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CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

新たなcannondaleの魅力(3)

2024-11-30 14:42:51 | ロードバイク
 今ではエアロロードの筆頭としてCANYONのAEROAD CFRが有名ですが、且つてはスペシャライズドのVENGがエアロロードの代名詞だったのです。2019年当時cannondaleもSystemsixというエアロロードを開発していましたが、マクラーレンとタッグを組み、本格的な風洞実験を繰り返したスペシャライズドのVENGEが、サーヴェロのS5やトレックのマドンSLR7と比べても優れたエアロ性能を示していたのです。

 しかし、他社も本格的な風洞実験を始め、cannondaleはSystemsixで培ったノウハウを元にSupersix EVOを第4世代へと進化させます。イネオスから東京五輪の金メダリストリチャル・カラパスを移籍させ、大々的に宣伝に打って出たものの、金色にペイントされたバイクはカラパスの落車によりツール・ド・フランスという大舞台から早々に下りてしまうことになったのです。

 この頃にはCANYONのAEROAD CFRがマチュー・ファンデルプールの走りによって評価を高めて行ったのです。今年の春はロンド・ファン・フラーデレンにパリ・ルーベと圧倒的な走りを見せていたのですが、ツール・ド・フランスではカラパスが後半見事な走りで、山岳賞のマイヨ・アポア・ルージュを獲得し、面目躍如を果たすことが出来たのです。

 カラパスのバイクにはLAB71のロゴがありますが、バイクはHi-Modだそうです。CANYONのAEROAD CFRは確かに優れたエアロロードですが、万人向けとはいえない製品かもしれないと個人的には考えています。レース志向の高い人ならAEROAD CFRを選んで問題は無いと思いますが、私のようなホビーライダーにはむしろ乗り辛いのではと感じているからです。

 理由はあれだけダウンチューブを縦に扁平させたら縦の振動はどうなるのだろうと思うからです。バイクとライダーの間には少なからず相性問題があるのです。実際に使ってみると「最速バイク」や「最軽量バイク」であったとしても、自分に合うとは限らないということです。どのような機材であれ、バランスが一番大切で、バイクが軽すぎても前に進まないと感じてしまう場合もあるのです。

 また、いかに空力性能が高くても、垂直方向の剛性が高すぎてしまうと乗り心地は悪化してしまうものです。AEROAD CFRはその典型かもしれないのです。「マチュー・ファンデルプールが乗るから良いバイク」というのはプロモーションとしては成功しているのかもしれませんが、逆に言うとファンデルプールだからこそ乗りこなせるバイクかもしれないと私には読めてしまうのです。

 一方の第4世代のSupersix EVOはエアロロードとしてはやや見劣りはするものの、登りや悪路を含めたオールラウンドなエアロロードであることは間違いありません。とにかく乗り心地が良いバイクなのです。最上級モデルのLAB71でもカラパスが使用するHi-Modでもありませんが、1年間乗って来て、とにかく楽に走ることが出来るバイクだと感じています。
 CannondaleにはSynapseというエンデュランスロードもありますが、余程の悪路やグラベルを走らないのであれば第4世代のSupersix EVOの方が空力的にも楽に走ることが出来る理屈なのです。ホイールベースが長く、ヘッドアングルも寝ているので乗り心地が悪いはずがないのです。
 
 




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UAEチーム・エミュレーツの強さとは?(4)

2024-11-30 11:49:41 | プロ・ツール
 UAEは2025年のメンバーを発表していますが、30人枠に29名しか名前がありません。

 2025年のUAEチーム・エミュレーツのメンバーは以下の通りです。
 1)ジョアン・アルメイダ(ポルトガル)
 2)イゴール・アリエタ(スペイン)
 3)フアン・アユソ(スペイン)
 4)フィリッポ・バロンチーニ(イタリア)
 5)ミッケル・ビョーグ(デンマーク)
 6)ヤン・クリステン(スイス)
 7)アレッサンドロ・コーヴィ(イタリア)
 8)イサーク・デルトロ(メキシコ)
 9)フェリックス・グロスシャートナー(オーストリア)
 10)ヴェガールスターケ・ラエンゲン(ノルウェー)
 11)ラファウ・マイカ(ポーランド)
 12)ブランドン・マクナルティ(アメリカ)
 13)フアン・モラノ(コロンビア)
 14)アントニオ・モルガド(ポルトガル)
 15)ドメン・ノヴァク(スロベニア)
 16)イヴォ・オリヴェイラ(ポルトガル)
 17)ルイ・オリヴェイラ(ポルトガル)
 18)タデイ・ポガチャル(スロベニア)
 19)ニルス・ポリッツ(ドイツ)
 20)パヴェル・シヴァコフ(フランス)
 21)マルク・ソレル(スペイン)
 22)ジェイ・ヴァイン(オーストラリア)
 23)ティム・ウェレンス(ベルギー)
 24)アダム・イェーツ(イギリス)
 ※新加入選手
 25)ジョナタン・ナルバエス(エクアドル)←イネオス・グレナディアーズ
 26)フロリアン・フェルミールス(ベルギー)←ロット・デスティニー
 27)ルネ・ヘレホーツ(ベルギー)←アンテルマルシェ・ワンティ
 28)パブロ・トーレス(スペイン)←UAEチームエミレーツGenZ
 29)ユリウス・ヨハンセン(デンマーク)←サブガル・アニカラー
 その理由は、育成チームから若手を一人昇格させるための席にするためだそうです。育成チームから研修生としてUAEチーム・エミュレーツに登録しワールドツアー以外のレース(ワールドツアーは走れないルール)で経験を積ませることが目的なのです。

 ホセアントニオ・フェルナンデスはU21カテゴリーを育成チーム内に作り、21歳未満の4人の選手をその対象とし、彼らの中から研修生を選び30番目の席に当てるとのことです。フェルナンデスはチームの柱の一人ともいえる中心的スタッフで、契約は2028年まで延長されています。
 フェルナンデス曰く、すでにどのようなタイプの選手が30人目になるかは確定しているようです。その選手のタイプとはいわゆるルーラーで、グランツールなどでプロトン全体がまったりムードになっているときに積極的に前に出て長時間チームを牽引し、プロトンの速度を強制的に上げることでタフな展開に持ち込める能力をもっている選手なのです。こうした選手を育成する上でもTT能力の高さは欠かせない要件なのかもしれません。

 UAEはこうして育成のチームから素質の高い選手をチーム内で競わせ、来季は19歳のパブロ・トーレスというクライマーがメンバー入りします。今年のツール・ド・ラヴニールとU23ジロ・デ・イタリアで共に総合2位の選手です。これまではアユソやモルガド、デルトロ、ヤン・クリステンといった有望な若手を青田買いしてきたUAEですが、ポスト・ポガチャルの座を争う選手を育成チームからも作ろうとしているのかもしれません。
 

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向かい風の中をなるべく楽に走る方法(1)

2024-11-29 14:43:20 | ロードバイクの科学
 ロードバイクで走る時に辛いものの一つに、「向かい風」があります。しかも、意外と季節に関係なく年中遭遇することがあるのですが、どうやったら少しでも楽に走ることが出来るのでしょうか?その方法について考えてみました。
 ポイントは3つ。1つ目は、できるだけ風を受ける面積を減らすこと、2つ目は風と喧嘩をしないこと、3つ目は、可能なら根本的にルートの取り方を変更してしまうことです。これらは、誰でもすぐ実践できることだと思います。
 まず取り組んでみてほしいのが、できるだけ前から風を受ける面積(前衛投影面積)を減らすことです。当然ながら、風が体に当たる面積を減らすことができれば、そのぶん風の抵抗を受けにくくなるからです。以前、「ロードバイクの空気抵抗を考える」という記事を書いていますので、興味のある方は参考にしてください。

 普段サイクリングしているときはリラックスして上体が高くなりがちだと思いますが、そのまま何ら姿勢を変化させなければ、当然向かい風で抵抗が増えてしまいます。ママチャリ程度の速度で走っていても、強い向かい風を受けると自然に頭を低くして、懸命にペダルを回した経験は誰にでもあるはずです。
 これは自転車に限らず、歩いている時でも、強い向かい風を受ければ。人は自然に頭を低くするものです。動物が人間より速く走ることが出来るのは、頭の位置が低く胴が長い等々速く走るために身体が進化しているからです。頭の位置が人間より高い馬でも、走り始めると自然と頭の位置が下がるはずです。これは生物のDNAに刻まれた習性なのかもしれません。一方人間は二足歩行するという進化をしたために、四つ足の動物に走りで勝つことは難しいのです。

 ロードバイクは人間が自力で最も速く走ることを可能にした乗り物です。その最大の特徴がドロップハンドルでしょう。これは前傾を深くすることで空気抵抗を低減することを目的に開発された優れた構造のひとつです。ハンドルの幅も狭く、前衛投影面積を小さくする効果があるのです。またサドルの位置を高くすることで、前傾をより深くすることも可能にしています。
 まずは、自分のできる範囲でいいので、肘を曲げることによって肩の位置を低く保ってみてください。結果的に頭の位置も下がって前傾姿勢が深くなり、風の当たる面積を減らすことができます。プロ選手のような深い前傾姿勢をとる必要はありませんが、ちょっと姿勢を低くするだけで、感覚的にも相当楽になるはずです。

 ただし、注意点があります。前傾姿勢を低くしようと肘を曲げてよくやってしまう失敗が、肘が外側に向いてしまうことです。こうなると肘が外に張り出している分、脇が開き、逆に風を受ける面積が大きくなってしまうからです。ロードバイクに乗ったらまず脇を締めることを意識してみて下さい。これだけで、走りはかなり楽になるはずです。肘を内側に絞るイメージです。すると自然に脇が締まり、体に風が当たる面積が減って楽になる上、深い前傾姿勢をとることができるようになるのです。
 ただ、この姿勢を我々一般のサイクリストが維持するのは辛いように思われるかもしれませんが、できるだけ長い時間維持するコツがあるのです。腕と肩だけで上体を支えないようにすることです。なかなか難しいかもしれませんが、腹筋まわりの体幹の力を使って上体を支えるようにしてみてください。腕への負担を減らし、前傾姿勢を維持しやすくなります。腕の力を抜き、腹筋にグッと力を入れるような意識の仕方です。
 ドロップハンドルを初めて使った時はどうしてもブラケットを強く握ってしまうものです。掌に力を入れると腕にも力が入ってしまうので、逆に掌をブラケットに添えるように置くようにすると腕の力も自然に抜けるのです。個人的には荒れた路面や長い下り以外では極力掌はハンドルに置くイメージで走っています。良くロードバイクで走ると肩がこるという人がいますが、掌の力を抜いてみて下さい。腕の力が抜け肩の疲労が確実に減るはずです。
 繰り返しますが、プロ選手のような深い前傾姿勢を取り続けなければいけないわけではありません。自分のできる範囲でいいので、できるだけ風の当たる面積を小さくする姿勢を考えてみて欲しいのです。また、特に風が強まったときだけ下ハンに持ち替えて、より姿勢を低くするだけでも十分に効果はあります。やるのとやらないのとでは、速度の落ち具合はかなり違ってくるはずです。

 個人的には下ハンを持つのが苦手なので、この春からCDA値の低減を考えてエアロフレアハンドルを使用しています。フレアハンドルとは下ハン部が「ハの字」に外に開いたハンドルバーのことです。勿論。フレアハンドルで下ハンを持つと脇が開き、空気抵抗は増えます。一方、ブラケットは内向きになるので、脇を締めブラケットを握り込むように前傾すると、楽にエアロポジションを取ることが出来るのです。このポジションでのエアロ効果は絶大で、ギア1~2枚分は違うはずです。「CDA値に見るフレアハンドル効果」という記事も参考にしていただければと思っています。
 



コメント (2)
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印象に残るレース:2024(4)

2024-11-29 08:53:59 | プロ・ツール
 そのポガチャルが2戦目に選んだのがミラノ~サンレモでした。5大モニュメントの中でポガチャルには最も難しいとされているレースです。ポガチャルに残されたモニュメントはこのミラノ~サンレモとパリ~ルーベの2つだけになっているのです。パリ~ルーベはツール・ド・フランスとの兼ね合いで自重しているようなので、ストラーデビアンケで81kmの独走勝利しているポガチャルは出れば勝てると思っていますが、本人曰く「石畳よりグラベルの方がはるかに楽」だというのです。
 今年のミラノ~サンレモはストラーデビアンケの圧勝劇を受けて優勝の最有力候補でしたが、やはり、コース的にポガチャル向きとはいえず、最後の勝負所ポッジオ(距離3.7km/平均3.7%/最大8%)で勝敗を決めるのは難しく、ポガチャルもチームもフィニッシュまで残り21.7km地点でピークを迎えるチプレッサ(距離5.65km/平均4.1%/最大9%)での攻撃に出たのですが、昨年のこのレースで同じ場所でアタックを成功させ優勝しているアルカンシェルのファンデルプールにぴったりとマークされてしまいます。

 昨年もファンデルプールに屈し4位に終わっているポガチャルにとってはチプレッサとポッジオは勾配も距離も足りないようです。ただ、チプレッサでポガチャルが盛んに無線を触っていたので、もっとペースを上げたかったのかもしれません。ただ、その牽引を任されていたのが20歳のデルトロだったということを考えると、来季は十分勝機はあると考えています。

 ポガチャルが最後のポッジオを5分39秒で登坂記録を大幅に更新していたにも関わらず、それをきっちりとマークしたファンデルプールが強かった。シクロクロスで冬場もレースをしていたファンデルプールの春シーズンの強さは凄かったのです。ツール以降は流石に疲れが出たのか精彩を欠いていましたが、ロンド・ファン・フラーデレンとパリ~ルーベの勝ち方は本当に強かったと感じています。
 過去最速となる平均スピード46.133km/hをマークする高速レースを制したのはヤスペル・フィリプセンでした。ポガチャルも懸命にスプリントをしますが、マイケル・マシューズにも届かず3位に終わりました。これもポッジオの下りで仕掛けた2022年の覇者モホリッチをファンデルプールが潰し、フィリップセンの勝利に貢献したことが大きかったと思っています。

 ポガチャルの来季についてはUAEツアーに出場することしか決まっていないようですが、おそらくパリ~ニースかティレノアロレアティコからミラノ~サンレモというスケジュールになると思われます。特に来年はファンデルプールが出場しないようなので、千載一遇のチャンスかもしれないのです。

 とにかく勝利のカギはチプレッサとポッジオでスプリンターを排除することです。来季はイネオスからジョナサン・ナルバエスを獲得していますが、その理由がポガチャルのミラノ~サンレモを取るためだと言われているのです。ポッジオを目標以上のタイムで走っても取れなかったレースをポガチャルがどう攻略して見せるのかが今から楽しみです。
 




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ツール・ド・フランス2024を振り返る(12)

2024-11-28 14:12:44 | ツール・ド・フランス
 標高2,802mのボネット峠を越え、1級山岳イゾラ2000にフィニッシュするツール第19ステージは獲得標高差4,400mで今年のクイーンステージと言われていました。ここから最終日までの3日間、マイヨジョーヌを賭けた争いが続いていくと思われていたのですが、終わってみればこの日も怪物ポガチャル劇場でした。

 ミゲル・インドゥラインが総合優勝した1993年以来の登場なる、1級山岳イゾラ2000(距離16.1km/平均7.1%)の頂上を目指すプロトンから、前日勝者ヴィクトル・カンペナールツが飛び出し、逃げ形成のための動きが始ままります。21名による逃げ集団が先行し、その中にマイヨヴェールを争うビニヤム・ギルマイとヤスペル・フィリプセンは入らず、ブライアン・コカールが21.1km地点の中間スプリントをトップ通過。
 一つ目の超級山岳ヴァルス峠(距離18.8km/平均5.7%/標高)に入り、UAEチームエミレーツが牽引するメイン集団からリチャル・カラパスが飛び出して先頭に合流。遅れてサイモン・イェーツも逃げに加わり、頂上をカラパスが先頭通過する頃に逃げは9名まで絞られます。

 前日は登りの勾配が足りずに山岳ポイントを稼げなかったカラパスでしたが、この日は水を得た魚のようにスイスイとポイントを積み重ねて行きます。『フランスで最も高い舗装路』が敷かれた超級山岳シーム・ド・ラ・ボネット(距離22.9km/平均6.9%)に突入。森林限界を越え荒涼とした景色の中、標高2,802mの頂上も争うことなくカラパスがトップ通過。通常の超級山岳の倍である40ポイントをゲットしたカラパスは、ポガチャルを抜きバーチャルで山岳賞ランキング首位に立った瞬間でした。Supersix EVOを駆るカラパスがマイヨ・アポア・ルージュ。cannondale好きにはたまらない瞬間でした。

 一方のメイン集団ではニルス・ポリッツがボネット峠でペースを作り、ヴィンゲゴーのアシスト陣を振り落としていきます。そのためプロトンは20名程度まで絞られてしまいます。昨年までは高高度に弱いと言われていたポガチャルでしたが、標高2,802mのボネットでこの走りです。ポガチャルの修正力の高さの証明でしょう。
 1級山岳イゾラ2000(距離16.1km/平均7.1%)の麓に到達した逃げ集団からは、急勾配の登り口でカルロス・ロドリゲスが遅れ、またジャイ・ヒンドレーも脱落。そんなサバイバルな展開のなか残り13.5km地点で今年のパリ~ニースの覇者マッテオ・ヨルゲンソンが仕掛け、追いかけるカラパスの背後にケルデルマンがつき、ヴィスマは数的優位な状況を作り出します。
 前待ち作戦を決行したヴィスマでしたが、結局、アダム・イエーツやジョアン・アルメイダを残すポガチャルに対し、ヴィンゲゴーは一人になってしまうのです。やはり、ヴィスマはセップ・クスを新型コロナ感染で欠いたことが大きな痛手となってしまったようです。ただ、UAEもアユソを大会途中の新型コロナ感染で欠いていて、このチーム力なのです。2023年の大型補強の成果が確実に実りつつあるようです。

 アダムが仕事を終え、アルメイダの牽引を待たずにポガチャルがアタック!!標高2,800mを超える峠を越えて来たとは思えない切れ味でイゾラを駆け上がるポガチャル。頂上まで約10km地点で仕掛けたマイヨジョーヌに対し、エヴェネプールとヴィンゲゴーが食らいつくものの、ダンシングを挟んだポガチャルは更に登坂スピードを増し、一気に2人を突き放して行きます。

 先頭ではヨルゲンソンが残り5km地点を通過。前待ちするもヴィンゲゴーは合流できず。代りに背後に迫るのがポガチャルだったのです。カラパスをパスし、サイモン・イエーツもパスしたポガチャルは残り2kmでヨルゲンソンを捉えると腰を上げてあっという間にかわして行きます。単独先頭に立ったポガチャルは最後までスピードを落とすことなく、悠々とフィニッシュラインに到達し、T字ポーズでゴールラインを通過。

 ジロでもステージ6勝を挙げていたポガチャルは今ツールでも4勝を挙げ、ヴィンゲゴーとエヴェプールに1分41秒もの差を付けてしまいます。残り2ステージで5分3秒というタイム差は大きいものの、翌日も山岳ステージ、最終日に個人TTを残しているので、バッドデイがあれば、あっという間に差が詰まる可能性もあるのです。ポガチャルに有利な状況があるとすれば最大のライバルのヴィンゲゴーが怪我明けで、レムコはツール初出場なことでしょうか。最後の頂上こそポガチャルに譲ったもののボネットの40ポイントがものをいい、カラパスが山岳賞ジャージを手にします。Supersix EVOにマイヨ・アポア・ルージュは良く似合います。ただ、このジャージを守るためには明日の走りがさらに重要になるのですが。
 




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