ここからが勝利への第3段階になりますが、ポガチャルのクレバーさが随所に感じられました。シバコフとの二人体制の時には40秒台で推移していたタイム差をポガチャルは敢えて開きにかかります。ただ、牽制するエヴェネプール等のグループから3名が飛び出していて、エヴェネプールやファンデルプールとは1分のマージンを得るも、追走の3名との差は40秒台のまま。これではサポートカーが入れません。
周回コースなので補給に関してはあまり心配はいらないのですが、パンクやメカトラの不安は付きまといますから、ポガチャルにとっては何としても1分のマージンが欲しいところす。ただ、なかなかペースが上げられない我慢の時間が続きます。これまではアタックすると一機にタイム差を開いていたポガチャルですが、流石に世界選手権のこのメンバーのエース級が相手では、そう簡単に大きなタイム差は与えてもらえません。
途中でシマノのサポートカーに声をかけ、後続とのタイム差を確認したのか、サポートカーが上がれないのかを確認していたようです。残り40kmほどでようやくチームカーが合流し、後続とのタイム差は1分弱。このタイム差をゴールまで維持できるのかと多くの人は考えていたはずです。40kmで1分差はロードレースでは無いような差なのですから。ただ、ここまで怪物ポガチャルを牽制しながら追走したエヴェネプールやファンデルプール等のグループも相当消耗していました。一人対10名以上の集団との差がなかなか詰まらないのはその証左でした。
ここまで一発でアタックを決めて来たポガチャルが、この世界選手権では3段ロケットのような走りを見せて勝ったのです。これまでの対ポガチャル対策としてポガチャルのアタックに無理に付いて行かず、テンポで徐々に差を詰めながら捕まえるという戦術で戦ってきた選手たちにとって、ポガチャルのこの勝ち方は嫌でしょう。今のロードレース界でポガチャルの3段式のアタックに対応できる選手はいないでしょう。
これまで勝てていないミラノ~サンレモでもこの日のような走りが出来れば勝てる気がします。ただ、26歳のポガチャルのピークが後何年続くのか?全てのグランツール制覇とモニュメントの完全制覇に残された時間はどれほどあるのか?ロードバイク界では選手のピークは27歳頃と言われているので、ポガチャルには後2年ほどということになります。
今季はアルカンシェルを着てイル・ロンバルディアの4連覇を目指すと思われますが、早目にオフに入り、来季はツアー・ダウンアンダーからの始動になるかもしれません。春先の最大の目標はミラノ~サンレモなので、それに向けたスケジューリングになるはずです。アルカンシェル姿のポガチャルの走りが今から楽しみです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます