□作品オフィシャルサイト 「ぐるりのこと。」
□監督・原作・脚本・編集 橋口亮輔
□キャスト 木村多江、リリー・フランキー、倍賞美津子、寺島進、安藤玉恵、八嶋智人、寺田農、柄本明
■鑑賞日 6月21日(土)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)
<感想>
夫婦のことは夫婦にしかわからない。
傍から見ていてどんな仲の良い夫婦でも、実際に本当に仲が良いどうかなんて他人が何で図れるものだろうか。
夫婦の姿が見えているかと言うと決してそうではない。
橋口監督はその見えない部分の夫婦の柵や葛藤や苦悩や、夫婦だけにしかわからない決め事にしっかりメスを入れたような作品に仕上がっていた。
片や何事もきっちりしなければすまない性格の妻・翔子(木村多江)と、靴の修理工から法廷画家へと職を変え、
なんとなく優柔不断で頼りない夫・カナオ(リリー・フランキー)。 二人の生活を通してその背景にある1993年からの10年間の変遷を描いた作品だ。 そこには二人の夫婦の生活を通して、生臭い夫婦の体温とその温度差を描いていた。
そして法廷画家という特殊な職業と、そこで裁かれるその時代に起こった重要事件の被告と
検察とのやり取りを(それが本当のやり取りかどうかはわからないが)リンクさせながら進めていく。
その法廷で目にするのは、つい最近死刑執行をされた宮崎勤の連続幼女誘拐殺人事件だったり、
オウムによる地下鉄サリン事件だったり。
そのほかにも一連の法廷画家ではない視点でカナオの視線は被告の裏側を垣間見せてくれた。
そしてその法廷シーンでは被告として加瀬亮、新井浩文、片岡礼子、横山めぐみ、山中崇、
そして弁護士の光石研、裁判官の田辺誠一が出演しているところも見所だ。
特に加瀬亮は『それでもボクはやってない』のときとは全く違う、宮崎勤を演じていた。
リリー・フランキーは、特別演技が上手いわけでもない。
監督がオファーしてからリミットぎりぎり声をかけるまで、この出演を最後の最後まで迷っていたらしい。
ただ彼の素性は『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』ですでにある程度理解できるものであり、
ある意味このカオルにピッタシ当てはまるような“性格”だったのかもしれないし、
役どころも法廷画家と絵描きの種類は違うけれど、他の曲者役者の法廷作家役よりははるかに
存在感と本物の目でもって演じていたように感じた。
それならば『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』も十分本人でいけたのではないかとおもってしまうほど(笑)
妻・翔子役の木村多江も難しい役ながら、上手く演じていたように思う。
子供を亡くした妻の精神的に病んだ部分を演じなければならなかったが、実際のところ彼女は
この映画の撮影後出産を経験し、今は母となっている。 今は一児の母だけけど、
母を経験していたら彼女の演技はどんなものだったんだろうかと思ったりもして
微妙に母親役の賠償美津子が『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』の
TV版のオカンも演じていたので、なんだかダブってしまう節もあったが。
“夫婦”って、やっぱりその夫婦にしかわからない部分があるものだ。
法廷のシーンはどの事件もリアリティーがあっただけにいたたまれない気持ちになりました。
演じる役者さんたちも皆さん存在感たっぷりで上手かったですよね。
それにしてもリリー・フランキーですよ。
本当にああいう人っぽいというくらい、自然に演じていたので驚きましたわ。
>法廷のシーンはどの事件もリアリティーがあっただけにいたたまれない気持ちになりました。演じる役者さんたちも皆さん存在感たっぷりで上手かったですよね。
そうですね^^ ほとんどワンカットだったのでもったいない気もしましたが(笑)
>それにしてもリリー・フランキーですよ。本当にああいう人っぽいというくらい、自然に演じていたので驚きましたわ。
って言うかご本人があんな感じだと思いますよ(笑)
地味だけどすごく監督の心情が伝わってくる、なかなかの良作でしたね。
>フフ、『東京タワー~』も本物でも行けたかも、って、面白い一言ですね。
おそらくあのままで“地”なんだとおもいますよ(笑)
>地味だけどすごく監督の心情が伝わってくる、なかなかの良作でしたね。
仰るとおりですね~
観てみたくなりますね~www
それにしても加瀬さんはよく裁判にかけられてますね。
>確かにこうなるとリリーさん本人のボクも観てみたくなりますね~www
そうでしょ(笑)?! もう一度撮り直しますかね(爆)?!
>それにしても加瀬さんはよく裁判にかけられてますね。
今回のはちょっとヒドイかな(笑)
リリーさんはあれが地そのもののような雰囲気でしたね。ぼーっとしているけど大きく包んであげる優しさがとてもピッタリでした。
夫婦っていいかも~と思わせてくれました。
そのくらいリアルのように思えましたし、また実際に遺族の悲痛な叫びも胸が痛かったです。
その場面に立ち会わなければいけない法廷画家という職業の大変さもよくわかりました。
ところで。。。
「歩いても・・」がTBされちゃってるようですんで、お時間ありましたらお手数ですが「ぐるり・・・」をお願いします^^;
>地味だけどいい映画でしたね。
そうでしたね^^
>リリーさんはあれが地そのもののような雰囲気でしたね。ぼーっとしているけど大きく包んであげる優しさがとてもピッタリでした。
それこそ『東京タワー~』今からでも主演遅くないんじゃないですかね(笑)
>夫婦っていいかも~と思わせてくれました。
ふむ、色々ありますからね~夫婦って(自爆)
>あの犯人役の演技は、実際に法廷内を見た人がその内容を指南したのでしょうか。
おそらく資料として、また法廷マニアがいて実際の雰囲気は捉えられるものらしいですよ^^
>その場面に立ち会わなければいけない法廷画家という職業の大変さもよくわかりました。
というよりは職業として見れなかったカナオの視点がこれから始まる裁判員制度への警告だったような(笑)
>「歩いても・・」がTBされちゃってるようですんで、お時間ありましたらお手数ですが「ぐるり・・・」をお願いします^^;
それは大変失礼しましたm(__)m 急いでTBし直しておきました(汗)