えるという定番マジック。
ただ、あのスペースに入ってるのは大変そう。

アルルには、キックスケーターで移動。
袖に捌けるも、ちょっとフラフラ気味で。

アルルの礼拝堂。
劇中、チャールズの唯一のシリアスシーンだけど、
ここでのピピンとのやりとりが一番の見せ場。
それまでの天然ボケキャラでなく、ここだけ威厳のある国王。

ピピンとマジメに会話をするも、
唐突にピピンがナイフで刺すので、若干、
コントのように歩き、舞台中央に倒れる。

倒れた後、
腹の上下は見られず。
ちゃんと、息を止めてるっぽい。
そのまま全身をマントで覆われる。

空中浮遊。
マントをハズすと遺体が消える、
という定番マジックで退場。

二幕。
幕開き、全出演者が舞台に出るモノの、
チャールズのみ、不在。
ここでジャグリング披露か?
と、思ったけど、完全にカット、残念。

後悔するピピンに、椅子に腰掛け、
ナイフが刺さったまま、再登場。
その際、両手は袖の中。
(中国式な手を袖に入れた状態)

ピピンが背中から手を突っ込み、
ナイフを抜くというマジック。

なのだが、その手は明らかにチャールズの手。
ピピン役者の白い陶磁器のような手と違い過ぎる。

ラスト。
全員が登場するなか、
ファストラーダとお立ち台に。
そこで、定型の振り付けを披露し、
ピピンにピピンジャージを渡す、
という大事な役を担う。

ピピンが火の中に飛び込まないので、
リーディングプレイヤーの指示の元、撤収。
先ほど、着せたジャージを身ぐるみ剥ぐ。

出番、終了。


白髪ロン毛という髪型で、
ことあるごとに、かきあげる。
特に、右。クセ、何だろうか。
単に、ロン毛カツラに慣れてない?


また、バーサがファストラーダへの
反感で『今も、神父に懺悔を聞いてもらってるか?』
とピピンに質問する、ダブルミーニングのシーン。
(小田島氏がプログラムで書いてるアレ)

その質問対象が神父からチャールズに変わり、
そこのシーンが、全然違う内容に差し替わったために、
更に、エロオヤジ路線が強くなっていく結果に。


プログラムに記載されているが、
演出家のチャールズへの要望は、
コミカルキャラとシェイクスピアの様な演技力。


ただ、コミカルシーンが多めで、
シェイクスピア的演技力は礼拝堂のみ。
そこ以外に演技力を発揮するシーンが
無いけど、ソコとの落差を要求してるのか?


ソロは一曲と省エネ出演。
その分、手品シーンが無駄に多い。
ただ、パフォーマンス(ジャグリング)
よりも、手品の練習を優先した結果、
ジャグリングがカットなのか、それとも、
演出家による、ジャグリングが舞台で
披露するに耐えないという判断なのか。

公開リハーサルの写真は全て、剣の舞になってるので、
演出家が稽古時に来日した段階では剣に確定した模様。

昨年末から、ライブでのMCネタにしてきただけに、
ジャグリングのカット理由が、大変に気になる。
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