ジロ・デ・イタリア第5ステージはベルヴェデーレ・マリッティモからコントゥルシ・テルメまでの203kmで行われ、ティンコフのパヴェル・ブル(Pavel Brutt、ロシア)が5時間04分52秒を記録してステージ優勝を果たした。
今年のジロはコンチネンタルプロがもう少し見せ場を作るだろうと予想していたが、ようやくティンコフのブルが結果を出してくれた。
プロチームと違い選手層が薄いコンチネンタルプロは総合優勝は狙えないのだから、目立つことのできるステージでは目一杯目立って置くことが次のグランツールの選定にも影響する。
その典型がバロルワールドである。昨年のツールで大活躍しソレルが山岳賞まで手にしてしまうという快挙を成し遂げた。その結果が今年のジロ・デ・イタリア出場に結びついている。
選手個人としてもグランツールで勝利を挙げることはプロチームへの移籍を大きく引寄せることにも繋がる。ある意味ではプロチームよりモチベーションが高いともいえるのだ。
ドーピング問題でプロチームに所属することができずに今年からコンチネンタルプロチームLPRブレイクへの移籍を余儀なくされたディルーカのようなケースは例外中の例外といえる。
ただ、現在はマリアローザのペッリツォッティから7秒遅れの3位にいるディルーカだが、昨年同様リクイガスにいればマリアローザは当然ディルーカが着ていたはずだ。
チームTTでリクイガスとLPRのタイム差は20秒もあるのだから・・・そう考えると7秒差にまで詰めてきているディルーカの力は相当なものといえるし、調子も良さそうだ。
ただ、気になるのがアスタナの存在だ。全く本調子ではないアスタナ勢は今のところ全く目立ってはいないが、クレーデンが28秒差の13位に、コンタドールは30秒差の16位に、ライプハイマーも40秒差の21位にいるのだ。
特にコンタドールはタイム差こそ変わらないが第2ステージの18位から16位にまで順位を徐々に上げて来ている。
今日の第6ステージは昨日よりも平坦コースの度合が少なくなり距離も今年のジロで最長となる。また最後3kmは昨日同様に上りになっているので、昨日同様コンチネンタルプロチームが頑張りを見せるはずだ。
問題は明日の第7ステージだ。2級山岳が東上する中級山岳ステージで、プロチームの選手たちの本当の力が試されるはず。ここでも多分アスタナは動かないだろうが、タイム差や順位がどうなるかで、中盤以降の戦い方が見えてくるはずだ。
それにしてもことしのジロは日本では盛り上がりに欠けるような気がしている。
ブランド嗜好の強い日本ではどうしてもツール・ド・フランスに注目が集まるのだが、今年のツール・ド・フランスにはアスタナが出場できないし、仮にディルーカがジロを連覇したとしても彼もツール・ド・フランスには出場しない。
昨年の3大ツールの覇者が全員顔を揃えるジロ・デ・イタリアがほとんど注目されないのは不思議な限りなのだが・・・
私もどちらかといえば選手が揃うツール・ド・フランスを好んでいたが、今年は状況が全く違ってしまった。
昨年のツールの直後はコンタドールの連覇を願っていた。ところが早々とジロ・デ・イタリアからのアスタナ除外が早々と発表され、続いてツール・ド・フランスからも除外されると報道された。
ジロ・デ・イタリアこそアスタナの急遽参戦が決まったため、こうしてTV観戦しブログも書いているが、参戦がなければジロ・デ・イタリアもツール・ド・フランスもTV観戦はしないつもりでいたのだ。それが個人のファンができる唯一の抵抗だと考えたからなのだが・・・
アスタナにはツール・ド・フランスの分までここで活躍を見せて欲しいと心から願っている。そしてそれが彼らのツール・ド・フランス主催者への強力な抗議になると信じている。
アスタナは確かに大きなドーピングスキャンダルにまみれていた。しかし、ヨハン・ブリュイネールをGMに向かえ、選手も大幅に入れ替えてチームの再生を図っていた。そのチームを過去のドーピング問題を理由に招待しないという主催者の考え方が私には理解できない。
参加させ走らせて検査をし問題なく再生しているかを確認することも主催者に課せられた責務ではないのか?臭い物に蓋式の考え方でドーピング問題を回避しようとする主催者側の意識にこそ問題の根があるのではないだろうか?
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