DVDで映画「魍魎の匣」を見ました
前作「姑獲鳥の夏」は原作・映画ともチェックしましたが、
今回の「魍魎の匣」は原作は読んでません
それでも、映画としてストーリーを理解することはできましたし、
十分面白かったです。
京極堂を演じる堤真一さんは本当にハマり役です
原作のイメージと一致するかはともかく、
京極堂という荒唐無稽なキャラクターを地に足のついた人間として、
説得力をもって演じられる堤さん、さすがだなぁと思います
今回は、陰陽道を利用した新興宗教の本部に入って行って、そのインチキを暴く、
というのが京極堂の見せ場の一つですが、
正統な陰陽道の所作をやって見せる京極堂=堤真一さんの動きの美しいこと
演技力だけでなく、着物の着こなし・身のこなしや滑舌も、文句なしですっ
あえて「滑舌」と書いたのは、阿部寛さんの唯一の弱点だから…
阿部さんの榎木津もとても素敵
なのですが、大事な台詞に限って聞き取りにくいことが多くて
あと、椎名桔平さんの「関口くん」は、印象薄目でした…
椎名桔平さんも好きな俳優さんの一人なので、ちょっともったいない気もしました。
前作「姑獲鳥の夏」との比較で言うと、内容の猟奇性は本作の方が強いですが、
「魍魎の匣」の方が画面的に明るいシーンも多かったので、
全体としてはポップで見やすい印象もありました
もちろん、気持ち悪いところは気持ち悪いですが…
これは、監督の違いに寄るところが大きいですかね。
あと、音楽も軽くなっていて。
調べてみたら、「姑獲鳥の夏」の方は池辺晋一郎氏で、「魍魎の匣」は村松崇継さんですね。
やはり前者は重厚、後者はちょっと軽めのテイスト、になっていたと思います
私は「魍魎の匣」のテーマ曲が、「名探偵ポワロ」の音楽に似ている気がして、好きでしたし、
それぞれ映画のテイストに合っていて、それぞれ魅力的な音楽だったと思います
映画の内容は、後半のマッドサイエンティスト・パート(勝手に名付けましたが
)が、
いまいち乗り切れなかったので、全体としては評価しにくいですが、
前半部分の内容や、役者の良さ、映像・音楽のテイストなどの雰囲気の良さ、という点では、
結構よい映画だったと思います