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ことのはのはね~奈良町から

演劇、アート、短歌他、町家での出会いまで、日々を綴ります。

12/14毎日新聞「なら歳時記」でにぎわいの家が紹介

2016-12-15 | にぎわいの家・奈良関連
おかげさまで、このところ、にぎわいの家関連、取材いただいています。今回は、大きく取り上げていただき有り難いことです。町家空間をどう楽しむか、古いものや昔の感覚を楽しんで暮らしに取り入れるヒント、といった切り口で書いて下さいました。記事には、地元の小学生のかまどの火吹き写真もあり、いろんな人の声が掲載されていたのも嬉しかったです。古いものに触れる楽しみ…。
「伝統文化」というと、ちょっと堅苦しくなってしまいますね。短歌もそうです。けれど、自分がひかれるところから、どんなところからでもいいので、ちょっと気にとめてみるようになると、いろんな発見や気づきがあり、そこから、楽しくなってきますね。そもそも、私たちは奈良町にぎわいの家のような、伝統的な町家建築に住んでいるわけではありません。けれど、天候、夕陽や水の冷たさなどは、日々感じることができます。町を歩いてお寺に入れば、なんだかほっとしてます。この「ほっとする」というのが、観光や町並のキーワードになると思います。なんだかほっとするな、あ、花がいけてある、お湯のわく音がする…そんなとりたてて豪華なことではないけれども、ふと味わう、昔の人も感じていただろう「ほっ!」に、奈良はつながる場所ではないかと思います。にぎわいの家が、若い方にもそんな「ほっ」と「へえ、なんかいいなあ。」と思ってもらえて、そこから、花や歌や私たちの風土ならではの魅力のはじまりに、この空間がなっていってくれたらなあ、と思っています。


にぎわいのクリスマス&親愛幼稚園の思い出

2016-12-06 | にぎわいの家・奈良関連
町ではクリスマスグッズが華やかですが、今年は奈良町にぎわいの家も、クリスマスリース&ツリーをしつらえました。リースは全部、スタッフの手作り、ツリーはオーナメントは全て手作り。リースは藤蔓などで形作ったかなり大きなもの。格子につけると木の町家もなんとなく、彩りがあって華やぎます。このところ、道ゆく人たちの撮影スポットになっているんですよ。ツリーのオーナメントもなるべく今あるもので工夫して作りました。いただきものにかかっていたリボンを使ったり、家にあった毛糸を使ったり…。こういう手作業をしながら、こうかな、こっちが素敵かな、など話しながら手を動かすのは楽しいですね。小学生の時から編み物が好きでしたが、もうずっと編み針を持ったことがなく久々に今回、飾りを一つ作りました。ちょっと気持ちがほっこりしました。
さて、クリスマスはそもそもキリストの生誕を祝うもので、どちらかというと、日本ではハロウィンやバレンタインと一緒で、イベント的な感覚があります。それが、なんとなく暮らしに身近になったのは、息子たちがお世話になった、親愛幼稚園のおかげでした。
親愛幼稚園は、近鉄奈良駅すぐの東向き商店街の中にあります。何気に商店街を歩いていると通り過ぎてしまいますが、石段を上がると、そこはもう別世界。木の礼拝堂に保育室。興福寺の真下にあたり、園庭横の小さな森のような空間で隠れん坊すると、すぐそこが商店街とはとても思えない、不思議な感覚になります。
この幼稚園は1930年に設立されました。その頃の木造の建物です。教会というと、洋風なイメージがありますが、こちらの礼拝堂は、なるほど、奈良だなと思わせる建築です。「ノアの箱船」を返した形と聞いたのを記憶していますが、本当に、まるで船のような大きな空間で、息子たちはここで礼拝を受けながら、いろんな言葉や歌を共にうたいました。毎週土曜日は親子礼拝があり、私たちも子どもと一緒に歌いました。その中でも特に心に残る歌があります。それは
「1 空の鳥は 小さくても お守りなさる 神さま 2 わたしたちは 小さくても お恵みなさる 神さま 3 悪いことは 小さくても お嫌いなさる 神さま 4 愛の業は 小さくても 喜びなさる 神さま」という歌で4番まであります。1番から4番まで、「小さくても」という歌詞があります。この「小さい」という言葉、小さいものこそ恵まれるよう、というような祈りを、園児と共に歌う中で感じたものです。
こうした時間を子育て中に過ごせたことは、とても有り難く、結局、この幼稚園で出会ったお母様たちとのつながりが今もずっと続いています。そもそも、小町座という演劇集団も、この幼稚園から始まりましたが、それはまたの機会に。
興福寺の真下に、重要文化財の教会があるということ。奈良ならではですね。そういえば、長男のころ、幼稚園のマラソンは興福寺の境内を走っていました。のんびりとした時代でした。そういえば、幼稚園の石段を登るタモリさんがいましたね。昨年のブラタモリのワンシーンでした。
にぎわいのクリスマスは25日まで。格子のリースと通り庭(土間)のツリーを見にきて下さいね。

 親愛幼稚園礼拝堂

 格子のリース

 にぎわいの家ツリー







テイチクうたものがたり 朗読劇公演日

2016-11-27 | にぎわいの家・奈良関連
さて、月2回稽古してきた朗読劇の本番です。出演者は7名、舞台経験者、ラジオパーソナリティー、朗読活動されている方に加え、初めて舞台に挑戦のお二人。元々、私の演劇活動、小町座は子育て中母親たちの劇団として、奈良からオリジナル劇を発してきました。母親ですから、もちろん、素人。ところが、声を出すことでどんどん、変わって行きます。今回初参加のお二人も、まさにそうで、初めは中々、声が前に出なかった方も、今日の堂々と自分の声を出す姿に感心しながら見ました。
全体、45分のミニ朗読劇ですが、町家の座敷の三間に、満員のお客様。昭和6年に南口重太郎が創業した、レコード会社「テイチク」。もちろん、当時のことを知る方はいません。
40代の方のアンケートにも、初めて奈良にレコード会社があったと知ってびっくりした、とありました。
テイチクの黎明期を解説と劇中劇と、歌で振り返りましたが、実際に、昭和三十年代から四十年代にテイチクにお勤めだった、元社員の方が「本当に良かった。」と声をかけて下さったので、書き手としてはほっとしました。
今回、脚本を書きながら感じたのは、会社が一つの家族のような時代だったということです。
テイチクは戦時中に出火し、工場が全焼したのですが、その時のエピソードに、社長の南口重太郎が、責任を問うより先に「ケガはなかったか。」と聞くシーンがあります。そして「また一からやろうやないか。」と社員に声をかけます。こういう熱い?!感じは、今の時代には向かないかもしれません。けれども、上に立つものの覚悟や社員への愛があるからこそ、会社は家族のような場所であり、そこで一生を終えるのも当たり前、という時代の感覚をみました。
今、終身雇用なんて時代遅れの言葉を言うと、はあ?と首を傾げられそうですが、自分の能力で会社を渡り歩き、キャリアにしていく今の仕事のスタイルとは違う、会社に所属し、一生をかけて働く、だからこそ退職しても、会社でつながった人たちと同時代の思い出を語ることができる…。非正規雇用が多く、めまぐるしく職場環境が変わる今、必然、会社と人の関わりも変わってくるでしょうが、「テイチク」という会社を懐かしむ皆さんの声は、温かいものを感じました。
さて、アンケートの中で、え?!とびっくりしたのは、「祖父のことを取り上げて下さりありがとうございます。」とのお返事が。つまり、テイチク創業者、南口重太郎さんのお孫さんが見て下さったのです。これには感激しました。
100年の町家で聞く、この100年間に奈良を生きてきた人の物語。奈良の暮らしや仕事のお話が集まる町家になればいいなと思っています。
(以下は、スタッフが書いてくれた、奈良町にぎわいの家フェイスブックのレポートと写真です。)

「テイチクうたものがたり」無事に終了いたしました。
チラシを見て、とテイチクでお勤めされていた方が事前にレコードの原板や、レコード、写真などもお貸しくださり、会場も昭和歌謡のムードに包まれました。
テイチク創業者の南口さんと昭和の大作曲家古賀政男さんとのエピソードなどを盛り込んでの朗読劇、歌ありダンスあり!
テイチクの関係の方もたくさん来てくださり、みなさんとても喜んでくださっていました。
また、テイチクのことを知らない方も、奈良にこんな大きな会社があったことを知ったと、勉強になりましたとご感想をいただきました。
石原裕次郎や八代亜紀など、日本の歌謡界を代表するたくさんの歌を奈良から発信していたこと、奈良の財産として皆さんに知っていただいくよい会になったのではないかと思います。朗読劇にご参加いただいた参加者のみなさん、足をお運びいただいた観客のみなさま、ありがとうございました!
公演後、懐かしいレコードをみなさんと一緒に楽しみましたよ。


11/27 朗読劇「テイチクうたものがたり」

2016-11-09 | にぎわいの家・奈良関連
奈良町にぎわいの家から近い京終エリアにあった、レコード会社「テイチク」には、この近辺の方も沢山、お勤めされていました。昭和40年代に、入社されたというFさんが、このたびの朗読会を知り、テイチク関連の懐かしいものを持ってきて下さいました。にぎわいの家のフェイスブックに、スタッフがあげてくれたので、以下、紹介します。

「奈良町にぎわいの家・フェイスブックより」

11月27日は朗読劇「テイチクうたものがたり」を開催いたします。
たくさんの流行歌を発信していたテイチクレコード。
その本社がこの奈良町からほど近い南肘塚町にありました。
「テイチクで働いていたんです!」
「テイチク懐かしい!」
など、たくさんのお客様が声をかけて下さっています。
中でも、関係者の方が持って来てくださった、レコードの原盤にはびっくり!
テイチクの社歌のレコードも一緒に持って来てくださいました。
月曜日の朝、本社工場で歌ってらっしゃったそうです。
そんな資料も当日展示いたします。
懐かしい方も、テイチク知らなかった!という方もぜひ、ご来場ください。



 レコードの原盤!当日ご覧になれます。

にぎわい・おりがみワールド2016

2016-10-29 | にぎわいの家・奈良関連
奈良町にぎわいの家は今から百年前に建てられた町家ですが、蔵はさらに遡り、江戸時代後期の建築、奈良町でも古いものとのこと。
蔵ならではの暗い空間は、展示空間として、これまで「書」「現代アート」「地元学校作品展」「染色、立体作品」「季節行事展示」などなど、様々な企画を行ってきました。
さて、現在開催中の企画が、おりがみの展示。近隣の80代の方々が折ってくださった沢山の折り紙を、蔵に飾っています。
大きな折り鶴は、スタッフが部屋いっぱいに、つなげた和紙を広げながら苦心して作りました。幼稚園のお子さんが並ぶと同じ高さかもしれませんね。
外国のお客様に大変好評で、また、平日の修学旅行の生徒さんも、「これ、どうやって折ってるの?」など、自身でも折って、盛り上がってくれています。
11/13まで。ほっこりする「おりがみワールド」、ぜひ、ご覧ください。