本日紹介するライトは震災以来初めて購入したフラッシュライトです。
あの日以来関東以北では軒並み灯具や電池が売切れ状態、お店も大量の受発注業務で大忙しです。今現在も手頃な値段で名のあるものは手に入り難い状況です。
私の住む地区でも単1、2は無く、単3、4が入手しやすかったのです。
一方ボタン電池は超小型のキーリングライトで使用されることが多いLR41は結構売れてしまっていましたが、もう少しサイズの大きいLR44はそこそこ残っていました(地域や日によって違うのでしょうが)。
輪番停電のさなか森のなかまは必要な灯具はありましたので同僚には貸したり、あげたりしましたが、親戚は殆ど持っておらず「仏壇の蝋燭があるから大丈夫~」という返事ばかり。。
火災の恐れもあることからやきもきしていたので前々から自分で使ってみたいと思うライトを送りたいと思っていました。
Streamlight "Stylus Pro"
入手し易い単4電池で24ルーメン。ランタイムも7.5時間あり携帯し易いペン型です。
しかし梱包発送業務が立込んでいる事から受注業務をストップしていたり、物自体がないと困っていると「
大阪の愛人」ことプロツールさんにある事がわかりました。
後にメールで分かったのですが相当数の発注があり毎日遅くまで残業して対応されていたそうです。本当にありがたい事です。
おかげさまで無事ライトは届き親戚も喜んでくれました。森のなかまも一安心です。
その後停電は少なくなり活躍の場は少ないながらも、使えるものが手元にあるということは大きな安心に繋がります。
お礼のメールを出したとき昔東急ハンズでみかけたLR44を使用するPelican L1について質問をしたところ、書いてこそいませんが「きっちり、こうてや~」という行間が都合良く読みとれましたので別途自分用に購入した次第です。
PELICAN L1 は全長は7cmに満たないキーリングに分類される可愛らしいライトです。
眩しいくらいの蛍光イエローと黒のベゼル。赤いロゴが良いアクセントになっています。
カラーレンズが付属し白色以外に赤と緑の光にする事ができます。
そのまま使うと、今では若干青いかなと思う白色(キーチェーンライトでは一般的なようです)で、中心にやや強いスポットが出来る標準的な配光パターンです。
ボタン電池を使うキーチェーンライトにしてはずんぐりした感じですが、握り易く、樹脂製のおかげで軽く、とても扱い易いライトだと思います。
クリップも付いているのですが逆向きであれば軽さを活かして帽子の鍔につけてヘッドランプにもなるのですが、それはできないようです。残念。
でも、可愛いから良しとしましょう。
小柄にも関わらず10ルーメン近くもあるため、油断すると近距離では眩しすぎるくらいです。
L1パッケージ裏の説明です。
解説文は英語を訳したままなのか独特の読み応えがあります。
「鮫が噛んだり、熊または5歳未満の子供による破損」という下りは突っ込みどころが満載です!
ランタイムが130時間とありますが、初期照度(明るさ)のまま130時間ではないでしょうが、いずれにしても頼りになる長さです。
なお、説明に防水性の言葉が見えますが、このライトには防水性はなく防滴です。堅固で有名なPelicanケースの説明と共通なためではないかと思われます。
楽しい説明書ですが、ちゃんと読みましょう(パッケージ以外にも説明書がついています)。
ボディ側面に指が掛かるように「でっぱり」があります。これにより人差し指、中指で挟むいわゆる「注射器持ち」が簡単にできます。
ご存じない方もいらっしゃるかと思いますのでのっけから脱線します。
------------ 脱線中 ------------
お尻にスイッチがあるようなライトを点灯するとき大抵は親指以外の指でボディを握り、親指でスイッチをカチンと押すようになるかと思います(逆手)。
そのまま腕を曲げて目の高さまでライトをもっていくと自然と照射面が正面を向きます。
上方を照らすにはやや苦しいですが、暗がりを行動するうえで目線位置から下を照らすには実に直感的かつ合理的で利にかなっています。
と、ここまで書いてこの時点で既にマニアックということに気付きました。。
4本の指は懐中電灯を握っているのでスイッチを押し切るのは親指だけとなり思いのほか力がいるものです。
なので親指と人差し指の間に発光面がくるように握り(順手)、もう一方の手でスイッチを押す事が多いのではないのでしょうか。
順手の場合前方に照射するために腕を上げる必要はありません。手首を曲げる事で上下左右に自由に照らす事ができますね。
ただし、ライトをお腹より上に構えると手首だけでは向きをコントロールし難くなります。
特に下向きがキツくなり長時間この姿勢を強いられるのはかなりの苦痛となりますので自然と逆手に持ち変える事になるかと思います。
上方を照らすのが得意な持ち方と考えると良いでしょう。
#洞窟内で腹這いになりながら前方を照らすなど。。
一方注射器持ちは人差し指と中指でボディを挟み、親指、親指の付け根、または手の平でスイッチを押します。
どこでスイッチを押すかは握る箇所とスイッチまでの距離に応じて変わってきます。
基本的に指先方向に照射面が向いているため順手、逆手のように前方照射だけのために腕や手首を使う必要はありません。
挟んだ指を支点として親指でライトの向きをコントロールする事ができますので上下左右に照射面をスィープする場合は非常に有効な持ち方です。
難点はスイッチを点ける時に滑らないように親指だけではなく挟んだ指にも力を入れるので比較的力は入り易いものの、それなりに力は必要ですし、中指付けねに力が加わりちょっと痛いです。
しかし、これは予め注射器持ちしておき、もう一方の手でスイッチを入れる事で解決します。またお尻にスイッチが無い機種でも利用可能となります。
この注射器持ちの神髄は間欠点灯で発揮されます。
間欠点灯とは「スイッチを押している時だけ点灯し、放せば消灯する」というものです。
そして、間欠点灯しか出来ない専用スイッチを装備したライト達があります。
はい。そうです。
「点灯し続けるにはスイッチを押し続けなければなりません」
森のなかまは最初この仕様が信じられませんでした。
カチンと押し切ると常時点灯になるスイッチも軽く半押しすればチョイチョイと間欠点灯できます。
しかし、ちょっと力の加減を間違えると「カチン」とスイッチが入ってしまい。消灯するためにもう一回「カチン」と押さなければなりません。
日常生活では何ら問題がないと思われるのですが、これを嫌う世界があります。
銃器と共に使う
コンバットライトそれにあたるのではないでしょうか。
利き手で銃器を持ち、もう一方で注射器持ちしたライト銃身下にくるように構えます。
ターゲットを照らし(かつ夜目による視野を奪い)目的の行動を終えたら即時消灯する事で自分の位置を少しでも分かり難くするのです。
森のなかまとは縁遠い世界ではありますが、極度に緊張を強いられる事くらいは想像できます。
そんな時に力の加減で付きっぱなしになってしまうスイッチを装備していると余計な配慮をしなければなりません(単純で壊れ難い、誤動作しにくいという理由もありますね)。
「どんなに力をいれても、放せば必ず消灯する」ということが約束されているだけで使用者が得られる自由が多いシビアな世界ですから、両手操作を前提とした順手持ちはまずないのでしょう。
逆手についても手の平が水平になるように腕を構えれば前方照射できるかと思いますが、脇が開いてしまう事から確りと構えられなくなってしまうのではないかと思います。
そんな時に注射器持ちは少ない負担で利用者に大きな自由をもたらすのだと思われます。
しかし、コンバットライトのくびれたボディは独特な美しさがあります。
設計要件は別として是非とも手にしてみたいものです。
------------ 脱線終了 ------------
随分長々と脱線してしまいましたが、L1は高いストレスの下で使うようやライトでもありませんし、そのような性能は持ち合わせていません。
また、カチンと押し切れば点灯しっぱなしになるスイッチですが、ストロークや硬さも適度にあり間欠点灯し易く、注射器持ちもし易いライトであります。
キーチェーンサイズでありながらも多彩な持ち方が楽しめるのは特筆すべき事かと思います。
「押し感」もなかなか良いと思います。
ドライバー等を使わずともこんだけバラす事ができます。
楽しいですね。
左下のほうにある透明、赤、緑、オレンジの丸いものはレンズです。ただの色付きの板です。オレンジは森のなかまのオリジナルです。
このレンズを取替えると赤、緑色の光を発するライトになるのであります。
L1の購入動機としてLR44使用以外に赤色を発するライトを使ってみたいということもありました。
実際一晩つかってみましたが赤は夜目の保護にはなるのですが、赤以外の光の成分をカットするため極端に暗くなります。
あんなに可愛かったのに中身はイモ虫さんみたいな形状。。
ボタン電池を使うライトは電池を入れるのに結構イライラするのですが、これは比較的に簡単にセットできます。
なお、ケースからこの本体を出すとき最初はどうすれば良いのか凄く戸惑いました。
ベゼルを外して下向きにすればストンと落ちるのかと思ったのですが、スイッチの出っ張りがゴム製のスイッチカバーに摩擦で確りと接続されるため飛び出しません。
この時LEDを引っ張りたくなる衝動にかられますが、スイッチのゴムカバーを「これでもか!」と押し込むと具が出てきますのでご安心下さい。
砲弾型のLEDですね。基盤の後ろにはきちんと電流制限用の抵抗器が見えます(抵抗器が映っているのはイモ虫さんの方でした)。
逆に言えば昇圧回路等はないので電圧の低下とともにダラダラと暗くなっていくタイプです。
昇圧回路を組み込むと値段は一気に跳ね上がってしまいますのでキーチェーンタイプとしては妥当だと思います。
100均で売られているLEDライト等にはコストからこの抵抗器(10円以下ですが)がつけられていないものもあります。
電流を制限していないので新しい電池ではもの凄く明るく光りますが、LEDを著しく消耗し酷い時は焼き切れてしまう事もあるそうです。
しかし、L1はそう言う事はないようです。
では遊びましょう!
以前「
電球な週末」で紹介しました
LBAフィルターが残っています。
赤っぽい暖色が好きなので過激にもこれを2枚重ね、更に青成分を減じるために黄色のセロファンを色フィルターとして使ってみました。
またスポットを和らげるために、
Solitaireの光をディフューズした時のようにリフレクターにメンディングテープを貼ってみました。
写真のリフレクターは一度貼ったメンディングテープを剥がした時にアルミ蒸着面がはがれてしまったので妙な模様が出来てしまいました。
なので貼る時は一発で決められるよう幅広のテープを確り拡げて一気に貼りましょう。貼ってしまえば後は余分な所をハサミで切るだけです。
ちなみに、リフレクターに貼っておく事でどのカラーレンズを付けても拡散光を期待できます。
L1は最初からカラーレンズ交換が考えられているのでフィルターを組み込む機構を考える必要がありません。
また、リフレクター面にテープを貼ったので透明レンズとテープの間にリフレクタを挟むだけというお手軽さは「遊べ」と言われているも同然です。
左から白色、森のなかまオリジナル、付属緑、付属赤、参考として6PX(15ルーメンモード)+FM34となります。
いずれもメンディングテープによるディフューズがされていますのでL1の出荷状態そのものの配光では無いことをご了承下さい。
撮影条件は「
電球な週末」と同じで前回紹介したの
Eigerと同じです。
照射面積からカラーフィルターによる明るさの減衰がわかるかと思います。赤は本当に暗いです。
一方オリジナルはもっと暗くなるかと思いましたが緑と同程度くらいに押さえられています。
港やトンネルで使われている
低圧ナトリウム灯みたいな感じになったのではないでしょうか(自画自賛)。
フィラメント好きのマニアが低予算でアンバー色をこっそりと愉しむにはなかなかよい感じであります。
せっかくですから主光源にして写真を撮ってみました。
おーっ。なかなか渋いではありませんか。
暗いので ISO3200まで増感しています。
HeringのVintage Harpみたいな雰囲気になってしまいました。
カバーが光を直接反射せず、刻印がでるようにライトの位置を調整していたら、さらに暗くなってしまったのでISO6400まで増感しています。
デジカメですからホワイトバランスで調整すればいかようにも撮れるのですが。。雰囲気は伝わったでしょうか。。
フィルターを切って挟むだけという安易な方法ですが、組込んでしまえるので仕上がりは上々です。
L1はそこそこの明るさがある事からカラー化しても暗くて使えないこともありません(この辺りは個人差はあるかとおもいますが)。
可愛らしいルックスもさることながらL1は、様々な持ち方や、楽しい変更が簡単にできてしまうので、ちょっとした工夫の楽しさを体感するにはお奨めのライトであります。
おひとついかがですか?
P.S.
随分前から紹介するのを楽しみにしていたライトですが今回はある縛りの中で書いてみました。
はい。「(笑)無し縛り」です。
とても苦しかったです。。。
別に精神的に病んでいるとか自粛ではなく、最近「(笑)」に頼りすぎているかと思い一度は縛りのなかで書いてみようと思った次第です。
で、何か得るものはあったかというと今ひとつピンときていません(こことか入れたくなります)が何となく感じている事はあるのですが、上手く言葉になりません。
次回からは通常通りに戻るかと思いますが、もし今後キラリと光る「(笑)」が一つでもあれば、今日の成果ではないでしょうか。。。
それでは。