備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『コラボレーション』

2011-02-27 22:07:57 | 国内ストプレ
(パンフ続き)徴収された手紙から、反ナチとみなされ、音楽監督も退任させられるシュトラウス。一方、ツヴァイクはブラジルに渡るものの自殺してしまう。戦後、反ナチ委員会で、ナチに協力していたとして弾劾されるが、何時の時代でも楽曲を発表したかっただけと訴えるシュトラウス。そして、ユダヤ人であったツヴァイクを大事にしていたと訴え、幕。

加藤。初。声質が辻萬長氏にそっくり。聞いていて、かなりオーバーラップ。そのため、クリアな発声ではないが、聞きやすい声。初登場時が、65歳の設定だが、メイクに対して若い。その分、最後のシーンはこれでもかっという老けメイクだが、70に見えない滑舌。

福井。なんか最近、ストレートばかりで観ている。が、ここまでメインにくる役は初めてかも。ただ、シュトラウスの役設定があまりに強烈なので、ツヴァイクが普通すぎて印象に残らず。そして、最初の神経質設定は一体、何だったのか?また、最後の自殺のシーンも妙に薬中チックな演出。

加藤@ロッテ。発声そのものがかなり特徴的。そのため、ロッテ登場シーンがかなり異質に。元々、スパイ疑惑もあるためか、物語の中でも存在意義を異質にしているのか?

塩田。毒舌な妻。こちらもあまり、あまり登場しないが。インパクトは十分。

加藤@ヒンケル。妙に長身なイケメン。そして、あの軍服も似合うが声がイマイチ。

河内。まさかのワンシーンのみ。最後は支配人解雇という情報のみで、残念な結果。かなり勿体ない使い方。


作曲活動という自分の飢餓を埋めるため、そのインスピレーションを与えるツヴァイクに固執するシュトラウス。一方、芸術活動よりも、自分の主張・生まれを重要視するツヴァイク。この二人の対立と共存を描く物語と思いきや、一方的なシュトラウスのエゴ的音楽活動が描かれ、ツヴァイクの才能を評価しているものの、共存というよりは自分の音楽活動を続けるための手段としてのツヴァイク存在理由があるような。友情とは少し違う。
ま、加藤氏の加藤氏による座長芝居であるが、ツヴァイクが利用されているだけのように思えて仕方ない。


『ドレッサー』は三國版を映像で、平幹版を舞台で観て、映画版も見てるくらい好きな作品(バックステージもの〔それも作品がシェイクスピア〕が好きなので)だったので、今作を観たが、まさかこんな戦時中の天才がテーマとは。観たことはないが『戦場のピアニスト』系の作品か?


前回観た舞台(『わが友~』)が、政治家としてのヒットラー視点で描かれる物語だったが、今回は逆に弾圧されるユダヤ視点の話。この後、『国民の映画』を観劇予定だが、次は弾圧する方かされる方か?はたまたその両方か?ドイツ版『笑いの大学』?

フルトヴェングラーの生涯を演じた『テーキング・サイズ』もかなり気になる作品。どこかで翻訳上演されないものか。

また、天才の対立と言うことで、三谷の『You are the top』を思い出した。あれは作曲が寡黙(鹿賀氏)で作詞が饒舌(市村)で逆だったが…。

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