備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『ジェイミー』

2021-08-09 17:22:49 | 国内ミュージカル
テキトーなアラスジ。

ある高校の、
ある進路指導の時間。

医者を目指す生徒(プリティ)も居れば、
あまり現実的でない職業を書く生徒も。

教師のヘッジは、
現実を見ろ、と諭すが、
ジェイミーは上の空。

そして、ジェイミーの夢は
ドラッグクイーンになること。

帰宅するジェイミー。
その日はジェイミーの誕生日で、
家には母親のマーガレットと、
その友人レイが準備をしていた。

ジェイミーの父親とは離婚。
しかし、メッセージカード
とお金をくれることは忘れない。

母親からは、ジェイミーが欲しがっていた、
赤いハイヒールをプレゼントされる。


翌日、学校では、女子によるプロム会議が。
それには参加せず、自習するプリティ。

プリティとは幼なじみのジェイミーは、
赤いハイヒールを披露。そのことで、
プリティから、ドレスを着て、
プロムに出ることを提案される。

ジェイミーはプロムに
着ていくドレスを探すため
ドラッグクイーンの衣装を取り扱う店に行く。

その店の主ヒューゴは、
ジェイミーを冷やかしと
思っていたが、話を聴き、
赤いドレスを選んだ事から、
ジェイミーを応援する。

そして、ドラッグナイトへの出演を提案。

ドラッグナイトに
参加するため、
メイクの練習をするジェイミー。

学校のトイレで、
コッソリ、プリティに
メイクを手伝って貰っていたら、
ヘッジに見つかり、
その姿を皆の前に晒される。

ドラッグナイト当日。
皆の前で、女装することに、
不安なジェイミーだが、
ヒューゴに励まされる。

また、父親からも、
ドレス代と励ましのメッセージが。

そして、舞台に立つ決心をするジェイミー。


2幕。
教室では、ジェイミーのウワサで持ちきり。
そこに、メイクをしたジェイミーが教室へ。

そんなジェイミーに、
やり過ぎと牽制するヘッジ。

自宅に帰り、プロムの衣装を
考えるジェイミーとレイ。

そこに学校からの電話が。

ヘッジから、他の保護者から
ジェイミーをプロムに出すな
というクレームが来てる事を知らされる。

落ち込むジェイミーに、
プリティはシンプルに見せる
服を提案するが、ジェイミーには、
ある忘れられない体験が有った。

それは、女装姿を見られた、
父親からの『気持ち悪い』という一言。

誕生日事にカードを送られたり
ドレスの代金を払ってくれる父。

でも、記憶の父とは別人。

その真実を確かめるため、
成長してから初めて会いに行くジェイミー。

誕生日のメッセージや、
ドレス代の件でお礼を言うが、
それは知らないという父親。

挙げ句、『気持ち悪いんだよ』
と、また、言われてしまう。

マーガレットに真相を確かめるが、
嘘だったと知り、罵詈雑言を浴びせる。

そのまま家から飛び出すが、
そこでまた、ヒューゴと出会い、
励まされるジェイミー。

帰宅し、マーガレットとも、
仲直りし、プロム当日。

皆がめかし込んでいるなか、
スーツドレスで登場するジェイミー。

勿論、そのプロムに
参加する事は、許さないヘッジ。

ジェイミーはそれを受け入れ、
去ろうとするが、皆が引き留める。
渋々、プロム参加を認めるヘッジ。

そして始まるプロム。

その後、ジーパンだけど、
自分らしさを忘れない
格好をするジェイミーで幕。


森崎@ジェイミー
普段から、ちょっと、
姐さん口調では有るけど、
他の生徒からは、それが、
どういう意味かは理解されてない。

その距離感に満足する自分と、
さらけ出したい自分の葛藤。

1幕でさらけ出すけど、
それは続かない。

根本的な父親のトラウマが
解決することで、やっと解決。

2幕はそこがカッタルい。
1幕で、そこは片付いたのかと思ったら。


流れるように歌う歌詞と、
その内容に負けないくらい、
踊り続けるジェイミー。

ミュージカルというよりは、
Jpopを歌ってるようなジェイミー。

アンサンブルと居ても、
埋もれないダンスパフォーマンス。

ソコは華が有る。
あと、台詞の言い方に、ウェンツっぽさ。


高橋@ジェイミー
作ったゲイでなく、
自然にオネエキャラ。
気負った処が見えない。

歌がミュージカル発声。
で、JPop歌唱じゃない発声。

なので、演技と歌の剥離感、薄め。

ただ、ダンサーなのかな?
そんなにキレキレなダンスでは無い。


安蘭@マーガレット
ジェイミーの母親。

過保護というか、ジェイミーを
信用出来ていないというか。

いつまでも、子ども扱いからの、
子離れが若干のテーマ。


無茶な歌い上げは無いので、
切々とバラードを歌い上げる。


田村@プリティ
普通の少女。だからこそ、
ジェイミーを受け入れ、応援。

最後、ディーンにも、
言えるように成長するけど。


実はヒロイン枠。
学生枠では、ミュージカル
発声枠が彼女しか居ない。

なので、ソロで歌うと、
説得力は有るけど、
インパクトが欠ける。

大型ミュージカルで見るには、
もの足り無いんだろうけど、
この規模のミュージカルなら。


山口@プリティ
アイドル、なのかな。

もっと腹から声出せ、
と言いたくなるけど、
このメンツ(学生達)なら、通る声。


佐藤@ディーン
性格が残念なイケメン枠。

もっと、ヒドい役かと思ったけど、
そこまでイジメっ子感が無い。

最後も、なんか、落ち着いちゃったし。

そこは敢えて、
デフォルメしてないのか。


鈴木@ベックス
同級生。

もっと、主張してくるかと
思ったけど、それはラストのみ。

ベックスに限らず、
学生にモブ感を入れてるのか。


樋口@ヘッジ
大人組と学生組の中間管理職。
でも、学生寄りの若さ。

で、あんだけ反対してたのに、
私情でジェイミーを受け入れる。

ジェイミーに説得された感、薄め。


この歌詞で、歌詞の内容が
聞き取れる素晴らしさ。
そこがキャスティング要員か。

別回に見た時、冒頭のセリフが
掠れてるかと思ったけど、
歌い出すとそんな事もなく。

2幕の電話シーンが、
ぶりっ子、方言、ぶりっ子
と変わっていく。

電話相手が違うだけで、
それぞれ、進展してるのかも。


泉見@ライカ
ドラッグのロリ担当。
ともかく、可愛さ。

これは当て書きというか、
いつまでも若いイメージを貫き通す。

ピンクが主体で、デコられるけど、
衣装の最終形態はあまり変わらない。


吉野@トレイ
ドラッグの妖艶担当。

ヤングロコの時は、
白いドレスで、動きが飛び道具。

赤い衣装に変わるシーンは、
失敗した回が有ったけど、直さない潔さ。

そこから、ドラッグナイトで、
ショールの付いた妖艶な役。

”乗り越えるの”では、
カクカクした動きを見せる。

最終形態の衣装が、見せパン。
Tdvのアレを思い出しつつ、武器はムチ。
やはり、唯一無二の飛び道具。


保坂@レイ
謎の私生活を持つ、
マーガレットの友人。

母子、両方の相談相手にして、
ジェイミーの父親的存在のオトコマエ。

樋口さんとは違う、
歌詞の聞き取り良さ。

英語の発音がネイティブでなく、
日本語発音英語の分かりやすさ。


石川@ヒューゴ
登場時が、冴えない中年。
ひも付きメガネで、常に落としガチ。

2度目以降はソレもなく。
というか、全く落とさない。

が、その口調はカタギでなく、
普通の格好をしてるのにオネエちっく。

一幕のドラッグナイトでは、
一夜限りの復活なのに、
タカラヅカの男役っぽさ。

一旦、地味な衣装に戻り、
ジェイミーをバックハグする抱擁感。
男性の、冴えない中年衣装なのに、
それは、母親的なナニカに見えてくる。

最終形態が、謎のシャンデリア。

イメージ図はミラーボールなのに、
なぜ、シャンデリアに移行?

でも、目を隈取りし、
謎のアピールを。


この作品で一番美味しい、大人組。
ソロと見せ場は有るし、衣装も豪華。

はじめて女装役を演じたらしいけど、
そういうオファーは無かったのか。

まー、市村氏の系譜だと、
まだまだ、回ってこないか。

『ヘアスプレー』が、
いつ、再開されるのやら。


ジェフリー演出。
学生にはキレキレのダンスを
要求しておきながら、
大人組には、そこまでの
フリを付けない演出家。

あくまで、主役は若者達。


学生役者が、セットの椅子を
運んで、セットチェンジ。
その際、椅子の運び方が、
妙にリズミカルに退場。

そのセットも、椅子を重ねて、
テーブルクロスを
敷いて机に見立てたり。

実は、大人キャストの
アンサンブルが居ない。


歌詞がカタカナ英語混じり。
そのため、ちゃんと聞き取れるのに
意味を理解するのに時間がかかる。

なんか、Jpop風な歌詞。


脚本の若者言葉が、今風なのと、
微妙に一昔前の表現が混在。
再演ではカットや変更しそうな台詞。


ダンギレスピーセルズ音楽。
繰り返し聴いて、やっと耳に残る。
一発で耳に残るキャッチーさが無い。

覗き見会で聴いた曲は、
ギリギリ覚えてる。
あと、歌詞が変わって
リプライズ、というのも分かる。

楽曲で、一昔前の洋楽っぽさ。
ミュージカルのような、
印象に残る曲でなく、
昔の洋楽に有りがちメロディ。

ポップスっぽいメロディを、
ミュージカル風に歌うか、
ポップス風に歌うか、で
印象が別れる楽曲。

ポップス風に歌えば、
聞き取れない歌詞も問題なく。 

歌詞を聞かなくとも、
成立するストーリーが、
ミュージカルとして有りなのか?


LGBTがテーマ。
男性主人公が女装系。
男性同性愛モノはアリガチだけど、
単に、男性の女装癖は珍しいかも。

ただ、開き直ってからも、
また、悩んで、っていう展開が、
その辺を、もっとサクサク進めれば。
もっと、スッキリするのに。


あと、若者が主役なのに、
ディーンとジェイミーの
関係性が、ちょっと中途半端。



今井@ジョン、ジェイミー父、サンドラ
”伝説のロコシャネル”
まず、再現VTRのジョンで登場。
歌は合いの手コーラスやジョンの台詞。
『ロコ』『シャネル』というコーラスを繰り返す。
キーヨチャンネルを持っているので、聞き取れる。

黒のグラサンに黒の付けひげ、
ストライプのスーツで、
ロコシャネルに撃たれる役。

他2人と、再現するのだが、
その時の、リズミカルな登場の、
他2人との若干のズレ感。

2度目以降は大分合っていた。
更に、大仰な動きと、
ヤングロコのトレンチを
もって、退場する速さ。

内ポケットに、
赤いのが見えるな、
と思ったら、ヤングロコが、
持っていく血糊だった。

千秋楽では流石に、
皆、と合っていた。

ただ、退場するときに、
足を蹴り上げて退場。
サンドラ再入場の時の、
尻突き出しダンスの代わり?


ジェイミー父で登場。
今回、地毛は白髪で髭無し。

再婚相手に子供が出来たから、
禁煙中で、たばこをマーガレットから貰う。

赤いエンジのセーターに、
主張する腹周り。

ちょっと『H2S』の社長を
思い出す。(あれは黒髪か)

なお、若干のアル中設定。

2度目は、登場時から、
腹を押さえ登場。
3度目は、顎を押さえての登場。

キツそうなピッタリスウェット。

千秋楽は、
頭(おでこ)を押さえて登場。

登場時の手の位置は、
気分なのかも、知れない。


次は、サンドラ楽屋verの衣装。
まず、クラブ前で談話。
万里の頂上ネタ、披露。

で、ウォーミングアップ
のジャンプは、3度目に
観た時の飛距離が一番、高い。

千秋楽、時間を確認するも、
時計をしてなかった。
アドリブなのか、
実際にしてなかったのか。

そのまま、腹時計、と腹ポン。
更に、トレイにも叩かれる。

その後の飛距離も、
あまり飛べず。動揺?


玄関から入るのだが、
その時の客への対応が違う。
声の掛け方?


ジェイミー楽屋。
先ほどのマーガレットへの対応が、
180度違い、かなりのハイテンション。

で、マンボを踊り出す。
2度目に観た時は、3人が揃った。
他は早かったり、バラバラだったり。

口調が説明調で、『アダムス』
の時のフェスター叔父さん風味。

その後、咳払いしてから、
ロコの事を『姐さん』と年上扱い。
2度目の時は咳払い無し。

千秋楽、掛け声が、
おばさん、間違った姉さん、と。

普段から、ロコに
おばさん、と言われるので、
千秋楽のみ逆襲。

が、ロコから執拗に、
おばさん、と言われる結果。

ロコからの紹介。
が、後ろを向き、
チンポジを直すという暴挙。

その行為自体は台本に
有るんだろうけど、
椅子に足乗せてはオリジナル。

”乗り越えるの”
常に扇子を持ち、バサッ
と音をたてて、広げる。
扇子自体は、台本設定。

2度目以降は控えめ。
扇子が広がりきって無い。


ここの登場では、
トレイ以上にカクカクと直角移動。
能的なモノか。(演出、外人だけど)

更に、曲がる時に、
尻を出すようになっていた。

千秋楽はそこは地味。


コーラスで参加するけど、
覗き見会では、判別が難しかった、
聞き分けが本番ではバッチリと。

千秋楽はライカの声をよく拾っていた。

一幕、最後のシーン、
プログラムのセット図案には、
サンドラの顔もあるけど、実は居た?
→居なかった。

2幕。
ジェイミー父、再び。
今度はオープンシャツ、インで。

実は、久しぶりの再会。
別れた後も会ってたっぽいが、
面会日に色々誘って、失敗系。

ジェイミーに幼い頃吐いた暴言
『おまえ、気持ち悪いんだよ』を
もう一度、ジェイミーに言い放ち、
ドラッグクイーンを完全否定。

全く、救われないまま、
フェードアウトするジェイミー父。

ただ、下着着て無いのか、
胸の辺りが透けている。


サンドラ最終形態。
豹柄のマーメイドドレスに、
両脇に豹の縫いぐるみを抱える。

この豹が人気で、
保坂さんがいじってたら、
女子学生までいじってた。

で、豹に拍手させてるし。

この演出はオリジナルなのか、どうなのか。
→オリジナル。

ラストシーンでは、
一番最後列に移動して動く。

影に隠れているから、
客席から見えずらい位置をキープ。
踊らなくても、バレない。

なおかつ、両手が豹でふさがっているので、
手拍子のリズム感を、とらなくても良い。

他の人と、1人違う振り付け。
Twitterに、振り付けシーンが
上がっていて、真似ていたのに。

衣装のセイなのか、
そもそも覚えて無いのか。

最後のカテコでは、完全に油断してたのか、
両手に豹抱えつつ、一番、遅れて登場。

カテコでは、詰まってる。
明らかにスムーズに出て来ない。

コンサートや舞台で、
女装をさせられる事は
有っても、女装をする役は初。


ジェイミー父が、昨今、続いてる、
ゲスな父親役で、救いようが無い。

その反動で、サンドラ役の、
明るいニューハーフっぽさ。

ハッという地のゲラ笑いが、
そのまま、台詞っぽく生かすところも。


ただ、ロコシャネルは無理だったか。
出来ない事は無いとは思うんだけどな。

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