加奈のdiary

ソプラノ歌手 根來加奈 の
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明日(3/25)の演奏曲について

2011年03月24日 | music
演奏会、もう明日になっちゃいました。

曲についてアップしようと思っていたら、
いろいろ飛び込んでくる福島原発関連情報に翻弄されてしまい、
前日になってしまいました。

では、さくっと(笑)ご紹介。


・「さくら横ちょう」作詞:加藤周一/作曲別宮貞雄

同じ歌詞で 中田喜直が作曲しているが、
同じ詩で こうも違う曲になるものだと思わされる作品。

別宮貞雄 1951年に作曲された <雨とかぜ><さくら横ちょう>の
2曲から成るの〝2つのロンデル〟の第2曲。

1950年に東京大学の理学部物理学科と文学部学科を卒業後、
パリ国立音楽学院に留学しているが、
既にフランスの香りのする 凛とした空気を感じる曲である。

ちなみに、パリ国立音楽学院の審査にこの曲を提出して合格したそうな。


・「おぼろ月夜」作詞:高野辰之/作曲:岡野貞一

日本の田園風景をつづった格調高い歌。
高野-岡野ゴールデンコンビの代表的1曲でもある。
他にこのコンビには
「春が来た」「春の小川」「もみじ」「ふるさと」などの名曲がある。

一面黄色く敷かれた菜の花畑の上に月が出る。
春の宵の月は三日月で横に寝ている。
「くぼみに水がたまり霞がかかっておぼろ月夜となる」とは
西洋のことわざにあるそうで、
3拍子の旋律がぴったりと寄り添い逸品の名曲となっている。

一見風景画のようなこの詩だが、
微妙な陰影が描写されていて、それが素朴なぬくもりを思い起こさせる。

特に2番の歌詞は、5つの「も」でくくり、
それを すべてかすめる「おぼろ月夜」とは、、うますぎる!

自然の大きさと生活の大切さが宇宙的空間で広がっているこの詩。
まさに今の日本の状況が『それを忘れてはならぬ』と言われているようで
耳が痛い思いがします。


・「からたちの花」作詞:北原白秋・作曲:山田耕筰

北原白秋の詩に触発され、
「まだ十歳にも満たなかった頃、働いていた工場の畑にあった、
からたちの垣根」に記憶を蘇らせた山田耕作が、
わずか30分ほどで書いたという曲。

全く自然に口をついてでる邦語・そのままのふしで書かれており、
話し言葉と、言葉のうちに眠る旋律を呼び覚まして書かれて
極めて単純に書かれてある歌曲。それゆえに難しい。


・「この道」作詞:北原白秋/作曲:山田耕筰

「これは≪からたちの花≫の妹です。
 ≪からたちの花≫にも増した美しい綾衣を織り与えて下さい」
-白秋がこうした言葉を添えて耕筰に寄せた詩。

世の誰にもまして母を思う耕筰が、
あたたかい母の手にひかれてそぞろ歩きした道を偲び、
ありし日の母のあわい追憶をたどり作曲した歌曲。

白秋・耕筰コンビは、
日本語のアクセントと語感を尊重する歌曲の創造をめざし、
日本語特有の響きや情感をいかし、詩の持つ文学的内容や
ひとつひとつの言葉のアクセント・リズム・抑揚と
音楽の結びつきを大事に曲を作った 名コンビ である。


以上4曲です。 

当初、明日25日が東京の桜開花予想日だったのに、今日はとても寒いです。

でもでも、明日は、春の気分で歌って来ようと思います。


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