カラス

カラスと共に生き物の世界を覗き見る

撤去

2006-06-12 20:04:20 | 繁殖

 今日は朝から憂鬱だった。何故かというと、ブトの巣が撤去されるからだった。想像しただけで可愛そうという気持ちと何の罪もないカラスが人の理解不足によって犠牲になるからだ。

 今朝公園へ行くとこのブトは至って落ち着いていた。昨日までの興奮は何処へ行ったのやら?という感じで、このままだったら落とす必要は全くないと感じてしまった。巣に残っている雛の事が気掛かりで、巣の撤去の際に雛を殺さないでそのまま巣立たせてはもらえないだろうか?と考えていた。

 そう思い巣を見てみると、何と残りの雛が巣立っているではないか!!良かった、本当に良かった。ブトも何かを感じ取っていたのかも知れない。これで巣には雛がいない筈である。

 さて、昨日までいた雛は何処へ?と思い探していたら、雛の羽が落ちているではないか!!それも自然に抜けたものではなく、鋭い切り口でバラバラになっている羽が・・・・・。そう、このような事をやってのけるのはオオタカしかいない。可愛そうに・・・・・雛は多分オオタカに捕食されてしまったのだろう。毎年巣立ちの時期には何羽かの雛がオオタカに捕食される。これも自然の摂理である。

 巣の撤去業者が来て巣を落とせるかどうか確認していた。私は内心「この場所では撤去は無理ですね」という言葉を期待していたのだが「撤去出来ますね」と言われてしまった。ガックリ・・・・・。

 結局巣の撤去は夕方に行われる事になった。一日中巣の撤去で業者も忙しいという事だった。一日に一体幾つの巣を撤去しているのだろうか??

 再び業者の人が来て早速撤去に取り掛かった。梯子を掛けて登り始めた途端に番がやって来て威嚇を始めた。今回は木が込み合っていたので業者の人が直接蹴られる事はなかった。威嚇しながら番の行動に変化があった。それはお互いに嘴で突き合い鳴き叫んでいたのである。まるで交尾をする前の行動のようだった。違う点は尾羽プリプリがなかった事だった。興奮が激しくなるとこのような行動に出るのだろうか?

 幸い巣には雛がいなかった事もあり、思っていたよりは親の興奮も激しくなかったのがせめてもの救いだった。このブトの番が枝を集めて何日も掛けて完成させた巣も落とされるのに要した時間は僅か10分足らずであった。本当にあっけなく巣はものの見事になくなってしまった。跡形もなく・・・・・。

 今回このような事になってしまい本当に残念なのだが、悲しんでばかりはいられない。明日以降このブトの行動に変化があるのか?ないのか?をしっかりと観察していかなければならない。明日以降も雛がいる事に変わりはないので、威嚇行動はなくならないだろう。発端を作ってしまった人物に対してはこれからも威嚇が続く事だろう。今日もこの人物が来た時だけは威嚇をしていたのだから・・・・・。

画像:ハシブトガラス(今日巣を撤去されてしまいました)

コメント (1)
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