良いカウンセラー悪いカウンセラーブログ

海外メンタルヘルスニュース

スプーン一杯 8

2006年12月06日 | Weblog

Kittyが高校生になる前日の夜のことでした。またあの悪魔がやってきたのよ。さらに力をつけてね。過去に経験したことがないほどKittyの状態は悪くなりました。マッチ棒のような腕を振り回してこう叫び続けました。

「高校になんか行きたくない!皆は絶対こう言うに決まってる『おいKittyを見ろよ。あいつ夏休みの間にどんだけ太ったんだよ』笑いもの何かになりたくないの!!」

Kittyは再び食べることを拒絶しました…私たちはKittyをおだて、脅し、懇願して食べてもらうように努めました。だけど、何を言っても何をしても完全に無駄だったの。だから今までお世話になった医者やセラピスト全員に連絡を取りました。でも夜だから誰一人捕まえられなかったのでメッセージを残すだけでしたけどね。それからKittyにもう一度あの病院、そうあのチューブの病院に行くことを伝えたの。そう言っても実際本当にあの病院に連れて行けるか確信はありませんでしたよ。だって、Kittyはその時かなり体重が回復していましたから入院を認めてもらえる可能性は低いと自分でも思っていました。

混乱している私に精神科医から折り返し電話がきました。

「精神安定剤と飲ませて横にさせなさい。もし朝も何も食べなければ直ぐここにつれて来なさい」そういうアドバイスを頂きました。

その言葉を聞いたとき、少しだけ安心しました。でも瞬時に新しい不安が私を支配したのも確かです。

「新しい地獄の始まり」

Kittyを信じることや希望を持つことよりも絶望感に支配されていました。

だけど次の日何事もなかったようにKittyは朝食をとったの…そして普通に学校へ行き、驚いたことに友人を数人連れて帰宅しました。日課となっているミルクシェイクを友人の分も作って部屋に持っていったの。するとKittyがこう言ったの。

「皆知ってる?アイスクリームが一番カロリー高いのよ」

すると他の子が反応して

「何が一番カロリー低いのかしら?私おしりが大きくて嫌になっちゃう」

「私はウエストがね…」

女の子はダイエットの話好きですよね。私は口を挟んで「皆十分綺麗で健康的でいいじゃない」って言ったの。笑顔でね。でもすごい悲しかった。泣きたい位でしたよ。だって、皆が皆自分たちの体型や容姿を批判しているのよ。皆十分綺麗で健康的な体なのに…

メディアの影響はすごいですよね。それを見て彼女たちも過度のダイエットをしなければならない錯覚に陥ってしまっています。まさにKate Moss syndrome(ケイトモス症候群)ですよ。

--------------------------------------

ケイトモス-イギリス出身のモデル。拒食症や違法薬物依存の報道が絶えない。ちなみにKate Moss syndromeという言葉はありません。