新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

国葬により岸田文雄は安倍晋三の負の遺産相続人になる

2022年07月16日 13時23分13秒 | 衆院選挙

元外務官僚で、政治家としては「小沢チルドレン」として(新進党→) (自由党→) (民主党→)と渡り歩き、2006年に岩手県知事になったのが、達増拓也知事。
 
安倍晋三が「銃殺」され1週間ほど経ち、安倍晋三周辺が統一教会とズブズブの関係ということが次第に明るみに出てしまい、ついにはこの知事も、「岩手の達増拓也知事が自民批判『旧統一教会と結び付いていた』」 と言うまでになった。
 
そして、安倍晋三の地元山口県の「長周新聞」も大胆かつ真っ当なコラム記事と座談会記事を掲載していた。
 
まずは、コラム記事から紹介する。
 
『民主主義への挑戦』というすり替え」 
 

あの男(安倍晋三)はいい死に方をしないよ」――。森友問題で財務省職員の赤木さんが自殺した時だった。反省もなく居直る為政者について、近所の口の悪い婆さんがニュースを見てそう言っていた。国有地を時の首相のお友だちに二束三文で払い下げるために奔走し、疑惑を糊塗するために、あろうことか公文書を書き換えさせられ、狭間で苦しみ、みずから生命を絶った職員もいたのだ。そうした犠牲のうえに議員生命をつないでいた安倍晋三がなんともあっけない形で射殺された。
 テレビをつけると「ご冥福をお祈りいたします」「民主主義への挑戦・冒涜だ」の紋切り型のコメントばかりが並び、テンプレでもあるのかと思うほどである。「いい死に方をしないよ」――。何をもって「いい死に方」とそうでない死に方の違いを分けるのかは置いておいて、あのときの婆さんの言葉通りになったような気がしてならない。まことに死に方としては本人はもちろん周囲にとっても最悪の部類であろうと思うのだ。
 いかに政治的主張が異なろうと、殺傷すなわち暴力によって相手を封殺するというようなことはあってはならない。議会は「言論の府」といわれるように、政治とは言論勝負であり、いかなる立場であろうと言論によって主義主張を正々堂々と唱えることは保証されなければならない。そのことによって支持されるかされないかは、最終的に有権者によって峻別されるものなのだ。新聞もしかり。言論こそが武器であり、でかい図体をして忖度ばかりしている巨大メディアがほとんどとはいえ、小さくとも言いたいことをあからさまに言い、自由に書きたいことを書き連ねるスタイルを貫いている媒体だってある。これまた、暴力や経済的圧力によって封殺されてはならないものなのだ。気に入らないからといって、その度に殺傷に訴えるような社会など狂気の沙汰であり、それこそ言論を放棄した先にたどり着くなれの果てであろう。
 
 ただ、今回の場合、伊藤博文、犬養毅など明確な政治的意図をもって殺害された歴代の首相と違って、よくわからない動機によっていきなり元首相が射殺されるという前代未聞の出来事である。一部で取り沙汰されているように、統一教会とその分派による内輪もめがかかわっているというのが事実なのであれば、なぜ元首相ともあろう者が射殺されるまでの事態に至ったのか、その関係性や過激な宗教組織の実態解明にも踏み込まなければ、ただ「民主主義への挑戦・冒涜だ」だけを唱えていても話は明後日の方向にすれ違って、頓珍漢なように思う。
 「特定の宗教団体幹部を狙っていた」の供述からも伺えるように、動機が宗教絡みの怨念であるなら、その絡んだ糸を紐解かなければ全容解明にはならないのである。岸信介が設立にかかわったともいわれる新興宗教団体と政治家・安倍晋三界隈の関係性を深く洞察することなく「民主主義への挑戦」に話をすり替えていたのでは、事件の動機や背景に迫ることなどできないのである。
 「民主主義への挑戦・冒涜」という点で言えば、それこそ安倍政権の8年とは、まさに民主主義への挑戦と冒涜、否定の連続であった。国会で118回もの虚偽答弁をしたり、挙げ句に公文書を書き換えたり、国有地をお友だちにタダ同然で払い下げしたり、モリカケ桜等々、為政者の好き勝手がなんでもありでまかり通り、それに対して是正する力が機能せず、三権分立の建前などあってないような日本社会のぶっ壊れた姿が露呈してきた。法治国家としての体を為さず、権力を握った為政者がなんのためらいもなく公共を私物化し、公安トップを睨みを効かせる地位にすげることで司法も警察権力もメディアも抑え、その度に問題にはなるが嘘と誤魔化しによってすり抜けてきた8年だったといえる。あまりにもやり過ぎで、これが亡くなったからといって民主主義の象徴みたく英雄視することなどできない。なぜなら、事実にも反するからである。
 今回の事件について、メディアが岸信介から連なる安倍晋三とズブズブだった「統一教会」の存在をなきものにして、「特定の宗教団体」という表現に徹するというのなら、それ自体がすでに言論が封殺されていることを自己暴露するものでしかない。忖度しまくりなのである。「言論封殺だ!」とことさら巨大メディアが大合唱している光景を見ていて思うのは、すでにみずから口を閉ざしておいて、何をかいわんやなのである。暴力によって弾圧される云々以前に、金銭的な圧力に屈して見ざる聞かざる言わざるをしているくせに、いまさら「言論封殺だ!」「民主主義への挑戦だ」と叫んでいる姿は滑稽ですらある。なぜか? すでに暴力に屈するよりも以前にカネに目がくらんで自己封殺しているからである。それで何も書けない忖度集団が、何を言っておるのかと――。白々しい問題のすり替えが得意技とはいえ、安倍晋三が狙われたのは宗教的怨念であることは疑いないし、「民主主義」云々とはまるで別問題であろう。その特異な政治的つながりや政教分離の現実についてえぐっていくことこそがジャーナリズムの仕事だと思う。
 「いい死に方をしないよ」と話していた婆さん曰く、「死人を悪くいうのははばかられる。ただ、赤木さんだってあの人の犠牲になったことを私は忘れてないよ。人間誰しも悪さばっかりすると必ず罰(バチ)が当たるもんだ。だから、オマエも罰当たりな生き方だけはするな」と説くのだった。黙って聞いていたけれど、言わんとしていることはそういうことなのだろう。


 
「いかに政治的主張が異なろうと、殺傷すなわち暴力によって相手を封殺するというようなことはあってはならない」という表現は、メディアとしては「けっして暴力を礼賛しているわけではありません」という常套句であることは、言うまでもあるまい。
 
次に、記者らの忌憚のない座談会を。
 
記者座談会 統一教会と自民の関係にメスを 反共右派として育てた為政者の罪
 

参院議員選挙は、投開票直前に安倍晋三元首相が街頭演説中に射殺されるという衝撃的な出来事を経て、結果としては予想された通り野党自滅の選挙構造を反映して自公圧勝に終わった。この選挙戦の特徴や結果をどう見るのか、また元首相射殺という前代未聞の事件と関わって、戦後からこの方の自民党と宗教団体の関係とはいかなるものだったのか、そのルーツでもある保守王国といわれる山口県の政治は安倍晋三亡き後にどうなろうとしているのか、慌ただしい情勢も踏まえて記者たちで論議し、状況を整理してみた。
 
 A 統一教会に恨みを持つ信者2世が怨念を募らせて元首相を射殺するという誰も想像していなかった衝撃的事件が起きた。選挙もあるが、まずそっちの衝撃の方がでかすぎて、なにがなんだかわからないうちに選挙が終わったという印象だ。この事件で世間はおおいに震撼したし、改めて「統一教会って何?」「恨まれているのは統一教会(宗教団体)なのに、なぜ安倍晋三が狙われたの?」と誰もが不思議に感じている。とりわけ統一教会を知らない若い人たちはなにがなんだか…な感じだ。
 B 報道その他から浮き彫りになっているのは、母親が熱心な統一教会の信者で多額の寄付をしたために自己破産して家庭が崩壊し、その恨みを募らせての犯行だったようだ。息子だった犯人の山上某は母親の自己破産もあってか進学も叶わず海上自衛隊に入り、その後は派遣の仕事などで食いつないでいたという。高校は奈良随一の進学校で、本人は一生懸命に勉強もして思い描いていた未来もあったかも知れない。
 何が動機かは今から裁判その他で浮き彫りになっていくのだろうが、家庭を崩壊に誘った「特定の宗教団体」こと統一教会に恨みを募らせての犯行だったことが明らかになっている。当初は教団幹部を狙っていたがいなかったため、それなら教団と関わりの深い安倍晋三を撃ってしまえとなったようだ。前日の岡山での安倍晋三の演説会にも出向いていたとかで、付け狙っていたことがわかる。「政治的主張が動機ではない」と供述しているように、明らかに宗教的怨念が根にある。父の自殺、兄の自殺等等、その後明らかになってきた伯父の証言などを見ても、過酷な人生だったことがわかる。
 C 統一教会の存在がこれほどクローズアップされるのも久々だが、当初メディアのなかには忖度して「特定の宗教団体」表記をしていたところが多かった。タブーというかこの宗教団体にビビッて遠慮している風にも見えたが、さすがに隠しきれず報道するに至った。昔の人は壺売りとか当時社会問題になった霊感商法についての認知がある。戦後最大の詐欺事件ともいえるが、信者たちが家庭を訪問して家族にまつわる因縁などを聞き出したりしつつ、高い壺や印鑑、血を清めるためといって高額な高麗人参を売りつけていたのだ。40代以上の世代でいえば、90年代にメディアが扱っていた合同結婚式とかの記憶がかすかにあるくらいだろうか。タレントの桜田淳子が入信して、たいへんなことになっているのをワイドショーが面白おかしく連日のように扱っていたのを子どもながらに覚えている。初対面の相手同士が教祖が決めた相手と結婚させられるとかで、気持ち悪い新興宗教としてきわもの扱いだった。 
  
   
         昔は雑誌や新聞も統一教会について取り上げていた 
         
  
D その統一教会に恨みを募らせていた男がなぜ安倍晋三を暗殺するのか? が問題なのだ。安倍晋三が同教会の集会に称賛のメッセージを送ったり、機関雑誌の表紙を何度も飾っていたのは事実だが、岸信介が統一教会を日本国内に招いた張本人でもあり、その孫に至るも深い関係であると「思い込んで」ターゲットにしたという報道のされ方をしている。岸信介から連なる安倍晋三すなわち自民党清和会と統一教会の関係とはいかなるものだったのかが問われている。その解明なくして、「思い込み」によって射殺されたでは誰も納得などしない。
 A 政教分離などといってきたが、戦後からこの方の自民党と宗教団体の関係性について解明しないことには、今回の事件の背景には迫れないのではないか。ある意味、戦後政治の裏面史を表に引きずり出してきたような事件に思えてならない。第二次安倍政権発足からの8年間でいわゆる右傾化なるものも際立ってきたが、例えば神道政治連盟や日本会議が強力なバックボーンとして安倍晋三を支えてきたことは知られているが、その一角に強烈な反共思想を備えた統一教会が存在していたとしても何も驚かない。むしろさもありなんと思ってしまう。誰がどう見ても、この何年来かの異様なる右派運動の台頭は自然発生的なものではないし、カネと動員力を備えた集団が存在して組織的な動きをしていたと見るのが自然だ。
 統一教会が自民党政治家に秘書をたくさん送り込んでいる(給料は宗教団体持ち)ことなどは以前から政界では公然の秘密として囁かれてきたわけで、国会でとりあげられた際には、9人も秘書を世話してもらっていた代議士もいたというから驚く。そうした実態解明も必要だろう。両者の関係がズブズブだと「思い込んだ」のではなくて、ズブズブだったから狙われたのではないか? と率直に思う。
 B 数年前に高村正彦(第二次安倍政権発足時の自民党副総裁)と統一教会の関係について突っ込んで取材していた東京の年配記者と話したことがあるが、統一教会そのものは1954年に韓国で文鮮明が反共産主義を掲げて「世界キリスト教統一教会」として設立。その5年後の1959年10月2日に日本統一教会が設立されたのだという。当初は岸信介の東京の自宅の隣に事務所を構えていたそうで、立ち上げから関わっている。「日本国内に招き入れた人物」というのは山上某の「思い込み」などではない。
  
    
      統一教会の教祖・文鮮明と握手する岸信介(右) 
     
政治と宗教の深い関係 政教分離はどこへ
  
 B 日本統一教会の原点は戦後に反共産主義を掲げて岸信介を中心とした右翼連中でつくっていた「防共挺身隊」といわれ、岸信介の出身地である熊毛地方には一定の集団がいたことが知られている。山口県は戦後の共産党トップだった野坂参三、宮本顕治、志賀義雄などもいて、それこそ彼らは田布施の隣である光出身だったりもする。政治的には右も左も激しかったわけだが、その防共挺身隊と岸信介がパイプを持っていた韓国の反共宗教団体である文鮮明の統一教会がドッキングして、日本統一教会が誕生したという。1964年に宗教法人法によって宗教法人・日本統一教会となる。宗教法人になると税金も払う必要がなく金銭の出入りも自由なのだ。
 A 高村正彦といえば山口県の古い保守の人たちのなかには「安倍・岸家の執事」という表現をする人もいるが、中央大学法学部を卒業した後にこの男が統一教会の関連組織として知られる「国際勝共連合」(しょうきょうれんごう・初代会長は統一教会の久保木修己会長が就き、名誉会長には笹川良一)や統一教会の訴訟代理人をしていたことは有名だ。布教活動が凄まじく、入信者には従来の生活を捨てて他の信者との共同生活を強いることが社会問題となり、家族からの苦情が高まって訴訟問題まで発展する。この訴訟問題処理を担当したのが高村で、資産家の家族が娘を教団施設から精神病院に避難させたのを教会に連れ戻したり、辣腕を振るったそうだ。高村自身は父親が逝去した後に代議士になるわけだが、統一教会の関連会社で霊感商法を業務にしていた「ハッピーワールド社」から政治資金をもらっていたことも公然の事実で、1989年の政治資金収支報告書には高級車の提供を受けたことも記載されている。
 B 高村正彦と統一教会会長だった徳野英治(2016年には安倍晋三が首相官邸に招待している)の関係とか、掘れば様々あるのだろうが、「高村が第二次安倍政権で副総裁でいられるのは徳野英治とのパイプが強いから」で、その後は安倍晋三の代理として萩生田が担当しているという指摘もあるくらいだ。統一教会といっても先のハッピーワールド社のほかに友好団体の「CARP」であるとか、「世界戦略総合研究所」、一般財団法人「国際ハイウェイ財団」(日韓トンネル財団)とか、原理研(大学での信者獲得を担当)とか、育児セミナーを語る団体であったり、他の衣がいくつもあって複雑極まりない。系列企業としてビジネスを展開している企業も山ほどあるようだ。霊感商法をやっていた昔から「どこの団体かわからない」ようなやり方で近づいてきて、実は統一教会だったみたいなのが多いことでも有名だ。
 C 山口県の政治家でいえば、参議院議員の北村経夫(産経新聞出身)が田布施出身で、これも踊る宗教で有名な岸信介の熱烈な支援者・北村教の子息だが、この選挙事務所を支えていたのが統一教会関係者だと初当選の選挙時には随分と話題になっていた。北村経夫の参議院擁立は安倍晋三の意向で、自民党関係者のなかには「安倍さんが応援を頼んだんだよ」とあけすけに話すのもいた。政教分離などあってないようなもので、自民党支持母体の一角なのだ。ここでわかることは、選挙運動に精通しているとは、すなわち選挙の主力として采配ができるほどの経験を積んでいることと、プロ集団であることだ。一般人にはとてもではないができない。北村経夫からすると統一教会に足を向けて寝られない関係なのだ。
 自民党政治家の秘書としてこの宗教団体がどれだけ浸透しているのか、金銭的なつながりはどうなっているのか等等、実態解明が必要なのではないか。公明党はどうなるんだ? といわれればそれもそうなんだが、宗教団体が政治に介入するというのは建前としては政教分離の原則にも反するわけで、おおいに問題なのだ。安倍晋三が「美しい国」と叫んでいたが、もともと「美しい国」を説いていた元祖は統一教会初代会長の久保木修己でもある。
 D 戦後は戦犯だったところから反共産主義の要員としてCIAのエージェントにとり立てられたのが岸信介や笹川良一、右翼暴力団でいえば児玉誉士夫だ。彼らがその右派運動の一翼として育てたのがまさに統一教会であったことは、年配の人たちのなかでは常識として知られているが、90年代に霊感商法や合同結婚式がバッシングを受けて存在感が薄くなり、近年はあまり目立つ存在ではなくなった。しかし、引き続き隠然と存在し、2015年には安倍政権のもとで「世界平和統一家庭連合」へと名称変更することを文化庁が認証している。歴史的な経緯とともにその存在がいかなるものだったのか、役割は何だったのか捉えないわけにはいかない。政治と宗教の裏面史として闇に埋没させるのではなく、むしろ表に引きずり出すことこそ大切なのではないか。「何が政教分離だよ!」の実態解明こそがメディアの仕事でもある。
 メディアが及び腰なのも、まさに政治とこの宗教の密接な関係について熟知しているからで、地雷原を避けるかのように「特定の宗教団体」「平和を求める宗教団体」などと温い表現に止めている。結果的にそれほど恐ろしい宗教団体なのだという印象だけが強まる効果となっている。安倍政権8年の右傾化なるものの背後に何が存在していたのか、黒々とした世界と合わせて事件の真相解明をしなければ、犯人の「思い込み」で「殺されました」「終わり」とはならないのだ。
 B というか、「民主主義への挑戦だ」「言論封殺だ」に問題をすり替えて、死後に民主主義の英雄であったかの如く神格化するようなキャンペーンが張られていることも異様だ。それこそ宗教的ではないか? と思うほど気味悪いものがある。北の将軍様に「万歳!(マンセー)」といって涙を流す光景を嘲笑してきたくせに、まるでそっくりではないかと思うほど似ている。メディアのなかも犯されて朝鮮カルトの仕込みでもあるのか? と疑うレベルだと思う。
 元首相暗殺という衝撃的出来事ではあるが、事件の原因となった統一教会の存在に迫るでもなく、スルーしながらお涙頂戴ばかりをメディアが煽り上げている。他の意見は許さないという同調圧力みたいなものを作り出している。しかし民主主義に挑戦し、冒涜し、否定してきたのは安倍晋三であって、公文書書き換えとか三権分立の否定であるとか、それぞれの問題を一つずつ見てみてもひどいものがある。これをまるで何もなかったかのようにチャラにして、国家の英雄みたく神格化するのはどうかしている。こんなことをしていたら、メディアにも統一教会のカネが流れているのか? と思われても仕方がないのではないか。暴力に屈する以前にゼニに屈するのがメディアで、言論封殺を叫ぶ以前に権力や金力に屈して自己規制して久しい。笑わせるなと思う。
 
野党解体、自滅の結果 参院選の自公圧勝
 A すっかり選挙結果の総括から話題が外れたが、少しは触れないとみな持って行かれる。今回の参院選は端から自公圧勝構図であることは明確だった。野党が引き続き解体と自滅の路線を進んでいるなかで、選挙区でも立憲民主が出るわ国民民主も出るわ共産も出るわ乱立して反自民票は分散し、そこに参政党とかNHK党とかの小規模政党がどこからカネが出ているのだろう?と不思議になるくらい候補者を擁立して、“散らし"効果はてきめんだった。自民党としての得票としては従来の選挙からもさほど伸びていないが、分散効果によって抜け出すことはできたのだ。
 C 野党共闘が素晴らしいとも思わないが、旧民主党の分裂と解体が進むなかで、一方では労働組合の連合が自民党ににじり寄ったり、民主党右派で構成する国民民主に至っては改憲勢力として衣替えをして、むしろ役割としては立憲民主と対決しているような有り様だった。諸派の候補者が乱立したところが選挙区では多かったが、そのことによって一人区では自民党有利の選挙構図となり、野党共倒れとなった。わかりきった結末だ。
 旧民主党の分裂と裏切り、解体の流れがそのまま選挙構造に反映し、いわば野党自滅ともいえる選挙戦でもあった。ここ数年来の選挙では「野党解体」と裏切りが露骨に仕掛けられてきたなかで、本気でたたかう野党の台頭と勢力再編が迫られていることもあらわした。自民・公明が改選過半数をこえ、改憲に積極的な維新や国民民主も含めた4党で参議院の3分の2の議席を占める結果となった。
 B 沖縄では9月の知事選の前哨戦ともいえるたたかいとなった。オール沖縄や玉城デニー知事が支援した現職の伊波洋一が自民党候補の追い上げを受けながら、かつがつ議席を死守した。この数年来で金力、権力をフル動員した締め上げによってオール沖縄に綻びが生じているなかで、天王山の知事選に向けては決して楽観視できない結果だ。
 D 投票率は相変わらず50%そこら。依然として政治不信の強さは払拭できず、およそ5割の有権者が政治にそっぽを向いている状態には変わりなかった。野党のなかではれいわ新選組が改選前から議席を3つ伸ばして、結党から3年で8人の国会議員を誕生させた。次の国政選挙までの「黄金の3年間」などといっているが、本物のたたかう政党として存在感を発揮することが求められている。2議席から5議席となり、8議席まで到達したことはあっぱれで、常に限界突破していくしかない。当選後も万歳! 万歳! と浮かれるのではなく、茨の道の始まりであると引き締めているのは正しいと思う。
 A 「黄金の3年間」で消費税の19%までの増税であるとか、改憲発議なども動き出す気配を見せているが、それこそ清和会のボスが暗殺されるなどして、自民党本体もザワついている。政治的にはかなり流動化が進むのだろう。維新の松井一郎が何かから逃げるように代表を辞任したり、いったい何が起こっているんだろう? とも思う。
代議士亡きあとの地元 ボス失った安倍派の動揺
 B ところで、突然安倍晋三が射殺されたことで、地元はどうなっているのか? という問い合わせが週刊誌記者とか在京の知り合いの記者たちからも寄せられる。8年の在任中にモリカケ桜をはじめとして数々の疑惑を抱え、おかげで財務省職員の赤木さんのように犠牲になったり苦しんできた人間もいるだけに、随分と恨みを買っているのだろう…とは生前から話題になっていたが、あまりにもあっけない最後だったことに皆が唖然としている。ただ、全般としてみんなが悲観に暮れているというような空気はどこにもない。選挙区ではあるが、元々が東京生まれの東京育ちで幼馴染みがいるとかでもないのだ。「恨みを買っていただろうし、いつかこんな事件が起きるのではないかと思っていた」とか「大きい声ではいえないが、在任期間中にあまりにもやりすぎたんだよ…」といった声が多いのも特徴だ。
  

    下関市役所に設置された記帳台
  

          安倍事務所前   
  
A 支持者のなかでは大和町の安倍事務所に花を持って弔問に行く人々がひっきりなしで、「下関中の花が安倍事務所に集まっている」と話題になっている。一方で、切り替えが早いのか現金なのが多いのか、関心は次の山口4区の補欠選挙(来年4月実施か)に誰が出るのだろうか? という点に移っていて、各方面がざわついている。いきなり街の政治のトップに君臨していたボスが射殺されたわけで、ボスを失った組織が統制を失って大騒ぎになるのも無理はない。市議会も県議会もたいへんな変化をよぎなくされるのは疑いないし、山口県の自民党政治のパワーバランスが大きく動くきっかけが突然訪れている。
 下克上もありうる戦乱の時代が到来している。だから安倍晋三から冷や飯を食らわされた面々は嬉々としているし、重しがなくなったことで野心を燃やす議員や企業関係者だっている。安倍事務所解体ともなれば、大和町のご機嫌伺いばかりしてきた下っ端たちは後ろ盾を失うわけで、さあ、次は誰に投機しようか…と動揺するのも当たり前だ。目下、一番動揺しているのが下関市長の前田晋太郎だともっぱらだ。「次の市長選でまともな候補を擁立すれば吹っ飛ぶのではないか」といわれている。安倍晋三と昭恵のお気に入りとして市長ポストをゲットしたものの、本人自身が特に絶大な人気を誇っているわけでもないからだ。2期目になってだいぶ横着になってきたとか、生意気に感じている人々も多いわけで、次の市長選は見所だろう。中尾と同じく2期で終わるのかと思うと、若いだけにつぶしが効くのだろうかとも思う。まぁ、下関市長を2期やれば退職金だけで6000万円はつくから当面食いっぱぐれることはないが、50歳手前から何をして飯を食うのだろうか? とは思う。
  
   
    安倍晋三の全力支援で市長になった前田晋太郎(右)
  
B 皆が注目している一つは安倍事務所がどうなっていくのかだ。「誰も出る者がいなくて昭恵を擁立するのではないか」「岸家か兄貴の子息に継がせるのでは」という話も飛び交っているが、今のところ跡目を誰が継ぐのかはまだそこまでの具体性は何もない。安倍派の幹部衆もそれどころでなくて、代議士死去の対応に追われている。この度の葬儀に筆頭秘書だった配川博之(安倍事務所顧問に就任)や後援会の伊藤会長、岡村幹事長らが上京しているので、東京でゴッドマザーの意向も踏まえた話にはなるのかも知れないが、場合によっては安倍事務所解体に追い込まれても何ら不思議ではないのだ。地元でのパワーバランスもおおいに動くなかで、安倍家の意向だからといって「へいへい」とみなが従うとも限らない。晋太郎亡き後に古賀敬章の乱が起こったように、何かが起こると誰もが感じている。
 C 補欠選挙が山口4区としては最後の選挙となり、次の衆院選からは萩、美祢、山陽小野田と下関、長門がくっついた新3区へと再編される。宇部や山口、防府がくっつく新1区に林芳正が移り、高村正大を比例に押し出すという見方が自民党県連のなかでは支配的だったが、ここにきて安倍晋三が亡くなったのだから新3区に林芳正を戻せば収まりが良いではないかという意見もある。それがもっとも順当だと。ただ、林芳正も「安倍が死んだから新3区で」となると格好悪すぎて、それをやったときには意気地なしを自己暴露するようなものだ。宇部でも散々後援会作りに精を出してきたわけで、傘下の支持者や企業を今になって放り投げるという振る舞いが許されるのかどうかだ。本当に間が悪い男だと思う。
 A いずれにしても跡目争いと勢力再編は避けられないのだ。中央政界でも清和会の跡目争いが激化するだろうが、下関や山口県にも大きな変化の波が襲来している。このビック・ウェーブ(大波)に乗らない手はないといった調子で、色んな人間が野心を持ちつつザワザワしているのが実態だろう。とくにわたしたちから見て自民党関係者が一番ザワザワしているわけで、表面的には「安倍先生は偉大だった」「お国のために尽くされた立派な政治リーダーだった」とかいいながら、なんだかオマエ嬉々としてないか? 嘘泣きするなよと思うようなのもいて、本当に政治って汚いな…と思う。週刊誌の記者が「中央では岸田派が大喜びですよ」といっていたが、綺麗事を並べながらそれが実態なのだろう。
 B とりあえず下関や山口県は政治的再編が激しく動き始めるので、その動向はしっかり取材しながらチェックしていくことが必要だろう。杉田水脈(なぜか自民党山口県連所属)も次の選挙は安倍晋三の後ろ盾がないからはじき出されるのではないか? とか話題になっているし、諸々の変化がともなうのだろう。県政だって、安倍一強に不満を持ちながら辛抱してきた勢力もいるわけで、安倍がバックアップしてきた村岡知事と県議会の関係などもどうなっていくのか見物だ。自民党のなかでこそボス猿がいなくなった猿山みたくバトルが勃発するのだ。

 


  
昨日、「売国奴がなぜ『国葬』なのか」の最後で、「『売国奴』と呼ばれてもおかしくはない振る舞いをしてきた安倍晋三が何で『国葬』なのか、禍根を残す岸田文雄の判断であった」とつぶやいたのだが、自民党内から「極右」の安倍晋三亡き後、保守派を引きとどめるために「国葬」と思わず発したらしいのだが、さっそく「野党」からは反対声明が上がった。
 
安倍元首相礼賛の「国葬」の実施に反対する」(赤旗)
 
【声明】安倍元総理の葬儀を国葬で行うという政府の決定について(れいわ新選組 2022年7月15日)」 
さらにはこんな団体も声を上げていた。
 
【声明】故安倍元首相の「国葬」に反対する」(NGO「日本平和委員会」)
 
おそらくこのような反対は岸田文雄にとっては織り込み済みなのだろうが、世間の常識的な声は無視できない。
 
安倍元首相「#国葬反対」がトレンドワードに 自民党は税金使って政治利用するのかとの指摘も
         
#安倍晋三の国葬に反対します



おびただしい「負の遺産」を処理しないまま消えてしまった安倍晋三だったが、当然ながら遺産相続人は岸田文雄になることは明らかである。


なまじ「保守派」の顔色をばかりをうかがっていた岸田文雄は、今後は安倍晋三に対する積年の恨みつらみを背負い込むという禍根を残してしまった、とオジサンは思う。 

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