加奈のdiary

ソプラノ歌手 根來加奈 の
ホームページ連動ブログです。

菜の花

2011年03月30日 | diary
先日のコンサートで私が歌った「おぼろ月夜」の歌。

♪菜の花畑に 入日薄れ~♪ という歌いだし。

霞たなびく春に、一面黄色く敷かれた菜の花畑の上に月が出る情景
を歌ったものです。


この菜の花は昭和30年頃までは、
日本のいたるところで菜種油用の農作物として栽培されていたそうです。


ところが、その菜の花が・・・
放射能を除去する効果があり、チェルノブイリでも植えられているって、
知ってました?…私は知りませんでした。

放射能汚染によって、死の大地となってしまったチェルノブイリに
絶望からの再生の象徴として、菜の花が植えられているらしいのです。


今、いろいろと問題が勃発している放射性物質・放射能汚染。
そんなの全然知らなくて25日に歌っていました。


破壊にも再生にも、
自然のもつ力は、すごいものなんだな、と思います。


でも・・・これを歌う度に
今回の事件(事件ですよね、原発は)を思い出すのは
ちょっと嫌だな・・・

だから早く、一日も早く解決策を見出して欲しいです。


♪さながらかすめる おぼろ月夜…♪

早く夜空に美しい月が臨めますように・・・

やっぱ音楽は良い!

2011年03月27日 | music
今日は、友人のコンサートを聴きに行きました。
「デュオ・リュタン」…チェンバロとフラウト・トラベルソ。
一緒に演奏させて頂いたことのあるご夫妻です。

実はご主人様のご出身が宮城県・・・・!(*0*)

ご親族やご友人は、命は大丈夫だったそうですが、
その確認は昨日やっと落ち着いたとのお話でした。

今日のコンサート開催を決断するにあたり、被災された友人達が
「コンサート自粛はヤメてくれ、是非コンサート開催して欲しい。
 自分達のせいで出来なくなったように思われたくない」
と言われたと聴いて、救われたような気がしました。

コンサート、
1曲目がバッハ平均律クラヴィーア集1番プレリュード。
これをチェンバロで。もうこれだけで涙がにじみ出て来ました。
なぜかな~。やっぱ「本物」の魅力ですよね~!

そこへ、おもむろにトラベルソで、
グノーが書いたアヴェ・マリアの旋律が入ってきて・・・

やはりなじみのある曲、というのは大きかったと思いますし、
地震被災者のお話などを伺ったあと、というのもあったのでしょうが、
でもでも、とても素晴らしい演奏で・・・やっぱり涙がにじんで・・・
と思ったら、やはりあちこちで鼻水をすする音が・・・!
ですよね~・・・もう、最初からガツンとノックアウト。やられたぁ~!

その後、当たり前ですがバロック時代の曲が続けて演奏されましたが、
古いとか全然思わなかった。

デュオ・リュタンと共演させて頂いてからかなりの年月が過ぎましたが、
その間、私も成長?(衰退じゃなきゃ良いけど・笑)して
聴こえ方が変わった事もあるでしょうが、
お2人の演奏も変化(進歩)されたと思いました。
そこに月日の経過を感じ、かつ、豊かな音楽のあり方を今一度思い起こしました。

邪魔なものは削ぎ落とされ、大事なものがあらわになり、
シンプルで豊かな音楽が上品に、かつ 程よく、提示されてくる。
まさに理想です!

トラベルソが歌っている!まさに本当に歌を聴いているようでした。
「音楽の実」を自由に揺り動かして楽しんでいる、そんな風に感じられ、
とっても気持ちが良かった!
夫婦の呼吸、それも大きいかな。

チェンバロ・ソロ、う~ん、彼女のチェンバロはいつ聴いても良い!
今日もやっぱり気持ちが良かったです。

また一緒に演奏したいな~!って思いました。
デュオ・リュタン様、どうぞ宜しく~!(^_-)☆

さて、私は日本歌曲のあとは、シューベルトです。
6月に オールシューベルト歌曲のコンサートが控えています。

花粉と戦いながらシューベルトと格闘する日々が始まります!(笑)

コンサート終了

2011年03月26日 | music
昨日25日、旧奏楽堂春の日本の歌コンサート、無事終了いたしました。

東京の桜の開花宣言が昨日25日だったのは遥か昔・・・
昨日は桜がほころぶどころか、真冬並みの寒さ。
おまけに夜は雨が降って来て・・・

でもそんな中、お出かけ下さったお客様、ありがとうございました。
神奈川県にお住まいでご自宅が地震の被害に遭われたにも関わらず
駆けつけて下さったお客様もいて、本当にありがとうございました。


終演後、楽屋にて。


ホールは木造作りで、日本の歌を演奏する趣は想像より良かったです。
舞台で歌う感じと客席で聞く感じと残響が違うので
最初慣れないとちょっと戸惑いますが、独特の空間なので
慣れると演奏していて楽しい空間になりました。

8人の歌手が、それぞれいろいろな日本の春の歌を歌ったので
お客様も楽しかったと言って下さいました。

私は定番の有名どころを歌ったので、ある意味緊張しましたが、
客席がなごんで楽しんで下さっている空気が伝わって生きて
歌っていても楽しかったです。

受付に設置した「東日本震災募金箱」に、¥117.330 集まりました。
これはWHP国連世界食料計画を通じて、今回の震災地に送られます。
私も、昨日歌えた事に感謝しつつ、気持ちばかりの募金を致しました。

それにしても・・・正直、この時期のコンサートは辛い!
なぜなら、花粉症・・・(><)
風邪声と間違われそうな鼻声でしたが、歌には影響しなくて良かった!・・・

楽屋では他の花粉症の出演者と、「どの薬飲んでる?」なんて会話も。

私は薬を飲み始めたのは今年から。
効いているのかいないのか良く解らないけれど(笑)
とりあえず生活できて歌えるので、ま、いいか。


そして 告知~!! 9月30日(金)夜6時~ 同じく旧奏楽堂で 
今度は「秋の日本の歌」シリーズコンサートをやるそうです。
私も出演予定です。

是非是非、また皆様お出かけ頂きたいです。詳細はまたお知らせ致します。

それにしても、その頃には、日本が少しは良い方向に向かっていますように・・・


明日(3/25)の演奏曲について

2011年03月24日 | music
演奏会、もう明日になっちゃいました。

曲についてアップしようと思っていたら、
いろいろ飛び込んでくる福島原発関連情報に翻弄されてしまい、
前日になってしまいました。

では、さくっと(笑)ご紹介。


・「さくら横ちょう」作詞:加藤周一/作曲別宮貞雄

同じ歌詞で 中田喜直が作曲しているが、
同じ詩で こうも違う曲になるものだと思わされる作品。

別宮貞雄 1951年に作曲された <雨とかぜ><さくら横ちょう>の
2曲から成るの〝2つのロンデル〟の第2曲。

1950年に東京大学の理学部物理学科と文学部学科を卒業後、
パリ国立音楽学院に留学しているが、
既にフランスの香りのする 凛とした空気を感じる曲である。

ちなみに、パリ国立音楽学院の審査にこの曲を提出して合格したそうな。


・「おぼろ月夜」作詞:高野辰之/作曲:岡野貞一

日本の田園風景をつづった格調高い歌。
高野-岡野ゴールデンコンビの代表的1曲でもある。
他にこのコンビには
「春が来た」「春の小川」「もみじ」「ふるさと」などの名曲がある。

一面黄色く敷かれた菜の花畑の上に月が出る。
春の宵の月は三日月で横に寝ている。
「くぼみに水がたまり霞がかかっておぼろ月夜となる」とは
西洋のことわざにあるそうで、
3拍子の旋律がぴったりと寄り添い逸品の名曲となっている。

一見風景画のようなこの詩だが、
微妙な陰影が描写されていて、それが素朴なぬくもりを思い起こさせる。

特に2番の歌詞は、5つの「も」でくくり、
それを すべてかすめる「おぼろ月夜」とは、、うますぎる!

自然の大きさと生活の大切さが宇宙的空間で広がっているこの詩。
まさに今の日本の状況が『それを忘れてはならぬ』と言われているようで
耳が痛い思いがします。


・「からたちの花」作詞:北原白秋・作曲:山田耕筰

北原白秋の詩に触発され、
「まだ十歳にも満たなかった頃、働いていた工場の畑にあった、
からたちの垣根」に記憶を蘇らせた山田耕作が、
わずか30分ほどで書いたという曲。

全く自然に口をついてでる邦語・そのままのふしで書かれており、
話し言葉と、言葉のうちに眠る旋律を呼び覚まして書かれて
極めて単純に書かれてある歌曲。それゆえに難しい。


・「この道」作詞:北原白秋/作曲:山田耕筰

「これは≪からたちの花≫の妹です。
 ≪からたちの花≫にも増した美しい綾衣を織り与えて下さい」
-白秋がこうした言葉を添えて耕筰に寄せた詩。

世の誰にもまして母を思う耕筰が、
あたたかい母の手にひかれてそぞろ歩きした道を偲び、
ありし日の母のあわい追憶をたどり作曲した歌曲。

白秋・耕筰コンビは、
日本語のアクセントと語感を尊重する歌曲の創造をめざし、
日本語特有の響きや情感をいかし、詩の持つ文学的内容や
ひとつひとつの言葉のアクセント・リズム・抑揚と
音楽の結びつきを大事に曲を作った 名コンビ である。


以上4曲です。 

当初、明日25日が東京の桜開花予想日だったのに、今日はとても寒いです。

でもでも、明日は、春の気分で歌って来ようと思います。


3月25日のコンサート

2011年03月20日 | music
3月25日、台東区立旧東京音楽学校奏楽堂 にて予定している
日本歌曲で綴る 「春の彩り」 コンサート は予定通り開催致します。

開催に際し、主催者からの言葉を転記致します。

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―公演開催について―

関東一円で節電に尽力している今、
また人々のとても心が落ち着いてはいられない今、
着飾ってコンサートを行う事に対しての是非はあるでしょう。
しかし、
音楽による社会貢献を謳ったAHPの公演をこの時期に行うこと、
私達がその時期に巡り合わせたことには必ず意味があると思います。
よって、
3月25日の公演は決行の方向でまいりたいと思います。
幸い、公演を行う旧奏楽堂は上野公園内にあり、
今回の計画停電の範囲からは外れていますので、停電の心配はありません。
旧奏楽堂からも、施設の方に問題はないということですので、
その旨、お客様にお伝えしていただければと思います。

なお、今回の公演では、WFPへの募金箱とは別に、
東日本大震災緊急支援のための募金を行い、
日本赤十字社に募金を送る予定です。

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正直、開催についての是非は私には解りません。でも、

お花見の浮かれ気分 とは異なりますが、こういう時こそ
歌える喜び、音楽の持つ力、歌の持つエネルギーを発信したい・・・

被災地の皆様の事を思うと、私に何が出来る?・・・と心痛めていたのですが、
まずは今、自分に課せられている課題をやり遂げる、ここから出発だと思い、
音楽家ならまずは音楽で、私が今出来ること、やるべきことをやる。

そう心を切り替え、25日に向けて頑張りたいと思っています。


私が歌う歌は、まず第1部で、
別宮貞雄作曲 「さくら横ちょう」

これは、別宮貞雄 パリ留学直前に書かれた曲で、
この曲をパリ音楽院の入試用に提出して合格を貰った歌曲。

凛 とした 透明な空気感が 私は好きで、この曲の前奏が鳴ると
ふとその世界に空間移動してしまう不思議な曲です。


・・・と、曲についてのコメントは、また別記事にするとして

まずは25日のコンサートは行います報告でした。

皆さん、来てください! そして、可能でしたら少しでも構いませんので募金をお願いできたらと思います。

詳細&チケットお申し込み・お問い合わせは こちらHPまで

この一週間の出来事

2011年03月19日 | diary
ブログ、久しぶりの更新です。

その間、いろいろな事がありました。

その中から、ここ一週間くらいの事を・・・

3月10日、久しぶりに美容院に行きました。正直、今年初美容院!
表参道にある美容院なので、久々の表参道参拝?(笑)

カラーリングとヘアカット。10センチ以上髪の毛切ったんだけど、
基本的な髪型を変えていないから、あんまし印象に変化なし。
やっぱり舞台用に髪の毛を作るから、ショートヘアには出来ないんですよね~。
この日は美容院のあと、生徒レッスンへ。



そ・し・て・・・3月11日。そう、あの震災の日です。
幸いにも、12日の本番に備える意味もあって、自宅仕事の日にしていました。

揺れが始まって・・・ん?今回は・・長い!!!
ひたすら揺れている!横揺れ、縦揺れ、交えて長い!
テレビの画像も揺れている。よかった、私の部屋だけじゃない!(当たり前だ!)

ピアノの上に積んだ楽譜が床に落ち、立てかけてあった鏡が倒れて来て・・・

そう、その後、東日本大震災と名づけられた地震だったのでした。
宮城沖地震のほう。

その後、余震もかなりありましたが、もう一度、やはり強い揺れが!・・・
これは茨城でした。

そしてこの後、被害が拡大していったのですが、このときはまだそこまでとは思っていませんでした。

翌、3月12日午後、八王子でのコンサート出演。
開催します連絡が来ていたので、午前でかけていきましたが、
中央線の混み方は、半端じゃなかった!・・・まるで通勤ラッシュ!
ちなみにこの日は土曜日で、しかも都心から八王子へ向かう電車です。
通勤ラッシュは有り得ないのです。 

そう、前夜、都内で一夜を明かしたサラリーマンの方々の帰宅ラッシュだったのでした。

そして、あとで知ったのですが、丁度本番中に、福島の原発の最初の爆発が起こったのでした。

その後は、皆様の知るとおりです。。。


でも、今日の時点で、昨日まで各駅停車だった私の利用する西部池袋線も、準急が運行され
東京は少しずつ平静さを取り戻しつつあります。

それにしても 買いだめ心理 って、凄いですね。。。

スーパーのいろんな棚が 空 になりました。
でも今日当たりから、少しずつ並び始めました。

今日は暖かかったけれど、昨日まで、そして明日からまた寒い気候です。

被災地の方々に、この寒さは厳しすぎます。
早く暖かくなりますように・・・。早く被災地に物資が届きますように・・・。
早く 福島原発が 機能回復しますように・・・。
と、その前に、原発被害が出ませんように・・・