備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『笑う男』

2019-04-14 01:44:18 | 国内ミュージカル
韓国版の感想と、
楽曲の既存作品類似考察コチラ。

”オープニング”
ユーゴの名言(金持ちと貧乏人のアレ)
をウルシュスが読み上げると船が登場。

人買い集団コンプラチコの
ドクターコンクエストが船で脱出を図る。

幼いグウィンには浮き玉を
持って来させるがグウィンが乗る前に船は出航。
(グウィンは防波堤ぽい部分に。
韓国版のような高い台には乗せない)

”祈り/告白”
出航したものの、嵐により、船は難破寸前。
『既に、海に捨てれるものは全て捨てた。
残るは過去の罪と告白』と言い、
それを手紙にしたためる面々。
そして、書いた文に血で著名し、
その浮き玉を海に投げ捨てる。

コンクエストは
貴族の子供を誘拐し、
口を裂いた事を告白して。
(結局、生き残るけど
→この時、死んだらしい)

船は正面に向くものの、沈没。
浮き玉だけが海原を漂う。
(韓国版みたいに、スクリーン
漂う、浮き玉という演出では無い)

”優しい死”
一人残されたグウィンは、
(文字通り)何も無い雪原を歩く。

韓国版のような布を被った
アンサンブルが居ない雪原で、
赤ん坊の鳴き声を聞く。

”子守歌”
その赤子を抱き、星という
意味の名前、テアと名付けるグウィン。

そのまま、雪原を彷徨うと緑の荷馬車が。
その中には興業主ウルシュスが居た。

”残酷な世界”
最初は追い払うウルシュス。
しかし、グウィンを招き入れ、
最後の食料で有るパンを渡す。
(韓国版は皿に入ったスープだけ
だったので、レミゼのオマージュか。)

更に赤子の泣き声を聞き、
テアを受け入れる。
その心臓の鼓動は弱く、目は見えない。

そんな悲惨な現実でも、
生き延びるウルシュス。

15年後。
”ガーデンパーティ”
貴族が集まるガーデンパーティ。
その中にはジョシアナの姿も。
侯爵と呼ばれるが、アン女王とは異母兄弟。

そんなジョシアナに夢中のデヴィット。
そこにアンが到着。

”女王の宣告”
ジョシアナを遠ざけたいアンは
無理矢理、結婚させ、嫁がせようとする。

”暗闇の世界へ”
ある見せ物を見せると言い、
ジョシアナを連れ出すデヴィット。

(韓国版では、ここで”Uncorker of the bottles”
というフェドロが切望した瓶開け係というナンバーが。
ただ、それをフェドロが歌ってたかどうかという記憶は無い)

タッドカスター旅館。
”よってらっしゃい”
(混み合うから、一歩、中へという意味かも)
ニクレスによる見せ物の紹介。

ここでワペンテイクが登場し、
コンクエストが連行されていく。
→連行されたのはハーカー
(韓国版では”Chaos vanquished”と
あったが、インストの為か表記無し)

ウルシュスの前説。
(韓国版同様、小屋への観客とこの舞台の
客席の入りを掛けた前説。貸切公演では、
アドリブが出来そうだけど、観た回は台本通りか)

デヴィットの茶々が入り、
ウルシュスは観客に協力して貰う、
とデヴィットをスカウト。

ウルシュス自らの紹介で、
小屋のメイン見せ物、グウィン登場。

”木に宿る天使”
テアとの出会いを寸劇で披露。

白い布を被り、顔だけ出すグウィン。
で、影絵に投影され、二人は成長。
(韓国版のしゃがんだ状態で登場、
効果音で立ち上がり、成長する流れでは無い)

”笑う男”
そこに乱入するデヴィット。
剣劇を披露し、デヴィットを打ち負かす。

”Adventure merodorama”という英題で、
韓国版の二幕で初めて歌詞が付く、
このタイトル曲が日本版ではココで、一度、歌われる。

日本版での、一番の改変ポイント。

一部始終を観ていたジョシアナ。
(韓国版は下手だった特設シートが、
上手の上部に有り、そこで鑑賞するジョシアナ)

そんなジョシアナに無礼な態度をとるグウィン。

”この気持ちは何?”
そんなグウィンに惹かれるジョシアナ。

”宮殿で”
ジョシアナが観に来たことで、
宮殿に招かれるかもと浮かれる一座。

”手紙”
そこにジョシアナからグウィンに手紙が。

”宮殿プレイオフ”
やはり、色めき立つテア。


秘密の場所。
”あなたは私に似ている”
グウィンを呼び出し、迫るジョシアナ。

”私の中の怪物”
グウィンが去り、一人、歌うジョシアナ。


カーニバルの広場。
”あり得るのか”
秘密の場所から抜け出て、
一人歌う、グウィン。

”あなたはどこ”
一方、一人、グウィンを待つテア。

”デヴィットの誘惑”
そこに現れ、襲いかかるデヴィット。

と、ウルシュスらが現れ、
その場を去るデヴィット。

更に、グウィンも帰宅。

”幸せになる権利”
テアを一人にした事に怒るウルシュス。
グウィンとウルシュスの親子喧嘩曲。


”涙を流して”
テアを慰める女性陣。
(韓国版では、実際の水が登場し、
水を蹴り上げて楽しむシーンだが、
日本版ではケルトっぽいダンス曲に)

”あなたは私のすべて”
そこに現れ、愛を誓うグウィン。

が、ワペンテイクが現れ、
グウィンをサザーク監獄に連れて行く。

”嘆きの館”
それをただ、観ているだけの見せ小屋メンバー。

そこでは、コンクエストが拷問を受けていた。
→ハーカー

”あり得ない”
コンクエストの証言に、
抵抗するグウィン。

”祈り”
浮き玉を海に落とした時を再現。

フェドロにより、グウィンが、
クランチャーリー家の後継者であることが発覚。

二幕。
”子守歌”
翌朝、ベッドで起きるグウィン。

”すべてあなたのもの”
そこにフェドロが登場し、
このクランチャーリー家のもの、
すべてがグウィンのものと説明。

(韓国版ではフェドロのステップシーンだが、
今回は踊ることなく、ちょっとコミカルになっただけ)

”閣下の所有(リプライズ)”
アンサンブルによるリプライズ。
完全、フェドロはモブ化。

そして、白い衣装に着替えるグウィン。
この時、来ていた衣服はフェドロによって、処分される。
また、金貨をウルシュスの元に届ける様、フェドロに依頼。


サザーク監獄の外。
”嘆きの館(リプライズ)”
アンサンブルによるリプライズ。

そこにコンクエストの死体が。
フェドロ登場。コンクエストの死体を、
グウィンと説明し、着ていた衣服、
それに金貨数枚をウルシュスに。

”残酷な世界(リプライズ)/悲嘆”
ウルシュスソロ。
グウィンの死、という現実を受け入れる。


宮殿。
”何も言わないで”
グウィンに会い、
自分に会いに来たと勘違いし、
そのまま、誘惑するジョシアナ。

”女王の宣告(リプライズ)”
そこにアン登場。
グウィンがクランチャーリー家の
正当な後継者であることを宣言。


タッドカスター旅館。
グウィンの死を嘆く座員。
そこに何も知らないテアが。
公演をしないのか、とウルシュスに。

”幕を開けろ”
メガホンを使った腹話術で、
ウルシュスはグウィンの真似をして、
出て行ったということをテアに説明。
(これ、韓国版には無かったような)

”あなたは私のすべて(リプライズ)”
テアソロ。
英題はYouで完全に一幕のリプライズ。

これ、韓国版の英題は、
He表記でリプライズ。
そもそも、He表記の曲は無い。

テアのグウィンに対して、
YouなのかHeなのか、問題。

”脆い心”
ウルシュスによる賛美歌のようなソロ。
演者の高音を生かしたアレンジに。


宮殿の先祖の廊下。
”モンタージュ/僕は誰?”
肖像画、そしてゆりかごが
出てきて、幼い頃に誘拐された事、
両親の事をフェドロから教えて貰う。

そのまま回想に。
幼い頃、何でも直ると言って、
薬を売り歩いていた過去。

しかし、グウィンの口は
治せないとツッコまれる。

”時代を変える”
そんな過去を変えるというグウィン。

宮殿。
そこに現れるデヴィット。
何も知らないデヴィットは喧嘩腰、
そのまま、グウィンと剣を交える。
(韓国版だと、ここで
”Swordfight”という曲が存在。)

”幸せになる権利(リプライズ)”
打ち負かされたデヴィットは、
ソロを歌い、コンプラチコに
幼いグウィンを渡したのは自分と告白。


貴族院。

”封建貴族/私たちは1%”
韓国版のLords of the land/We are the 1%
だが、英題はThe one percent。

貴族に年金を払うかどうかの審議。
そこで、反対と訴え、皆から奇異の目で。

”目を開いて”
それを気にせず、歌い上げるグウィン。

”笑う男”
英題にTheが付かない。
また、一幕でも歌っているが、
リプライズではなく、別曲扱い。

歌った後、鬘を投げ捨てる。
それを観ていたジョシアナ。
”私の人生を生きていく”

グリーンボックス
”涙は流して(リプライズ)”
ここ、韓国版だと”脆い心”のリプライズ。
弱っていくテアに歌いかけるウルシュス。

”木に宿る天使(リプライズ)”
そこに戻ってくるグウィン。

”あなたは私のすべて(リプライズ)”
ここは韓国版もYou表記で、
最後のデュエット。
そして、テア臨終。

”あり得るのか?(リプライズ)”
グウィン歌い上げ、
テアを抱え、歩いていく。

そこで、水中のような描写後、
二人の影絵が投影され、入水自殺した事が分かる。

それを見守る、ウルシュスで幕。


韓国版との二幕の違いは、
英題の細かい表記の違い、
それにシーンの順番が異なり、
ジョシアナソロの間隔があく。

特に、変える必要は無かった気がするけど。


浦井@グウィンプレン
口裂け男なのに、
醸し出すイケメン感。
(主に、歌声による処がある)

また、心中しても、その結果に
違和感が無い、悲壮感を併せ持つ。


歌は外さない。
というか、ワイルドホーンの、
これでもかっというロングトーンや、
突然出てくる転調にも対応出来る主演俳優。
(ま、デスノのライトで、分かってはいたけど、
あのライトに関しては柿澤派なので)

と、ワイルドホーンだと、
美貌と美声を自画自賛する、
シラノのクリスチャンが先だったか。


衛藤@デア
世間に疎い、周りから
守られた盲目の少女、
という設定に違和感が無い。

発声がアイドル、というか、
ミュージカル発声では無い。
あのデュエット曲とか、
そういう声でハモるんだ、と。


朝夏@ジョシアナ
貴族のしがらみに巻き込まれた人、その1。
グウィンに興味を示すけど、それは、
所詮、遊び、となるハズが、
クランチャーリー家の正式の跡取りになり、
なんか、グウィンと結婚するハメに。

が、結局、元サヤのデヴィットに収まる
→独り、生きていく系だったらしい

ヅカ性転換の成功例だとは思う。
そんなに高音も違和感なく、歌い上げる。
ただ、元四季枠か元ヅカ枠かと言ったら、
元ヅカ枠なのかな、という気はする。

ワイルドホーンにおける、
そういう役は安蘭さん枠、
それに継いで柚希さん枠なのかと、
思ってたら、まぁ様に回ってきた。


宮原@デヴィット
貴族のしがらみに巻き込まれた人、その2。
ただ、発端はグウィンを売り飛ばしたという、
過去を持っているため、巻き込んだ人なのかも。


石川@フェドロ
コメディ要員かと思ってたが、
実は、腹黒い系な役だった。
ただ、その目的がハッキリしない。
そもそも、グウィンが後継者と知っていて、
開栓係を志願したのか、グウィンを後継者に
したてて、何をしたかったのか、など。


韓国版はもっとコミカルな役
だった気がするけど、これは
言葉が分からなかっただけな気も。

歌はジキハイのアターソンよりも少ない。


山口@ウルシュス
ま、想定内。

ハスキーな歌声も相変わらずだし、
ちょっと、人生を達観し過ぎる役では有る。
世捨て人、という設定では無かった気が。

ただ、グウィンとの親子喧嘩ソングは、
ウルシュスに低音を期待してしまうので、残念な事に。


中山@コンクエスト
本役は冒頭のみで、
ソロも有るけど、コレと、
途中の回想シーンのみ。


上野@ワペンテイク
連行していく役人。
ほとんど、話さない、
歌わない役だけど、その存在感はある。


宇月@フィービー
ビジュアル担当かと思いきや、歌枠だった。
現役時代を知らないのだが、こういう人が居たのか。


清水@ヴィーナス
予想通り、歌枠。
見せ物小屋では何をしているのだろうか?


大前@リトルグウィンプレン
三人居て、グスタフで観た彼。
あまり、ボーイソプラノ感は無く、
子ルドよりはガブローシュタイプ。


上田演出。
Johansson演出の特徴が、
映像と役者の融合だとしたら、
その映像を生かした、映像演出。
(映像と演技は完全に分ける)

結構、役者のイメージそのまま、
なので、あまり注文をつけない演出かも。
数本、演出作品は観てるけど、特徴が分からず。

今回、セットが韓国版。
なのだが、洗濯シーンでは、
本水を使用できないセット。
これ、帝劇クラスなら、実現出来たのか?

そして、議会シーンがスケールダウン。
あそこは、グウィンの裂けた口、
という印象が強いセットだけに、
丸みを帯びたセットが弱いと、
セットのテーマである”傷”の印象が
弱くなってしまうような。

あのセットだけでも、
キッチリ再現したものを観たかった。

で、最後の入水自殺は、
浮上しなくても、良いのだろうか?
それこそ、この作品の
一番の見せ場演出だと思うけど。


ワイルドホーン楽曲を歌える
(音程を外さない)メンツを揃えたけど、
全員、聞かせるメンバーかと言われると。
選択肢の幅が広がればリピートするけど、
今回のシングルキャストでは、一回で十分。
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2 コメント

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Unknown (mao)
2019-04-25 20:32:11
ようやく日本版を観劇、感想を書きました。
観た後に改めてdachoさんの感想を読んで「なるほどなるほど」と大きく頷くばかり。
山口ウルシュス、想定内(笑)ですか。
”幸せになる権利”は韓国版の方が良さそうですね、ううむ、向こうの対決ソング、聞いてみたいです。
そしてフェドロはやはり「?」な感じのようで…
そこも含めて日本版変更は「なんでいきなりそうなる?」という唐突感をなるべく減らしたかったとはおっしゃってましたが、あまり感じられなかったでしょうか?
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mao様 (dacho)
2019-04-26 01:13:55
韓国版の対決ソング動画は、
断片的には有っても、フルは見当たらなくて。
日本版はCD化しますけど、
韓国版は主演俳優のソロCD扱いのみ。
謎の契約方法です、韓国版。

そして、フェドロの扱いですが、
確かに唐突感は少なめでした。
ただ、そこまで、この役を重視しなくとも、
という気も、あり、禅さん有りきの役かな、と。
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