森のなかまと楽しい10Holes

手のひらにすっぽり隠れてしまう小さい楽器10Holesについてボチボチと

SAROME BB3B-06

2011-08-17 12:28:10 | 道具

Sarome社の「BB3B-06 キャメルレザー/銀厚メッキ」です。既に廃盤のようですが流通在庫はあるようです。

風こそありますが今日も暑いですね。
家でやる仕事が子供達の宿題のように残っています。。

トリエンナーレの帰りがけにいつもとは違うコースを徘徊していました。このコースを徘徊するときは必ず立ち寄る女性ターゲットの雑貨屋さんに立ち寄り、森のなかまは喫煙具コーナを見るのであります。

もう、4年以上くらい前でしょうか。
当時からぬいぐるみのセレクトレベルが高く毎回苦渋の選択を強いられるお店です。

女性主体の雑貨店でライターを見るのはさほど珍しくないのですがガラスケースの中には一般的な電子ライター等は殆どなく、Prince Micro88Eの柄物を置くといった、ある種の方向性がはっきりした品揃えをしていました。
そのなかにSaromeのBB3Bがありました。とても小さいライターです。
当時はキャメル、ブラウン、スモークブラウン3色全てが魅力的に飾られていたかと思います。


さほど大きくないDolphinと比べてもこれだけの小ささです。

小さいものは大好きです(笑)。
でも、これは小さ過ぎて大してガスも入らないだろうし(実は一回のガス充填で通常の2倍の500回の着火回数を誇ります)、革巻きは使うのに気を使いそうだなぁ。と思いながら値段をみると。。

ひぃーっ!

という値段でした。当時はライターに3000円以上を出すなんて考えてもみませんでした。

しかしスクェアな形状でありながらも妙に「やんわり」とした落ち着きをもったBB3Bは記憶に残り、その後ネットで調べSarome社の存在を知りました。
そのためBB3Bは私にとってのSarome社の看板娘みたいな位置付けとなり、見かけるたびに気になる存在でした。
#看板娘に会いたくてお店に通うって男の子ならありますよね。

その後も、このお店に訪れるたびにガラスケースを覗きます。
ブラウン、スモークブラウンは既に既に売れてしまい、キャメルだけが一つ残っています。
こころなしか、見るたびに薄汚れていくようです。でも看板娘の位置付けは変わりません。


真鍮製でハンダ付けの後に厚い銀メッキが施されているようです。
Silver925製のものもありますが、絞り革のものは真鍮製のもののみのようでした。また国内では販売されなかったこんなモデルも海外にはあるんですね。

このお店はセレクトは良いのですが、商品自体の手入れはあまりされていなかったのか銀メッキがどんどん黒ずんでいきます。
下手に手入れをすると革部分まで黒ずみで汚してしまっていたかもしれませんね。


BB3Bの最大の特徴は「ライターを包む革は継ぎ目の無い絞り加工」であります。

濡らした革を押し型に入れて絞って加工。残った革はカットするというものです。
なので単に革巻きとは書きましたが、もうちょい手の混んだ事をやっているわけです。

確かに手に取ってみると銀メッキ独特の感触とサラリとしながらも柔らかみのある革の感触。本来あるであろうステッチや継ぎ目が無いのは不思議で心地よい手触りを醸し出します。

ある日このお店を訪れると喫煙具コーナーが殆ど無くなってしまい、ガラスケースも別な場所に移されていました。
BB3Bは温泉タマゴのように真っ黒で、チャームポイントの革も爪痕等が痛々しくなっていました。
これでは誰も買わないでしょう。。看板娘さんが。。ちょっと不憫な気がしてきます。


目立った傷はだいたい修復できましたが、所々のこっていますが。まぁ、そういう時もあったかもね、ということで。。

トリエンナーレの帰りに立ち寄ると、隣に置いてあるMicro88Eに半額の札がついていました。

「商品入れ替えのため半額」のポップがあります。

あれ?そうなの?BB3Bは?と見ると、やはり半額とのこと。
真っ黒になったせいか、誰も触りもしないのか傷跡は増えていないようです。

暫く考えます。。。

4年以上にわたって汚れていきながらも、その姿を楽しませてくれた看板娘さんが目の前で息も絶え絶えに叩き売られています。

手持ちが足りないので先ずはワイフに2千円を借りておきます。
お姉さんに声をかけて鍵を開けてもらいます。

初めて手にとるBB3Bです。
PSD12もそうでしたが重すぎない重さです。
革は乾ききっていますが割れてはいません。不思議な感触が僅かながら伝わってきます。
ケースからは分かりませんでしたがレバーに相当やっかいそうな擦れ傷があります。

「着火しても良いですか」
「どうぞ」

レバーをゆっくりとスライドします。

チッ、と小気味の良い音と共に何事もなく一発で着火。
指の力をゆるめると、カシャ、と元に戻ります。
Saromeが作るとスライド式もこうなのか。。

気に入りました。

もう一度考え直します。
半値とはいえ、こんな状態で購入するならちゃんとした在庫品の方がよいのでは?
でも「黒いの味があるよね」と買っていくんだけど「やっぱりみすぼらしい」と放り出されてしまう誰かに買われていくのか。。

「すみません。これお願いします」

ということで看板娘さんは私の所にやってきました。


2日に渡って溜め込んだ知識を元にレストアして元気になった看板娘さんです。

レストア前の状態を写真に撮っておいても良かったのですが、看板娘さんのつらい姿を残しておくのも何なのであります。


真鍮に銀メッキというとFablousですが、ここはシックにMarine Bandと一緒に撮ってみたくなりました。やっぱり小ちゃいなぁー。

4年以上なんとなく繰り返していた看板娘さんとの何気ない関係でしたが今回突然予定外の選択を迫られ、今は日常生活のなかにとけ込んでいます。

「煙草やめたら使わなくなっちゃうの?」
「回数は経るかもしれないけどカチンと火をつけるよ」
「温泉タマゴみたいに黒くなっちゃう?」
「ならない」
「じゃぁ、火つけてあげる」ボッ「ねぇ、なんだか手ベトベトしてない?」
「そんな事言ってると温泉タマゴにしちゃうよ。。」
「ひぃーっ」

つい妄想癖が出てしまいました(笑)。


いつも使っているブッテーロという革の煙草ケースとパチリ。偶然にもこのケースも傷モノ半値で購入した経緯があります。

私を知る人からは「そのケースなんだか渋くて合わないんじゃない?」とか言われますが、これも何かの縁なのでしょう。

まだ日は浅いのですが、随分と長い月日を一緒に過ごしたような気がするライターです。
他のライターと共に末永く使いたいと思います。

それでは!

P.S.
Dolphinの続きって大きさ比較だけのため?
うーん。Dolphinの掃除も紹介したかったし、スライド式ということでBB3Bを後に持って来たかったし。。
実は夏休み中にちょっとした事がおきてしまったのです。

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2 コメント

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かっこいいですね! (昭和楽器)
2011-08-22 17:15:42
PrinceのDolphinといい、これといい、センスを
感じます!

私はいつもZippoを使っているせいか、横の形というのが
とても新鮮ですね!

確かにタバコが高くなっているので、100円ライターで点けるのは何か味気ないですよね(笑)

やっぱりライターはこだわりたいもんです!


P.S.
ライター見つかって本当によかったですね!
無いと分かった時の心境よくわかりますよ。
私もたまにやります(笑)
お互い気を付けましょう(笑)
返信する
いわれてみれば (森のなかま)
2011-08-22 21:17:02
そういえば、両方とも横長ですね。スライド式という事もあるんですが、ワンアクションでレバー等の機構を組むとスペースを喰うのか横長が多いのでしょうね。
オイルライターでもPenguinやMarvelなども横長。。でもIMCOは違いました。

時計程複雑でもないですが、幾つかの可動箇所を立派な機械なんですよね。
ねじ伏せても良いし、互いを探り合いながら折り合いをつけるも良しと。。

そんなものが手のひらに収まってしまい連れ添えると思える人は、なんだかんだ理由を付けて好きになっちゃうんでしょうね(笑)。

なので、本当に見つかって良かったです。見つけてくれた方、管理してくれた方に感謝なのであります。

お互い気をつけましょうね~。
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