goo blog サービス終了のお知らせ 

ことのはのはね~奈良町から

演劇、アート、短歌他、町家での出会いまで、日々を綴ります。

ならまち遊歩~町家劇場

2018-08-12 | にぎわいの家・奈良関連
今、奈良は燈火会のさなか。浴衣姿の若いお客様をよく見かけます。17日から開催の「ならまち遊歩」は、その後を受けて、夜の奈良町を楽しもうというイベント。昨年から始まりました。奈良町の各戸に提灯が下がります。今年は、町家劇場を開催した、くるま座で、夜のライブや集いがあり、町家劇場&小町座も語りイベントを行うことになりました。というわけで…7月末に町家劇場を終えて、すぐ、書き下ろしたのが、{
「猿沢池三部作」。猿沢池の采女伝説、芥川龍之介が猿沢池の龍をモチーフにした小説から、2本を語りに、もう1本は完全オリジナルドラマ、計3本を書きました。15分程度のドラマ、3本の語りを聞いていただけます。出入り自由、無料。
というわけで、書き下ろしてからすぐ、稽古。夏休みのため一斉稽古ができず、個別に稽古つけてますが、さて、どうなりますでしょうか。演劇は動きとセリフの兼ね合いもありますが、語りは言葉に集中するので、演者の力が問われます。最後は、歌もありますよ!
夜の町家空間、どうぞおいでください。
また、奈良町にぎわいの家でも、協力企画として、蔵展示(椿井小学校の生徒さんの提灯)、18.19日は、時間延長、夜8時まで開いています。夜のにぎわいの家、魅力的ですよ。ご来館、お待ちしています。






6/30 奈良町にぎわいの家「森川杜園と柴田是真」

2018-07-03 | にぎわいの家・奈良関連
3年前に、奈良町にぎわいの家、開館の折に考えたことは、一つがシンボルとなるマークを作りたいということと、奈良町ときいて名前がすぐ出てくるような人をクローズアップしたいということでした。シンボルマークは、二十四節気オリジナルマークとして(デザイン・金田あおい(藍寧舎)、来館者の皆さんにとても好評です。(24種類のスタンプとオリジナルハガキ、是非、ご来館の折にどうぞ。)
さて、後者の奈良町ときいたら誰?と調べていた3年前、見つかりました!奈良町にぎわいの家の二軒隣に、奈良人形、一刀彫の名人、森川杜園が住んでいたのです。同じ奈良町に住んでいるのに、それまで私は杜園の名前も知らず…。改めて作品を調べてみると…これがとても良いのです。更にわかったことは、この杜園の生涯が小説として発表されていました。「芸三職 森川杜園」、大津昌昭 著 がそれです。大津先生は長年、教育者として活躍されていた方ですが、今から二十五年前に奈良県立美術館での杜園の大回顧展を見られ、そこから興味をもたれ、小説となったとのことですが、本当に大津先生の著作に出会えたのは、幸運でした。更に、読んでびっくり!この小説は、杜園が生涯を語る、語りのスタイルで書かれているのです。またその語りが内容も調子も良くて…。私は戯曲を書くので、こうした語りのスタイルが、こんなにうまく成立している本があるなんて!と、本当に驚きました。大津先生はまるで劇作家のようです…。この小説…語りを朗読劇にしたい!となり、開館一年目、市民参加による「杜園語り」を、私の構成、演出で20名の出演者と作りました。これが第一回。
第二回目は、杜園と出会った人をクローズアップして、10代の杜園に多大な影響を与えた、国学者の穂井田忠友(ほいだ・ただとも)についての大津先生の講演と、その出会いに絞った朗読劇。
昨年の三回目は、岡本彰夫先生による「奈良人形と杜園」についての講演。
そして、今年の四回目が「森川杜園と柴田是真」。絵師になろうとしていた10代の杜園に、一刀彫りをすすめたであろう、柴田是真との物語をお話と朗読での企画です。
柴田是真は、近代を代表する蒔絵師。ウィーン万博にも出品したその作品は、構図が大胆、華があって、緻密で…伝統的なものをふまえて、その上に新しいものをのせていく作風です。その是真と杜園の出会いを、朗読するのですが、なんと、今回、大津先生が是真となって朗読を披露して下さいました。
杜園は小町座の西村智恵、ナレーションは私という、3人での朗読です。西村さんの杜園は伸びやかで、先生の太い声とあいまって、良い朗読でした。
大津先生は、音楽の専門家でもあり、第一回目の企画の時、私の演出の様子を「ここはクレシェンド、デクレシェンド」など、音楽用語で伝えて下さいましたが、お声もよくて、声量のすごいことといったら、七十半ばとはとても思えません。また是真の豪快な感じがぴったりで。先生自身も、「まさかこんな機会があるなんて。」と言われていました。
また、今回、特別に、杜園の彫った作品を、金田充文さんが持参、披露して下さいました。手向山八幡宮の狛犬二対の模造で、裏には杜園が書いた字も記されています。美術館の目録にも掲載されているもので、こういった素晴らしいものが、何気に自宅にあるところに、つくづく奈良の凄さを感じます。
杜園については、昨年、その二軒隣のお宅から、能舞台の松の板絵が、春日大社に運ばれる時に、その板絵を拝見する機会もあり…。この松がまた素晴らしくて…。来年は5回目を迎える杜園企画。大津先生の本から、更に掘り下げて読みたいと思います。ただし、私が読むのは今回が最後ということで…。



 杜園の狛犬!

にぎわいゴールデンウィーク!

2017-05-04 | にぎわいの家・奈良関連
ゴールデンウィーク半ば、奈良町にぎわいの家は沢山のお客様でにぎわっています。そのレポートを。(写真は全て奈良町にぎわいの家フェイスブックより )
①来館者20万人セレモニー
4/29、来館20万人目のお客様をお迎えしました。2015/4/18に開館以来、2年間たち、一年に約10万人訪れていただいています。奈良市長から、
「しかまろくん」グッズや奈良の鹿の風景写真集など、当館代表からは奈良町の茶粥セットと老舗のお菓子、そしてにぎわいオリジナル節気はがき、24枚を贈呈しました。道ゆく皆さんも共に盛り上げてくださり、良いセレモニーとなりました。



②昔なつかし遊び
外スペースにコマ遊びのコーナーを設置、独楽名人のOさんは、これまで何度もボランティアで指導に来てくださっていますが、Oさんの指導で本当に皆さん、よく回せるようになります。老若男女関係なく、一緒に夢中になれる…奈良町の街角でこうしたふれあいができる喜び、本当に有り難いです。


③茶室体験と抹茶のおもてなし (4/29)
スタッフによる、気軽で楽しい体験茶会を、これまでも開催していますが、今回は、待合から手水、にじり口、床の間拝見と、空間を楽しみながらの企画、海外のお客様も、腰をかがめてのにじり口体験、笑いながら、楽しい空間体験をされていました。奈良町の中西与三郎さんのお菓子も美味しかったね!


④南京玉すだれ  5/3
スタッフの西村さんの企画で、八房美都代の会のみなさんに披露していただきました。昔は結構、テレビなどで見た記憶がありましたが、今は、いろんなイベントで引っ張りだこなんですね。とにかく楽しい!四角いすだれが、動いて変化し、いろんな物に見える…日本の「見立て」文化の最たるものですよね。構造は単純ながら、楽しい節にあわせていろんな物に見えていく…日本ならではの遊び心に満ちています。中でも面白かったのが、「大和よいとこ玉すだれ」。大和の名物、大和三山、そうめん、石上神宮の鶏、などなど、奈良ならでは形の早変わり!舞台の後は、お客様の玉すだれ体験。少し指導してもらうだけで、あら不思議!この楽しさは何でしょう。出演の皆さんは、ハワイ、モンゴル、ベトナムなどで、玉すだれを披露したとのこと。本当にお元気で溌剌として、「福」を招く芸にふさわしく…楽しい時間となりました。


⑤お手玉、折り紙
ボランティアで市内のおばあちゃまが、お手製のお手玉、折り紙作品を寄付して下さいます。海外のお客様にとても好評で、いろんな国に持ち帰っていただいています。


⑥みんなでつくるこいのぼり
スタッフが墨で描いたこいのぼりに、皆で色づけし、その上に、こいのぼりの折り紙を自分でおって、貼ってもらっています。奈良町にぎわいの家の格子にステキに泳いでいますよ。写真スポットにもなっています。皆さんが折ったこいのぼりには、メッセージが。「あんよがじょうずになりますように」など、家族を思って、また「平和でありますように」というメッセージも複数。平和な穏やかな日々ならばこその「観光」。皆さんの思いをのせて、この週末まで、町家格子のこいのぼり、泳いでいます。


立春の風景

2017-02-04 | にぎわいの家・奈良関連
節分の次の日が立春。節分は漢字の通り、季節の分け目。豆を撒き、邪気を払った次の日が「春」というのは、なんだか清々しいですね。奈良町の豆撒きといえば、世界遺産元興寺。にぎわいの家で、フランスの方が、スマホか何かで調べて、わさわざ日本語で、私に「豆撒きのまつりどこですか?」と尋ねられました。元興寺は「鬼も内、福も内」との掛け声だったような…。なにせ、元興寺は元興寺ならではの鬼、「ガゴゼ」がおりますからね。スタッフの西村さんが元興寺の絵馬を買ってきてくれましたが、今年は酉年ということで、コウノトリが鬼の赤ちゃんを連れてくるとという、なんともかわいらしいものでした。
さて、別のお寺で豆撒きを見た方の感想をたまたま聞きました。「何か以前の風情がなくなったなあ…。」とのこと。観光客の方のためのイベントで、地元の人が行って楽しむ感じではない、といったニュアンスでした。奈良は観光が大きな産業ですから、中々、難しいところです…。人が多くなれば、管理的になりそっけない感じになってしまうのも、やむを得ないところもあります。そういう奈良町も私が学生のころはひっそりとしていました。奈良町は暮らす人、訪れる人がいい距離が取れる町だと思います。そうした魅力をにぎわいの家は感じていただけると思うので、大きな行事でなくても?!是非、ご来館下さい。
さて、現在つし二階では、恒例のアート企画を展示中!今回、奈良町の民間信仰、「庚申さん」をモチーフに、アーティストの三好剛生さんが、立体作品を展開してくれています。こうした古くからの「民俗」的なシーンを、現代アートが咀嚼して今を生きる私たちに「形」を見せてくれるのは、「民俗」の今後への新たなアプローチにもなるかな、と考えています。三好さんの「庚申さん」作品、どうぞご覧下さい!

元興寺の絵馬

 三好剛生作品展「かのえさるはよあかし」

にぎわいのお正月

2017-01-12 | にぎわいの家・奈良関連
新学期も始まり、15日はとんど。お正月の余韻もひいて、いつもの暮らしのリズムに戻りつつ…。けれど、にぎわいの家では、1月いっぱい、お正月ムードでお客様をお迎えしています。まず、広い座敷には、カルタ、お手玉、福笑いを。外のスペースでは、独楽回し。蔵の展示は、皆さんに書いていただいた凧を飾っています。昨年も同じように1ヶ月、こうした昔遊びを用意していましたら、皆さん、とても盛り上がって遊んでくれました。ゲーム画面に向かっている子が当たり前に思っていますが、案外、こうした懐かしい遊びが身近にあれば、その場で楽しめるのだな、とアナログな遊びの力を感じたものです。
座敷のカルタは、犬棒カルタ。「犬も歩けば棒にあたる」などのことわざカルタです。おじいちゃん、おばあちゃんと遊ぶお子さんや、また日本語がお出来になるのか、外国の方も。お手玉は、ボランティアのおばあちゃまが作ってくださったかわいらしい手作り。これを若い女性がポーズして、インスタグラムにアップしている姿も。
蔵の凧は、地元の作家さん、中学の生徒さん、来館の皆さんが書いて下さった新年を祝う凧がつながっています。
そして、外では、独楽回し。この独楽回しは、大和高田からわざわざ来てくださる、コマ名人!の方がいて、丁寧に教えてくださり…。全く回せない方も、しばらく遊ぶと回せたり、老若男女、集って盛り上がっています。年を重ねた大きな子ども?!と、平成の子どもが一緒に独楽に興じるのは、なんとも素敵です。
私が子どもの頃は、町に境界がなく、どこでも、そう、他人の土地でも、空いているところでは、どこでも遊んだものです。道にチョークや炭で絵を描いたり、ケンケンパーをしたり、屋根にボールを放り上げたり…その屋根も人の家の屋根で…。けれど、怒られた記憶がありません。世界が区切られていなくて、どこでも子どもが遊べる場所だったのです。ヨソの子も家の子も、同じように誉めて叱る…。境界の無さが、人間関係にも反映されていたのかもしれません。
にぎわいの家は、その立派な建物を味わっていただくと同時に、こうした境界の無さを感じてもらえたらなと思います。訪れた方が、懐かしい遊びによって思わず笑ったり、話が弾んだり、教え教えられたりする…。皆さんが昔の遊びで良い顔をされているのは、とても嬉しいです。
お正月遊びコーナーは、1月末まで。何気に立ち寄って遊んで下さいね。(写真は奈良町にぎわいの家のフェイスブックより)

 蔵企画「凧でつながるお正月」  正面はご近所の書家、谷真理子さん作

 奈良市立伏見中学美術部の皆さんの作品

 独楽で遊ぼう!

 1/8大雨の中、餅つき体験!ついたお餅をぜんざいでいただきました。