ミュージカルな日々

ミュージカル好きの私が、観劇・映画・ドラマ・音楽・本の感想を書きつづるブログ、になる予定。

ミュージカル「ボニー&クライド」 感想

2012-01-12 | ミュージカル観劇記
ボニー&クライド、見てきました
今日の昼公演、もちろん、藤岡正明さんが出演する回です

感想は、、、話はいまいち、というのが正直な感想です
でも、とにかく、歌が上手い人がそろっているので、大満足の舞台でした

お話は、それぞれに閉塞的な社会にうんざりしてたボニーとクライドが出会い、
ともに、どんどん凶悪な犯罪に手を染めていき、最後は警官隊に囲まれて蜂の巣になって殺される。
というもの。「俺たちに明日はない」という映画にもなっている話です
(映画は見たことないですが

背景にあるのは(Wikipediaによると)世界恐慌と禁酒法で、
ミュージカルの中でもそうした時代背景も描かれるには描かれるのですが、
そこへの踏み込みが若干浅い気がしました。

その結果、二人の無軌道な犯罪について行けず、カタルシスがあるわけでもなく、
見終わって、「で、何?」と思ってしまったのも事実。

閉塞的な社会が背景になって犯罪に手を染めてしまった若者を描く、という点では、
「ブラッド・ブラザーズ」が似ているなぁと思ったのですが、
こっちの方が、見終わった後、ずーんと来て、考えさせられることも多かったのにな、と思いました。

藤岡くんに万里生さん、さらには岡田さんまで出演されていて、
キャストがかなりかぶっているので、余計に「ブラッド・ブラザーズ」が思い出されたんですよねー
でも、何だか再演したみたいにも思えて、それはそれで嬉しかったです

さて、そのキャスト陣ですが、
まずは、濱田めぐみさん
やっぱり、すごかった…

劇団四季時代には、「李香蘭」の川島芳子役で拝見しただけでしたが、
やはり、看板はってこられた方は違いますね

低い声も高い声も、そして裏声も、どの声もとっても魅力的
表現力も素晴らしいし、貫禄十分

やっぱり「アイーダ」は見とくべきだったか…
今度の「ジキル&ハイド」のルーシーがすごく楽しみです
むしろルーシーの方が向いてるかもーっと思いました

田代万里生さんは、また一段とミュージカルらしい歌い方になっていて、
特に、牢獄で自分のつらい胸の内を吐露するシーンにはぐっときました。

同じワイルド・ホーン作品だからなのか、「ルドルフ」が思い出されて、
この感じなら、悩めるルドルフ皇太子もいけるのではっと思いました

そして、藤岡正明さん
歌少ないよぉとは思いましたが、彼の歌はやっぱり素晴らしいです

役所はボニーの幼なじみで、恋心を抱いていて、最後まで彼女を救い出そうと頑張る青年です。
歌も、彼女を思いやる優しい歌が多くて、ぐっとくるのです

隣に座っていた女性二人組は、どうも藤岡くんを知らなかったらしく、
前半が終わった休憩時間中、プログラムの彼のページを開いて、
上手いねー、歌手なのねー、ミス・サイゴンにも出てたのねーなどと話していて、
うむうむ、そうだろう、そうだろうっと隣でうなずいてました(笑)

それと、気になったシーンとしては、
ボニーの母親が、ボニーと藤岡くん演じるテッドをくっつけようと画策するシーン。

母親は古くさいボレロをボニーに着せ、祖母からもらったというブローチを付けてやります。
ボニーは当然それが気にくわないわけですが、
そこへ現れたテッドは、そのボレロとブローチを褒める…という残念な展開

ここの藤岡くんが本当に優しげな雰囲気で、でもすれ違っている感じが何とも可哀相で、
個人的には、「エリザベート」のフランツ・ヨーゼフを彷彿させました(笑)
藤岡さん、きっとフランツできるなぁと思います

ということで、話に共感できない分、いろんな妄想を膨らませながらの観劇でした(苦笑)
それはそれで楽しかったですよ うん。

他にも、岡田さんや岸さんなどなど歌が上手い人が勢揃い。
それから、木場さんもすごく素敵でした
歌は歌わないですが、要所要所に出てきて、舞台全体を締めていました。

そうそう、音楽は、かなりアメリカン・テイスト
この前見た「GOLD」と同じ作曲家とは思えないくらい、軽快な音楽が多かったです。
私は、「ジキル&ハイド」「ルドルフ」「GOLD」あたりの、
ロマンティックでメロディアスな曲の方が好きでしたが

まあ、ともかく、全体としては十分に楽しめるエンターテインメント作品に仕上がっていたとは思います

動画も上がっていましたので、貼っておきますね
ミュージカル『ボニー&クライド』 ボニー(濱田めぐみ)ダイジェスト


ミュージカル『ボニー&クライド』クライド(田代万里生)ダイジェスト


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