原題:El artista y la modelo
監督:フェルナンド・トルエバ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/51/02300243220eb7c690f968c467c6f222.jpg)
<番組紹介/解説>
若く美しい娘との出会いをきっかけにかつての創作意欲を取り戻した老彫刻家を、「髪結いの亭主」のJ・ロシュフォールがいぶし銀の魅力で味わい深く好演した人間ドラマ。
「ベルエポック」で第66回アカデミー外国語映画賞に輝いたスペインの名匠、F・トルエバ監督。彼がフランスの彫刻家アリスティド・マイヨールをモデルにして、今は亡き彫刻家の兄とともに早くから構想を温めていた本作の企画を、今回ついに実現。老彫刻家の主人公を名優J・ロシュフォールが味わい深く演じる一方、彼に新たな創作の息吹をもたらす若き女神を、以前にもトルエバ監督の作品に主演した経験を持つスペインの若手女優A・フォルチがフレッシュに好演。スペイン国内では数々の映画賞にノミネートされた。
<内容/物語>
1943年夏、ドイツ占領下のフランス南西部、スペインとの国境に近い村。次第にナチスの取り締まりが強化されるなか、老彫刻家のクロスは、生きる気力や創作意欲を失い、漫然と日々を過ごしていた。そんなある日、彼の愛妻リーが、市場で若くて美しいひとりの娘に目を留め、スペインから逃げてきた彼女メルセを家に連れて帰る。メルセを新たなモデルにして、クロスの心に火がつき、彼は再び創作活動に打ち込むようになる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/0a/3dae39117add78eae7b9868897b29646.jpg)
全編モノクロ映像で、渋い映像です。
裸婦像を一心不乱に描き彫刻する芸術家のこころを垣間見せてくれました。
女性の美しさってなんだろう?
なぜ豊かなバストやお尻に男性は魅力を感じるのだろう?
学問的には「健康な赤ちゃんを産んでくれそうな女性の体に惹かれるよう遺伝子に組み込まれているから」と説明されてます(笑)。
映像から読み取れることは・・・
彼が「足のラインが上手く描けない」とデッサンをクシャクシャにする場面とか。
彼女の裸に欲情してエレクトしてしまう場面では「最低だ!」と自分に怒ってスケッチをやめてしまう、とか。
エロス以上の“美”があるんだろうか?
ウ~ン、複雑。
この映画で一番印象に残っているのは、老彫刻家がモデルにルーベンスのスケッチを見せて説明する場面です。
それは、よちよち歩きの乳児を家族が見守る絵でした;
「この絵はどうだ?」
「ステキな絵ね」
「そんなことしか云えんのか?」
「・・・」
そこから、彼の解説が始まります。
脇で支える幼女は姉であろう
彼女は乳児の顔を心配そうにのぞき込みながらしっかりと支えている
おそらく、はじめて歩いた瞬間ではなかろうか
逆側にいる大人の女性は母親であろう
彼女は幼女ほど心配している様子はなく、どっしり構えている様子
姉で経験済みだから余裕があるのだろう
乳児が向く先には大人の男性が手を広げて迎えている
我が子の初歩きを喜ぶ父親であろう
通りがかりの男性はこれらの様子を微笑ましく眺めている
フ~ン、一枚の絵からこれだけのことがわかるんだ・・・と感心しきり。
いいものを見せていただきました。
★ 5点満点で4点。
監督:フェルナンド・トルエバ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/51/02300243220eb7c690f968c467c6f222.jpg)
<番組紹介/解説>
若く美しい娘との出会いをきっかけにかつての創作意欲を取り戻した老彫刻家を、「髪結いの亭主」のJ・ロシュフォールがいぶし銀の魅力で味わい深く好演した人間ドラマ。
「ベルエポック」で第66回アカデミー外国語映画賞に輝いたスペインの名匠、F・トルエバ監督。彼がフランスの彫刻家アリスティド・マイヨールをモデルにして、今は亡き彫刻家の兄とともに早くから構想を温めていた本作の企画を、今回ついに実現。老彫刻家の主人公を名優J・ロシュフォールが味わい深く演じる一方、彼に新たな創作の息吹をもたらす若き女神を、以前にもトルエバ監督の作品に主演した経験を持つスペインの若手女優A・フォルチがフレッシュに好演。スペイン国内では数々の映画賞にノミネートされた。
<内容/物語>
1943年夏、ドイツ占領下のフランス南西部、スペインとの国境に近い村。次第にナチスの取り締まりが強化されるなか、老彫刻家のクロスは、生きる気力や創作意欲を失い、漫然と日々を過ごしていた。そんなある日、彼の愛妻リーが、市場で若くて美しいひとりの娘に目を留め、スペインから逃げてきた彼女メルセを家に連れて帰る。メルセを新たなモデルにして、クロスの心に火がつき、彼は再び創作活動に打ち込むようになる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/0a/3dae39117add78eae7b9868897b29646.jpg)
全編モノクロ映像で、渋い映像です。
裸婦像を一心不乱に描き彫刻する芸術家のこころを垣間見せてくれました。
女性の美しさってなんだろう?
なぜ豊かなバストやお尻に男性は魅力を感じるのだろう?
学問的には「健康な赤ちゃんを産んでくれそうな女性の体に惹かれるよう遺伝子に組み込まれているから」と説明されてます(笑)。
映像から読み取れることは・・・
彼が「足のラインが上手く描けない」とデッサンをクシャクシャにする場面とか。
彼女の裸に欲情してエレクトしてしまう場面では「最低だ!」と自分に怒ってスケッチをやめてしまう、とか。
エロス以上の“美”があるんだろうか?
ウ~ン、複雑。
この映画で一番印象に残っているのは、老彫刻家がモデルにルーベンスのスケッチを見せて説明する場面です。
それは、よちよち歩きの乳児を家族が見守る絵でした;
「この絵はどうだ?」
「ステキな絵ね」
「そんなことしか云えんのか?」
「・・・」
そこから、彼の解説が始まります。
脇で支える幼女は姉であろう
彼女は乳児の顔を心配そうにのぞき込みながらしっかりと支えている
おそらく、はじめて歩いた瞬間ではなかろうか
逆側にいる大人の女性は母親であろう
彼女は幼女ほど心配している様子はなく、どっしり構えている様子
姉で経験済みだから余裕があるのだろう
乳児が向く先には大人の男性が手を広げて迎えている
我が子の初歩きを喜ぶ父親であろう
通りがかりの男性はこれらの様子を微笑ましく眺めている
フ~ン、一枚の絵からこれだけのことがわかるんだ・・・と感心しきり。
いいものを見せていただきました。
★ 5点満点で4点。