ことのはのはね~奈良町から

演劇、アート、短歌他、町家での出会いまで、日々を綴ります。

YouTube 小町座ラジオドラマ「ヤマトタケルと白い鳥」

2020-05-07 | 演劇
コロナウィルスに向き合う社会、月末まで、家で過ごす方も多いことでしょう。皆の努力で少しずつ、快方に向かっていますが、本当にこの度はいろんなことを考えさせられます。このウィルスは、手をつなぎ、目の前で語ることを拒むのですから。パソコン画面に向き合う時間が増えていることでしょう。
さて、これまで、小町座や他の仕事等で書いたラジオドラマが沢山ありますので、この機会に、整理したいと思い、第1弾として、小町座で制作したドラマをYouTubeにアップしました。「ヤマトタケルと白い鳥」は奈良県の記紀万葉県民支援事業として作り、出演も当時、7歳から67歳の一般参加の方と作りました。編集も小町座でしたので、五分作るのに、一時間以上かかったり…そんな苦労を思い出しながらの制作。ラジオドラマは映像がないので、新たに写真を入れて作りましたが、このドラマのために撮影されたものでなく、今までのイベントで使用させてもらった写真データから作りました。奈良の山の写真が多いのですが、ヤマトタケルの時代も今も、山の風景は変わらない…2000年の時間は、目の前の自然がよく語ってくれていると
改めて思いました。短歌の師、前登志夫の歌が、現在から過去を遡り、そこにリアリティがあるのは、かつての人たちも見ていた風景を見続けたからこそ…。ヤマトタケルの国偲び歌「やまとは くにのまほろば たたなづくあおがき やまごもれる やまとしうるはし」が時を超えて胸をうつのも、時を経ても変わらない山々と歌の心情あってのことでしょう。
ラジオに戻ります。このドラマは四部作となっています。現代の世界でいじめられている弱い鳥が、ヤマトタケルの時代にタイムスリップします。この鳥の声は、タケルにしか聞こえません。タケルは始め、小さな白い鳥に見向きもしませんでしたが、戦いを重ね、苦労する中で、鳥と共に知恵を得、強くなっていきます。時代背景やディテールは、阿久根治子さんの子ども向け書籍「やまとたける」を参考にしました。この本を紹介して下さったのは、歌人の水野智子さん。このブログの第1回目に紹介した素晴らしいエッセイを書かれた歌人です。今は奈良を離れてお会いできませんが、この本から多くのインスピレーションををいただきました。御礼申し上げます。
というわけで、YouTubeアップに悪戦苦闘しながらの三日間でした。なんとか二部、アップできました。お時間ある時にでもお聞き下さい。
作曲をお願いした、世界的な馬頭琴奏者の嵯峨治彦さんの曲、全曲オリジナルですが、このドラマの根幹を支えて下さる素晴らしい曲の数々です。
そして、ヤマトタケル役の西村智恵(小町座)の迫力と、一般参加者の方の熱演、どうぞお楽しみに。
(下の青字のタイトルをクリックしたらご覧になれます。)

「ヤマトタケルと白い鳥」第一部 雲の歌 鳥の歌

「ヤマトタケルと白い鳥」第二部 火の国 水の国