先日、関西系の深夜テレビでたまたま、ビートルズの特集をしていました。そういえば…このところ聞いていなかったビートルズ。ビートルズとの出会いはかれこれ四十年前!小学生の後半だったような…。初めて買ったLPレコードが「4人はアイドル」つまり「HELP!」。流行言葉で言うなら、まさに「神ってる」ビートルズ。中学はべったり、ビートルズメインに、まだ当時日本でメジャーでなかったデビッド・ボウイに、クイーンに…。洋楽にはまっていました。
音楽のベースがビートルズだったのは、つくづく良かったと思います。彼らは解散までの8年の間に、目まぐるしく変化しました。私がのめり込んだ頃にはとっくに解散していたので、アイドル時代から、まさに「神ってる」、「アビーロード」まで、全部聞くことができたのですが、やはりローティーンの頃は、アイドル時代の曲、「抱きしめたい」「シーラブズユー」などが理屈抜きに好きでした。今も元気な曲ももちろん好きですが、「アビーロード」のB面のメドレーなんか、なんというか、「別格」な気がします。つくづく大天才、ビートルズは誰も越えられません。
10代の頃にのめり込んだ音楽は、まるで空気のようです。もちろん、全曲、どのアルバムのどこかもほぼ覚えてますし、曲の順番やLPの構成なんか、今思うと、よく考えられているなと感心します。ジャケットのデザインも。なので、耳にした途端、時間が逆流するというか、完全に別の方へ、つまり、夢見る10代へ行くような感じでしょうか。その頃、誰が奈良に住むと思っていたでしょうか。何にも縛られない自分は、妄想だとしても、大きな世界を見ていた、それが若いということかなと思います。
ビートルズを聴くと、そういった、何のしがらみもない、大きな世界に引きずり出されます。その大きな世界のことをすっかり忘れている「私」に、今更ながらに気づくのです。
ビートルズは時代の寵児ですが、音楽のみならず、いろんな世界への窓を開いた芸術家だなと思います。政治、文学、絵画…こういったものが、個別にその枠でおさまるのでなく、ビートルズの音楽から広がってきます。ビートルズを聴くというアクションは、私にとって単に音楽を聞く、というだけでない、大きな世界につながる始まりにある、音楽以上の事件なのかもしれません。
この4人の若者が、たった8年の間に、ルックスも含めて変貌し成長していく様は、奇跡です。彼らの王道を行く明るさと、イギリスならではのきついジョークをユーモアたっぷりに自分の言葉にするセンスや、当時の新しい音楽技術への挑戦は、この4人という複数形だからこその奇跡でしょう。若者が出会うべき物と人に出会うと、とんでもないことができるという、素敵な例ではないかと思います。
そもそも、彼ら四人だけで、こうなったわけではなく、やはりプロデューサー、ジョージ・マーティンの力が大きいでしょう。売り込みにいったマネージャーのブライアン・エプスタインの敏腕もありますが、正直、やんちゃな四人を音楽的に操縦?!した、プロデューサーの手腕も大きいでしょう。若者がノリだけでない、才能を発揮し、磨くためには、こうした「大人」の存在が大事なんだなと、この頃、特に思います。信頼できる大人に出会える若者は、幸せだと。
そんな若者の才能をうまく理解し、物を作る方向に持って行ける大人は?というと、とても難しい…。ブラック企業などのニュースを耳にすると、一体、この国は若者をどうしようとしているんだろう、と思ったりします。
ところで、われにかえった一つは、今年、先のビートルズのプロデューサー、ジョージ・マーティンも、デビッド・ボウイも亡くなったのです。ジョージは天寿を全うしたとして、ボウイは本当に残念…。私は日本でブレイクした「レッツ・ダンス」の前の時代が好きで、映画「地球に落ちてきた男」のボウイは、やや暗い七十年代の象徴ともいえる存在でした。ビートルズとの「スタア」性とは全く違うスタア。三年前のあのヴィトンとボウイのコラボなんて、まるで映画のヴィスコンティの世界で、目の保養になりましたよ。。
ビートルズを聴きながら「若者」だったころの何か尖ったものが蘇り、自分の今いる場所に「?」を送ってきます。そして、あなたはどこに向かって何を作ろうとしているのか、と揺さぶってきます。
ビートルズを聞いてわれにかえる。それから?
来年、何ができるかなと思いながら、ポールの傑作「夢の人」を聞いています。
音楽のベースがビートルズだったのは、つくづく良かったと思います。彼らは解散までの8年の間に、目まぐるしく変化しました。私がのめり込んだ頃にはとっくに解散していたので、アイドル時代から、まさに「神ってる」、「アビーロード」まで、全部聞くことができたのですが、やはりローティーンの頃は、アイドル時代の曲、「抱きしめたい」「シーラブズユー」などが理屈抜きに好きでした。今も元気な曲ももちろん好きですが、「アビーロード」のB面のメドレーなんか、なんというか、「別格」な気がします。つくづく大天才、ビートルズは誰も越えられません。
10代の頃にのめり込んだ音楽は、まるで空気のようです。もちろん、全曲、どのアルバムのどこかもほぼ覚えてますし、曲の順番やLPの構成なんか、今思うと、よく考えられているなと感心します。ジャケットのデザインも。なので、耳にした途端、時間が逆流するというか、完全に別の方へ、つまり、夢見る10代へ行くような感じでしょうか。その頃、誰が奈良に住むと思っていたでしょうか。何にも縛られない自分は、妄想だとしても、大きな世界を見ていた、それが若いということかなと思います。
ビートルズを聴くと、そういった、何のしがらみもない、大きな世界に引きずり出されます。その大きな世界のことをすっかり忘れている「私」に、今更ながらに気づくのです。
ビートルズは時代の寵児ですが、音楽のみならず、いろんな世界への窓を開いた芸術家だなと思います。政治、文学、絵画…こういったものが、個別にその枠でおさまるのでなく、ビートルズの音楽から広がってきます。ビートルズを聴くというアクションは、私にとって単に音楽を聞く、というだけでない、大きな世界につながる始まりにある、音楽以上の事件なのかもしれません。
この4人の若者が、たった8年の間に、ルックスも含めて変貌し成長していく様は、奇跡です。彼らの王道を行く明るさと、イギリスならではのきついジョークをユーモアたっぷりに自分の言葉にするセンスや、当時の新しい音楽技術への挑戦は、この4人という複数形だからこその奇跡でしょう。若者が出会うべき物と人に出会うと、とんでもないことができるという、素敵な例ではないかと思います。
そもそも、彼ら四人だけで、こうなったわけではなく、やはりプロデューサー、ジョージ・マーティンの力が大きいでしょう。売り込みにいったマネージャーのブライアン・エプスタインの敏腕もありますが、正直、やんちゃな四人を音楽的に操縦?!した、プロデューサーの手腕も大きいでしょう。若者がノリだけでない、才能を発揮し、磨くためには、こうした「大人」の存在が大事なんだなと、この頃、特に思います。信頼できる大人に出会える若者は、幸せだと。
そんな若者の才能をうまく理解し、物を作る方向に持って行ける大人は?というと、とても難しい…。ブラック企業などのニュースを耳にすると、一体、この国は若者をどうしようとしているんだろう、と思ったりします。
ところで、われにかえった一つは、今年、先のビートルズのプロデューサー、ジョージ・マーティンも、デビッド・ボウイも亡くなったのです。ジョージは天寿を全うしたとして、ボウイは本当に残念…。私は日本でブレイクした「レッツ・ダンス」の前の時代が好きで、映画「地球に落ちてきた男」のボウイは、やや暗い七十年代の象徴ともいえる存在でした。ビートルズとの「スタア」性とは全く違うスタア。三年前のあのヴィトンとボウイのコラボなんて、まるで映画のヴィスコンティの世界で、目の保養になりましたよ。。
ビートルズを聴きながら「若者」だったころの何か尖ったものが蘇り、自分の今いる場所に「?」を送ってきます。そして、あなたはどこに向かって何を作ろうとしているのか、と揺さぶってきます。
ビートルズを聞いてわれにかえる。それから?
来年、何ができるかなと思いながら、ポールの傑作「夢の人」を聞いています。