水瓶

ファンタジーや日々のこと

バラードとレム

2016-08-22 20:47:24 | 雑記
近所の川を見に行きたくて、うずうずする気持ちを抑えて台風が通り過ぎるのを待つ午後。
土曜日の夜には鶴見川の花火大会を見て、オリンピックも閉会式。夏も終わりですね。というかもう終わってくれい。

Amazonのおすすめで、ほーと思って読んだJ・G・バラード「ハイ・ライズ」
冒頭の一行で「・・・え?は???」となってぐんぐん読み進めたぐらい、アクセルの効いた謎めいた出だし。くっそう。
スピルパーグの映画「太陽の帝国」の原作者のイギリス人です。日本軍の捕虜になってたことがあるんですね。
バラードは短編集一冊読んだぐらいで、もっと読みづらい文章の人のイメージがあったけれど、これはスラスラ読みやすかった。
結末は大体予想できるけど読みたいと思う小説(大体ハッピーエンド)と、
結末がまったく読めなくて気になって読んでしまう小説(ハッピーエンドなのかそうじゃないのか判別しがたいことが多い)があるけれど、
「ハイ・ライズ」はまさに後者。
いったいこれは笑うべきなのか?冗談じゃなく真剣に受け取るべきなのか?などと迷いながら読み進めている内に、
ぐんぐん引き込まれてしまいました。こういうのをストーリーテラーというんでしょうか。しかし一筋縄じゃいかないよ!
感情移入しないで読める、というか登場人物誰にも感情移入できない感じで、こういう小説がむしょうに読みたくなる時があります。
しかし、たとえば感情移入を促されやすい小説で感情移入してしまう人物って、別に自分に似てるわけじゃなくて、
むしろよくよく考えると正反対の性格をしていたり、逆に感情移入できない、したくないような、
ろくでもない人物が本当は自分と似てたりするのかも知れないとバラード読んでて思いました。いやですにゃー。



もう一冊、SFづいて続けて読んだのは、スタニスワフ・レム「泰平ヨンの未来学会議」。「惑星ソラリス」で有名な人です。
ソラリスはリメイク版の方の映画と小説とを読んだことがあって、シリアスでなんとも哀しい話だったけれど、
泰平ヨンはまるっきり違う印象なのでおどろいた。こんなハチャメチャなのも書く人だったのか。。。
これもやっぱり感情移入ほとんどせず(ということはつまり気楽に、野次馬根性で)読めました。
そうか、でも、文章のスタイルは全然違うけど、アイデア自体はソラリスと通じるものがあるかも。
レムはポーランドの人で、東欧の小説で私が読んだのはわずかにすぎないけれど、
SFが面白くて、怪奇小説はあんまり怖くないイメージが東欧にはあるんですよね。
たしかロボットのアイデアを発明したチャペックもチェコの人だったか。
たぶん、怪談とか幽霊のようなものを怖がれるのは、ある程度恵まれた環境にあるんだろうなと。
かつての東欧は、怪奇小説よりもSFに優れたものが出るような、そんな状況にあったんじゃないかと思います。今はどうだろう。



上の二作品に共通するのは、どっちも最近になって映画化されたことで、バラードはKindleで出てるのは今のところ「ハイ・ライズ」だけ。
レムはけっこういっぱい書いてるみたいだけれど、日本で出てるのは「ソラリス」と「泰平ヨンの未来学会議」の二つだけ。
多分上に上げた二作品は、映画化されなければ日本では出なかったんじゃないかな。
どちらも書かれたのは1970年代。なんで今映画化されたんだろうと考えると、「ハイ・ライズ」は時流的になんかわかる気がするし、
「泰平ヨンの未来学会議」は、うーん、、、これはけっこう普遍的な不安かも知れないです。

写真は、みなとみらいのランドマークプラザとクイーンズスクエアの間にある、青空映えのする巨大オブジェで、
調べたら正式名称は『モクモク・ワクワク・ヨコハマ・ヨーヨー』というんだそうです。SFっぽいなと思って。
ジェットコースターみたいと思ってたけど、なるほど、ヨーヨーかあ。

大ゴジラ特撮王国

2016-08-18 13:15:25 | 雑記
ゴボオォォォ…!

横浜の街がやられています。わあーたすけてー!

昨日はランドマークでやっている大ゴジラ特撮王国YOKOHAMAに行って来ました。
しかもなんと昨日が初日だったんですね。夕方近く行った頃にはそれほど混んでもいなかったので、
始まったばっかだからまだあんまり知られてないのかねーとか言ってたら、
すでに沢山の人が来たオープニングセレモニーが終わった後だったようです。
物販コーナーでからっぽの棚がいくつかあったので、初日だからまだ搬入されてない品物でもあるのかなと思ってたら、
もう売り切れていたらしい。。。すごいね。。。


マンダという怪獣と、それにぐるぐる巻きにされているのは海底軍艦 新・轟天号というらしいです。
ジオラマは撮影OKとのことで、これはうれしい!さすが、絵になる形になってるんですよね。
ちなみに撮影禁止コーナーには、初代ゴジラに出て来たオキシジェンデストロイヤーなどがありました。ああ、あれだ…!

きっと映画シン・ゴジラの勢いを借りた感じの、しょぼい展示なんじゃないかなどと、
うっすら疑いを抱きながら来てみたような感じだったんですが、そんな疑いをくつがえすド迫力のジオラマ!
覗き込むような、ガラスケースに入った小さいジオラマだと思ってたら、どの怪獣も人間大ぐらいあって、
来てよかったねとなりました。ほんとにすごい作り込み。


沖縄の守護神の怪獣・キングシーサー。


こちらはバラゴンvsゴジラ。この二体が対決したのは箱根の大湧谷らしいです。名所旧跡は逃さないぜ!


初代ゴジラが最初の島に出現した時、巨大な顔が山の上からのぞくシーン、怖かったんですよね。。。


バラゴン。ちょっとコアラとかスティッチに似てて、なかなかかわいらしいです。


海から浮上するゴジラ。よっこらしょ、と。ざばー。


圧巻のキングギドラはカイザーギドラというらしいです。ゴジラ以外の怪獣も映画によって色々バリエーションがあるんですね。


うーん、これはかっこいい。。。ヤマタノオロチがモデルかな?






冒頭の写真と同じジオラマ。回りはボロボロなのにランドマークタワーだけ無傷なのは会場だからかしら。。。


上空から攻めるモスラ。正直モスラとかキングギドラとか、どういった関係にあるのかよくわからない。。。
しかしモスラ、かなり初期からいる怪獣なのになぜ蛾・・?という疑問がありましたが、
wikiを見るとモデルがヤママユガとあって、あっ蚕なのか、、、となんとなく納得しました。
やっぱ蚕の蛾は特別なんじゃろ。



パンフレットに「ゴジラ 破壊と激闘の歴史」というページがあって、都道府県でのゴジラの活躍(?)が書いてあるんですが、
けっこうあちこちに行ってるんですよね。
ランドマーク的なものを目の敵にしているようで、天守閣とかは特に狙われやすいようです。
名古屋では石垣につまづいて頭をぶつけて、怒りに任せて天守閣を破壊したそうです。
それ自分がドジなんじゃん。。とはいえ気持ちはよくわかります。行動原理が八つ当たり。


そしてこちらが新ゴジラのシン・ゴジラ。


けっこう重要な器官らしい背中のヒレ、初代からこの形だけど、雪の結晶に似てますよね。


なんと重々しくも威厳のあるしっぽ。。ていうか最後のシーンが気になってしょうがないんだけど。。


ティラノザウルスとかだとあの手というか小さい前足は、ひらが下向いてるんだけれど、シン・ゴジラは大体上向いてますよね。
昔、ティラノザウルスのあの鋭い鉤爪のある貧弱な前足は何のためにあるのかという疑問に対して、
つまようじのように歯にはさまった食いかすを取り除くためだという珍説を何かで読んだことがあったんですが、
ゴジラは肉食じゃないですしね。。。退化の途中とかかしら。

ちなみにその説では、巨大肉食恐竜は歯がダメになったら即命に関わるからと力説していました。
たしかに肉食獣でなくても歯のお手入れは大事ですね。


こちらは小さめのシン・ゴジラ。


エイリアンっぽいグロいしっぽの先。うーむ………このしっぽから、一体何が始まろうとしていたのか。
しっぽに始まりしっぽに終わる。


有名なイラストレーターの方が描いた、ゴジラ対エヴァンゲリオンの絵のようです。んー、こういうタッチにもよく映える!


会場ではこういう飛び出す感じの絵を背景に撮影できるようになっていました。もちろん撮りましたよ!


新旧メカゴジラの頭部。鼻の穴からなんか出る武器になっていたのか。。。


これ、釈由美子が機龍隊の制服で着てて、なかなかかっこよかったんですよ。


メカゴジラ全身。どーん。


わりと初期に近いゴジラなんですが、まぶたにハイライトが入ってるせいか。白髪眉毛っぽくておじいちゃんぽい。


つぶらなゴジラ。目の違いは大きいですね。シン・ゴジラのくまもんみたいなアレ。。。



大ゴジラ特撮王国YOKOHAMAは、ランドマークプラザ5階で9月4日までだそうです。

パンフレットに、初代ゴジラで俳優として初めて主役に選ばれた宝田明さんが、
撮影初日に「主役の宝田明と申します」とあいさつして、「馬鹿野郎、主役はゴジラだ!」と怒鳴られたというエピソードがありました。
宝田さんにはかわいそうな話だけど、どれだけゴジラが大切にされていたのがわかりますね。箱入りゴジラ。
これからも元気に暴れてね。にゃらら にゃらら にゃらららららららら♪ ゴボォォォォ!

さよなら裸電球「シン・ゴジラ」

2016-08-16 11:47:24 | 雑記
エンドロールの「野村萬斎」のテロップで、もののけ姫以降もう一作映画館に足を運んでいたのを思い出したシン・ゴジラ。
そうだそうだ、「陰陽師」も見に行ったんだっけ。
というわけで話題の「シン・ゴジラ」、見に行って来ました。

おおおおもしろーい!!!

最近ゴジラの旧作をいっぱいテレビでやっていて、最初のゴジラの他にも、ヒロインが沢口靖子と釈由美子と新山千春のを見たけれど、
どれもけっこう面白かったんですよね。それでいきおい拍車もかかって、映画館に行こう!となりました。
沢口靖子のゴジラは目がかわいくて愛敬があり、釈由美子のゴジラもなかなか悲哀あり、新山千春のはけっこう悪いゴジラと、
作品ごとにゴジラから受ける印象も少しずつ違うんだけれど、「シン・ゴジラ」は

きもちわるいゴジラ。

最初に登場したゴジラの衝撃的な気持ち悪さ。なんだこの気持ち悪さは。。。でも気持ち悪いけどもっと見たい…!!
それでもやっぱり最後にやられてしまう所は悲しかったんですよね。なんというふしぎなゴジラの魅力か。

トレーラーの印象では、もっと深刻な、重々しい感じなのかなと思ってたら、テンポよく、
ていうかセリフが早口のうえにおそらくふだんの会話ではめったに使われないような難しい言葉が多く、
聞き取れないし意味もわからない所が多かったんですけれど、別にそれ全部理解できなくても十分楽しめてしまうもんなんですね。
なんとなく流れさえつかめれば。っていうか大まかな流れはつかめる感じで作ってるのかな?どうやってるのか知らないけど。
近くにいた小学生ぐらいの子も飽きずに見てたようなので、そういう雰囲気は伝わってたのではないでしょうか。

そういえば十何年ぶりで映画館に行ったら、観客のマナーがすごい良くなってたのにびっくりしました。
途中で立ち上がったりする人もいないし、ポップコーンとかも売ってて持って入った人は多かったのに、
食べる音とかぜんぜん聞こえないし、もちろん話し声もないし。映画が面白かったせいもあるかも知れないけど。
あと、書かれてあった開演時間から実際に映画が始まるまでかなりCMが多く、またそれが映画の予告編とかじゃなくて、
ふつうのテレビでやってるようなCMが多くてつまらないので、いつ始まるんだろうとじれてたら、
近くからボソッと「CM長いな…」というつぶやきが聞こえてきたので、
長いこと映画館に足を運んでなかった人が他にもけっこういたのかも知れません。



で、色んな解釈とかあると思うんですけれど、それには触れないことにしまして、このブログでは私が気に入った所についてちょっと。
「シン・ゴジラ」には、けっこう笑っちゃう所が多かったんですが、その感じがトレーラーではわからなかったものだから、意外な驚きでした。
映画をそんなに沢山見てるわけじゃないけれど、邦画に対して私が持ってる印象って、言葉がすごく悪くなってしまいますが、
「クソまじめで辛気くさくて貧乏くさい。照明も暗い。」なんですよね。。。昔の裸電球のようなイメージ。
でも「シン・ゴジラ」にはそういう感じがなかった・・・!
それがどこから来てるかというと、一つにはユーモアの感覚からじゃないかと。
ユーモアの感覚って、もうひと味とか隠し味的なスパイスとか、あるといいよねみたいな付け足しのように思われがちだけど、
もっとずっと根幹の所ですごく大事なものなんじゃないかと、シン・ゴジラを見てあらためて思いました。
といっても、ユーモアそのものが根っこというわけではなくて、多分、創作の中心になるアイデアと同じ所からユーモアも出て来る。

どうしても日本では笑いって低く軽く見られがちと思うんですけれど(今はでも少し変わって来てる?)、
もちろん年がら年中、強迫的に面白いこと言ったりやったりする必要はないんだけれど、
かつてとてもすぐれたユーモア感覚を持っていた人が、ユーモアを楽しむ余裕を失ってしまった姿を見るのはすごく悲しい。。
べったりはりついてしまった何かから、べりっとひきはがしてくれる力を持っているのが笑いとかユーモアで、
執着的に物事を見るようになってしまった時にこそ効果的な、特効薬のようなものだと思うんですよね。
私はそれに何度助けられたかわからない。。でもそれを失わずに生き続けるのは、あんがい難しいことなんだと。
大して大事なものじゃない、失ってもかまわないものだと思うなら、なおのことなくしてしまいやすいんだと思います。
それで「シン・ゴジラ」にも同じように、ユーモアを大切に思う感覚が感じられたので、
中だるみもなく楽しんで見られました。あれがずっとまじめ一本槍のシリアス超大作だったら息がつまってしまう。。
その場の会話で発揮するような、当意即妙のユーモアも難しいと思うけれど、
作品中に意図してユーモラスな場面をつくり上げるのには、また別の難しさがあるんじゃないかと思います。
用意周到に準備して作り手の意図どおりに笑わせるって、すごく難しいよね。



うーん、「シン・ゴジラ」、DVDも欲しいなあ。その際日本語のセリフもテロップが出るよう選べるといいんだけど。
序盤の方、ゴジラが現れて大きな被害が出た現場で、中継してるアナウンサーの後ろを宅配ピザらしきバイクが通り過ぎてて泣き笑い。
なんてリアル。。。

谷根千さんぽ・根津教会

2016-08-14 12:10:56 | 東京の町
火曜日のおっそろしい暑さから、いったんは少し大人しくなったように見える夏。。
今年のお盆休みも旅行に行きたかったけれど、各地でがニュースになったりしていて、
いつも微妙に熊が出そうな所を好んで行ってたりしたもんだから、どこにしようか迷ってる内に一ヶ月を切ってしまい、
あーもう今年はいいや、とあきらめました。。
体調くずさないようにしなきゃとか、電車に遅れないようにしなきゃとかの緊張感もなく、
気が楽といえば楽ですが、やっぱりちょっとさびしいですね。

そんなわけで旅行の予定を入れなかった今年のお盆休み。
昨日は日帰り江戸の旅ということで、谷根千をおさんぽしてきました。
谷中・根津・千駄木辺りを総称して今はそういうんですね。そうそう、千駄ヶ谷じゃなくて千駄木!
かつての江戸も、きつねにたぬき、カワウソカッパは出たものの、さすがに熊は出なかったようです。


実はいきなりガイドマップの地図を読み間違えて出くわしたのがこちらの「はん亭」
明治時代に建てられたそうです。


これだけの木造を料理屋さん現役で維持するのは大変だろなあ。


小腹が空いていたので、近くのそば屋できりりと冷えたもりそばを頂きました。
店内に飾ってあった石臼っぽいこれは、そばをひいて粉にする機械でしょうか。


そばを食べ終わり、地図をまちがえたまま行った先にはこんな物が。旧都電の停留場・池之端七軒町があった所なんだそうです。


まだまだまちがえたまま歩いています。なんかこの辺盆栽協会とか盆栽クラブとかありました。んー、っぽいですねえ。。

・・・が、このあと、不忍通りに出てから道をまちがえていたことに気づき、
予定していた大名時計博物館には間に合いそうにないとがっくり肩を落とします。。。
森のなかまに「また来ればいいんだから」となぐさめられ、ガイドマップを取り上げられてしまいました。

谷根千の地図は難易度高いです。方向音痴および地図を読むのに自信のない方は、
方位磁石を持ってゆくことをおすすめします。


しかもどの方向へ行っても、魅惑的な坂や小径や建物があったりするので、気を取られてなかなか間違いに気づかなかった。。。
それも楽しいっちゃ楽しいんだけれど、時間・体力に限りのある方は要注意なり。


気持ちを立て直した小さな公園にいたラッコらしき何か。

さて、根津駅方面に戻ってしきり直し、冒頭写真の風景にたどり着きます。


大正時代に建てられた木造の根津教会。この通りになじんで、こじんまりしたかわいらしい建物なんです。
なんとなく、横浜の旧山手68番館に似てるんですよね。


前の通りでキャッチボールをする親子。のんびりした下町の午後。いいなあ。

雲少々、そんなに暑くならずによかったなあという感じの日和でした。
このあと何回かに分けて、谷根千おさんぽの記事をアップしてゆく予定です。
これがほんとに良かったんですよ。なかなかこの辺り独特の風景は、他では見られない感じ。
それにしても大名時計博物館、行ってみたかったなあ。。

力士と祭りと隅田川・両国

2016-08-07 18:13:31 | 東京の町
どすこーい!ごっつぁんです!

ぎゅうぎゅうのおすもうさん。うーむ。暑苦しいですか。

昨日は大江戸博物館で開催中の大妖怪展に行って来ました。
大江戸博物館、私はずいぶん久しぶりの二度目、森のなかまは初めて。
でもまずはとにかく何より暑かったですね。。。
美容院の若い子は、「やっとほんとに夏らしくなってきましたね!」と目を輝かせてうれしそうでしたが、
もうつらいよこたえるしんどいよ〜〜〜


両国は駅からして違います。トイレのドア一つ一つにもお相撲さんの絵が飾ってありました。
杉浦日向子さんのエッセイによれば、江戸時代にモテた三大職業といえば、力士に火消し、そして与力だそうです。


火の見櫓のようです。駅の国技館側は、わりと広々としていました。


国技館。冒頭写真はこの壁画です。今は場所中ではないようです。

この後、ガイドマップにあった旧安田庭園へ向かいます。
暑くなることはわかっていたので、あまり距離を歩かないですむコースを設定したんですが、、、


安田庭園は納涼の夕べイベントをやっているようですが、この時はまだ準備中でした。
あ〜、お琴!うちの祖母(父方も母方も)もやってました。明治大正生まれの女の人は、琴を習ってる人多かったんですよね。
今はすっかり聞かなくなりましたが、それっぽい憧れの対象が、ピアノに変わったのかも知れない。


この安田庭園、庭園とかくわしくない私や森のなかまでも思わず目をひくような、巨岩・奇岩が沢山ありました。
この岩は穴から向こうがのぞけますね。


安田庭園は浜離宮庭園などと同じく、隅田川の水を引く潮入り回遊式庭園だそうで、潮の干満による眺めの変化を楽しんだそうです。
面白いこと考えますね。今は隅田川の水は止められていて、ポンプで潮の様子を再現しているそうです。
私が見た昼間は水量の少ない時間帯だったようです。カメがいっぱいいた。


急流の浅瀬で見かけるような岩。

室町時代の文化のスポンサー的な役割を果たした足利義政将軍は、庭で有名なお寺に庭造りの名人を見学にやって、
そこにある岩とかを徴発して自分の庭に置かせちゃうんで、大変評判が悪かったそうです。
こんな巨大な岩を山奥とかから運ぶのは手間も人手もかかって大変だったろうから、そりゃあ腹立つわ。。。


提灯が楽しい!が、影が濃い。。緑と池があるのでいくらか涼しいけど、日向は暑くてたまらんかった。。。


ここで納涼の集まりするのかな?


安田庭園を出てすぐはす向かいに、大木のある公園があって涼しそうと思って入ってみたら、ここは横網町公園といって、
関東大震災と東京大空襲で亡くなった方たちのご遺骨を納めた慰霊塔なんだそうです。築地本願寺と同じ方が設計したそうです。

塔の中には関東大震災と東京大空襲の写真が展示されていて、お線香を上げて来ました。
しかし、そうとは知らないで来ちゃったもんだから、一気に重いテンションになってしまった。。
でも、ちょうど広島の原爆の日でもあったし、これも何かの巡り合わせと思って復興記念館も見て来ました。



ここに慰霊塔が建立された理由は、関東大震災の前には陸軍被服廠があって、そこが移転したあと、
公園予定地として広い空き地になっていたんだそうです。
なので、震災が起きた時、火災から逃れる人たちがここに誘導されて避難してきたけれど、
人が集まりすぎて身動きが取れない上に、持ち運んで来た家財道具などにも火がまわって大火災となってしまい、
三万八千人もの方が亡くなって、白骨の山ができたそうです。
ここが関東大震災で一番死者が多く出た、大惨事の場所だったんですね。


・・・・・


でも、そういった場所のすぐ近くに、生命力の権化みたいな大相撲の国技館があるっていうのは、
なんとなくいいような気がしますね。


この写真は慰霊碑で、下に水をためた池があるのは、火災で亡くなった死者のためのようです。

復興記念館に、揺れの直後の銀座の写真があったんですが、意外にも大通りの建物は崩れ落ちておらず、
人々が通りの真ん中に出て、なんとなく不安そうにひとかたまりになって、街を見回している様子でした。
その後の火災でその辺りも焼けてしまうんだそうで、直接の揺れよりも、火災で被害の規模が大きくなったことがわかります。

今は、当時よりは建物の耐震性も上がり、火災も大規模にはなりにくくなっているとは思うけれど、
やっぱり地震も火事も、戦争も、本当に怖い。。起きないといいんだけどなあ。起きませんように。

公園内は大木や木が多いので、ミンミンゼミが騒がしく鳴いていましたが、カナカナのようなさびしい音でもないのに、
ミンミンゼミの声にも何かさびしさを感じるのは、この時期にいたましい記念日が重なってるせいかも知れない。


さて、気を持ち直して、この日一番の目的であった大江戸博物館での大妖怪展!

・・・のはずだったんですが、展示物は良かったんだけれど、なにしろ混みすぎてて、、、
並んだらすごい時間かかる上になんか落ち着いて見られないし、後ろからひょいとのぞくにも見づらい展示だったので、
途中であきらめ、さーっと流し見して常設展の方へ向かいました。伊藤若冲展とかいったいどんなだったんだ。。。
まあでも、美術館博物館に人がいっぱい来るのはいいことですよね。

常設展もそれなりに人はいましたが、活気があるという感じで、楽しく見られました。
ちょうど私は第二次か第三次の江戸ブームで、こっちも妖怪に負けないぐらいに見たかったのだ。
でもここ、かなりボリュームのある展示内容と量で、ちゃんと見るとかなり見応えがあるので、
一度に見るのはなかなかしんどいかも知れない。
外国からの人が東西問わずすごく多くて、纏(まとい:火事の時にじゃんじゃん振るやつ)を持ち上げたり、
駕篭に乗って写真を撮ったりと、とても楽しんでたようです。でもこれ、日本人だって楽しいよね。
常設展については、その内江戸の話で記事にするかも。


博物館を見たあとはお腹も空き果てて、よろよろと両国駅の国技館とは反対側に回って(飲食店はそっちに多い)、
夕ご飯を食べるお店を探します。おすもうさんの聖地だもん、きっとおいしいお店いっぱいあるよね〜〜と楽観していたら、
あれ?お休みのお店多いぞ・・?と思ったら、今日は両国の盆踊りのお祭りで、バスの運行も休みになるぐらい。
ひいどうしよう、と裏道をのぞきますが、看板やのぼりは軒並み

ちゃんこちゃんこ、ちゃんこ。

・・・ええと、ちゃんこも食べたいとは思ってたんだけど、さすがにその、この日は全国で猛暑日を観測した地点が一番多かったそうで、
なんか湯気のたつあつあつのちゃんこ鍋を思い浮かべるだけで体温上がりそうで、えー冬にまた来るね。。。

で、「ふくの鳥」という居酒屋風のお店を見つけて入ります。これが当たりで、なんか暑さでくたびれきってたのが、
食べたり飲んだりしてる内に、みるみる回復してゆくのを感じたのですよ・・・!
これはいったい鶏肉のせいなのかビールのせいなのか、
それともお店の人が食前サービスで出してくれたヘパリーゼの栄養ドリンクのせいなのか。。
タルタルチキン南蛮と鶏スープかけご飯が特においしかった。今まで食べた中で一番おいしいチキン南蛮じゃったのう、あれは。


バス停にはバスでなく親子がとまっています。お祭りが始まるのを待ち構える人で混んできました。
おすもうさんも来ないかしら、と待ってたけど見当たらなかった。。

少し元気も回復したので、お祭りもちょっと見てみたかったけど、酔いざましに川沿いを散歩しようということに。


神輿庫とあります。さすが両国。これからここからおみこしが出動するのかな?




右手は中央総武線の線路、先には鉄橋。川近いせいか風が涼しく。 


隅田川に沿って高速が走る下は、広々とした遊歩道になっていて、ジョギングしてる人がけっこういました。


行き交う電車。夕暮れの空に、橋と電車のシルエットがきれいだなあ。。


相撲の技のレリーフ。相撲ホラーといえば「走る取的」。けっしておすもうさんをバカにしてはいけませんよ。


両国橋を渡ります。


両国橋からの眺め。隅田川って、夕暮れどきが一番美しいんじゃないかと思う。。

そして、この写真の真ん中左寄りに見える緑色にライトアップされた橋を目指そうとなります。


神田川にかかる柳橋。ちょうど神田川が隅田川に合流する所なんですね。


船がいっぱい停泊しています。




こんな風に川に突き出た小さな船宿がいっぱい並んでるんです。隅田川の屋形船はこの辺りがメッカなのかな。


柳橋の名前の由来と思われる柳の木。でも幽霊が出そうな雰囲気ではないようです。


小さな船宿の灯りがいい雰囲気。


浅草橋の駅へ向かう途中で見かけた小さなお稲荷さん。きれいに手入れされていました。


たい焼きがおいしそうだったんだけど、いかんせんお腹いっぱい。げっぷ。

帰りの電車に乗る前に、ドトールでコーヒー。家で飲むようの豆もひいてもらいます。
オリンピックも始まったね、ということでブラジール。
あまりメダルに絡まないけど、あっ、この国の人形、横浜人形の家で見た!っていう国の入場行進見るのは楽しかった。
レソトとかバルバドスとか、どんな人形だったかけっこう覚えてるもんだなあ。
モーリシャスの女性選手、旗手からして思わず目を引くようなモデルみたいな美人しかいなかったけど、どういうこった。

そういえば、江戸の庶民イメージってブラジルみたいなラテンぽいノリなのに、
明治に入ると庶民イメージが、しかつめらしい、まじ〜めな感じになっちゃうの、なぜなんでしょうね。
北斎漫画とか見ると、何かといっちゃあすぐ踊り出したりするような、てやんでえな伝法?な感じなのに、
なんか明治以降、ガラッと変わっちゃうんですよね。きゅうくつな感じに。
岡本綺堂のエッセイに、明治維新からの変化についていけず、なんとなく世間から外れて、
孤独に病んでいってしまう江戸っ子を描いた「ゆず湯」という話があって、すごく悲しかったんですよ。。
そういうことは、いつの時代にもあるんだろうけど、特に大きな変わり目には、かなり若い年齢の人にもそれが起きるんだと。
自分だって、そんなに器用に自在にアップトゥデイトできる感じじゃないしね。。はあ。

・・・とまあ、しょんぼり考え込むこともあった一日でしたが、楽しかった。また来よう、両国。
そして今度こそちゃんこを食べよう。ビバちゃんこ!ビバどすこーい!