備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『十二人の怒れる男』

2010-11-14 16:40:25 | 国内ストプレ
1号。陪審員長。他に比べると、台詞数が多いため、若干、棒読み調(説明的台詞が特に)
2号。流動的性格タイプ。あのドギマギ感を自然に演じていた。
3号。小林勝也。この芝居で一番美味しい役。惜しむらくは、常に台本を読むので、表情が見えん。役設定は若めなのかも。9号を爺さん呼ばわりするが、あなたも十分爺さんな気が。
4号。塩谷亮。理詰めキャラ。ACM劇団員の中では、一番キャラ立ち。最後にスーツ(上着)を脱ぐがそのタイミングが何時かが大変気になった。
5号。石母田。一番の若手なので、もっと前に出るかと思いきや以外に地味。何故、こんな地方オンリーな舞台に出てきたのかが、かなりの謎。役回り的に、筒井道隆を彷彿。
6号。粗野なトラックドライバーキャライメージ。これはもう、梶原善でチョイ役でも良いから観たい役。
7号。福井貴一。リーディングなのに、振りやら、前を向くやら、派手な動き。役的に10号と被りそうだが、決して被らない。この声が好きなので、これでも十分満足。
8号。吉見一豊。初見。声が鼻声で榎本孝明を彷彿。役的には一人問題提起をするメインキャラゆえ、何故にこの役者?と思ったが、観ていて納得。声が良い。
9号。西本裕行。今回の舞台で一番の収穫。ちょっと、普通に出演舞台を観たい。とりあえず、声が一番自分好み。
10号。冨岡弘。温井洋一を彷彿。こういう野次系キャラを演じたら右に出るものはいない。
11号。久保酎吉。勿体無い使い方。片言台詞なのに、棒読みにならない。一人マオカラーな上着なので、それが気になる。
12号。金髪なこと以外取り立てて。本当に若者的な台詞もあり、一番の年寄りである9号よりも、3号と対比しているような。

普通の舞台でも観たい気がするが、12人全て識別できないと観るには大変かも。そういう意味では、座る位置が変わらない今回のリーディングは分かりやすい。以前、映画版を観たことがあるが、結局識別が出来なかった記憶が。それゆえ、3号が一番美味しい役とは知らなかった。
ただ、今回、普通に役者がたてる音も効果音のため、結構驚く。また、いきなり話し始めるので、誰が誰にというのが分かりづらい。その辺を考えながら観るので、眠くはならないが。
最後、無実を告げられた少年の影絵あり。この演出は面白かった。
観ていて、三谷脚本の『十二人の優しい~』と比べてしまう。あちらは、問題提起をしていた人が、結局自分と重ねてしまうのに対して、こちらは最後まで反対していた人が自分と重ねるラスト。三谷は最終的に採決不一致にしたような記憶が。
ただ、問題提起者に味方する人が存在する三谷脚本は面白いし、オマージュした今作よりも好きなのはコメディになっているからか。二年くらい前にこれを元ネタにした作品をこの劇場で見たが、あまりに…だったので、余計、三谷脚本の素晴らしさが分かる。
12人のキャラを把握した今、去年コクーンでやった蜷川演出版をかなり観たくなった。


初めて演劇を観たのが、この劇場のこの作品。勿論、中学の時で、ナイフを机に突き刺すシーンが強烈に残っているだけで、確証はないのだが、感慨深いものが。

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