「コロナ姫」終わり、三週間たち、桜も開花、すっかり春です。出演者全員が揃った12月の稽古場は、換気で窓が開いて寒くて…アラフィー劇団には過酷?!な現場でしたが、全員が元気に舞台を終え、また本番より二週間は、お客様のことも心配でしたが、特に連絡もなく、ようやく全て終わったという感じです。何もかもが特別でした。
①奈良市の文化助成公演
こんな時期だからこそ、と文化予算を確保されて、奈良市では3月末まで、いろんな文化活動が継続できました。審査や申請、また事後の事務処理等、参加団体だけでなく、奈良市の職員の方は、年度末に重なり、大変ではないかと推察します。公演ができたのも、奈良という地域性を強く感じました。大阪圏ではありますが、爆発的な感染者もなく、暮らしの中でかなり気をつけながら、開催できたのも、大規模な町でないからこそでは。自分の町のスケールの中で、どのようにすれば文化事業ができるのか、コロナ姫を通して考えたことです。
②渡辺えりさんのトーク
私にとっては、これが一番のビッグイベント!と言いつつも、芝居の方にがっつりで、事前準備も行き届かず、お聞き苦しいところも多々あったと思います。生で聞くえりさんの声、トークの内容、演劇への愛と情熱!ほんと、これなくして何でしょう。そして、私たちはいつも「歴史」の上にいる、連綿と続いてきた、芸能文化の上にいる、ということをこれほど強く感じたことはありません。舞台に向き合う女たちの覚悟、そのリアリティが目の前にありました。自分の今することが、はっきり見えた気がしています。渡辺えりさん、ありがとうございました。次回はお会いできますよう!
③天理大学杉山ゼミの皆さんの参加
コロナ下だからこその技術、実際に私もオンライン会議とかしますが、ホールがオンライン対応でない、というところから始まり、そこに対処するには、アラフィフの小町座では無理ということで、大学生の皆さんにサポートと撮影をお願いしました。稽古段階より、見にきてくださり、稽古場に若い世代がいて、稽古後に、いろんな感想を語ってくれて…。指導者の杉山先生の明るく恒に考える姿勢が、ゼミの空気を作っているのでしょうが、こんな若者たちがいるなら、日本の未来は明るい!と、20代の息子がいる母としても思いました。若人たちの頼もしさ!今後ともおつきあいよろしくお願いします。(小町座関連のレポートも書いてくださっているので、また紹介できましたら)
④美術、衣装、音楽 照明
●小町座では久々のコスプレ?芝居で、作り物が多く、衣装、小道具大変でした。受験生のママがお家の中で衣装や冠を作っているのです…。稽古をみながら、こうしよう、ああしようとイメージを固めてくれる、出演者の個性も考えつつの作業。演出との絡みも多いので、やりとりを頻繁にしましたが、それも楽しく、日々の覇気になりました。
●美術は、写真を見ればわかりますが、月のような太陽のような半月がほしいとお伝えしましたが、小さな和紙の船型が沢山集まって形づくっている作品です。だから、光があたると陰影がでて、ぞくっとするのですが、私のほしかった「なんとなく怖くて何か蠢く感じ」がよく出て、照明でどんどん変わり…これは思った以上でした。たまに小さな船型がポロポロ落ちて、出演者たちがくっつける作業をしていましたが、ご愛敬。それもなんだかほっとする光景でした。
●音楽は、小町座では長ーいお付き合いの小宮ミカさん。ところが今回、生演奏。もちろん、書き始めた時からのプランでしたが、最後の最後まで、私は演出家としては、ピアノがあることで、芝居の物語に集中できないのでは、ふと現実の時間に引き戻されるのではという懸念が最後までありました。そこで、ピアノをあからさまに見えなくするのではなく、吊られた美術作品から、雫が落ちているような雰囲気で、ループを吊ってもらいました。とはいえ、ピアノは見えるので、後は、暗い中で弾いてもらうしかない!小さな光にも関わらず、出演者の芝居のタイミングを計りながら、毎回、同じでないのに?!最高の演奏!小宮さんのライブ感というか、音をその場に生かして出すというか、これは彼女しかできないことです。お客様も、「ピアノ、こうきたか!」「生演奏、すごく良かった!」と絶賛の声が届いています。昨年の年末に「コロナ姫」のテーマ曲をいただいた時から、もうこれで絶対いける!という妙な自信に後を押されて本番まできた感があり、私の芝居には音楽はものすごく大事なので、今回も!本当にうまくいきました。暗い中、弾かせてしまい…本当にお疲れ様でした。
(舞台裏。本番はもっと暗いのですよ…。)
●照明 音響
ホール付の橋爪さんにいつもお世話になっていますが、10年以上のお付き合いで、もうほんとに、私の世界観をよくわかってくださり、無理難題をお願いしても、取り組んでくださいます。光で見せる壁も演劇ならではでしたし、最後、赤い世界と青い世界をつなぐ夕陽こそが、照明の見せ所で、半円の舞台美術がどんどん色が変わっていく様は、当初、戯曲を書きながら、頭の中に浮かぶ一番好きなシーンでしたが、それが舞台に現実のものになると、なんとも感慨深くが…。
また音響ですが、コロナ姫の物語は生のピアノ、現実の家族はスピーカーからと分けました。こうした細かいニュアンスや効果を理解してくださり、橋爪スタッフ様にはいつも感謝、感謝です。
●出演者たち
今回、現役の中学一年生、外部出演のゲスト、皆、小町座を盛り上げて、見守ってくださり、作品を作ることができ、本当に感謝しています。
中学生との稽古は、個別に夜、お宅に伺うことも多く、その折にお母様が、心づくしのお茶とお菓子を用意してくださるのですが、とても美味しくて可愛らしくて…。こういったこと含めての芝居の時間、暮らしの中で続けているという実感が満ちてきます。とっても美味しいお茶でした。
そして、王役のゲストの山田キヨシさん、舞台写真みても、本当に映えてます。キャストにお茶目にアドバイスしてもらったり、私のきつい稽古に耐える?!小町座のメンタルを誉めてもらったり。父役の新居達也さんは、地元で様々な演劇活動をしていますが、キャストとして初めて参加してもらいました。見守りつつ、彼も書き手なので戯曲に関しても、理解してもらってるなという感覚は、稽古しながら思いました。
そして、小町座ですが…私の中で、小町座第2期が終わったという感じがしています。母親たちで立ち上げた第一期、朗読放送番組や地域の文化遺産からの取り組みが増えた第二期。そして第三期は?うーん、やはり、役者につきますかね。うまくなってほしいというよりも…いつもまっさらで、けれど、「これでもか!」という「あなた」が見たいと思います。人生100年、アラフィフはまだ半分?小町座の皆さん、成長しましょう。と言いつつ、演出する私の体力はもつのか?!
コロナ下で、いろんな制約がある中で、本番に向け調整し、苦しいことも多々ある中で、やりとげたこと、小町座のメンバーにはどのような力になっていくでしょうか。
そして、ご来場のお客様、心より御礼申し上げます。
これからも、奈良発の演劇を続けていきますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。
●コロナ姫~青い世界の姫と王
●赤い世界
●物語の人物をよぶ優姫
①奈良市の文化助成公演
こんな時期だからこそ、と文化予算を確保されて、奈良市では3月末まで、いろんな文化活動が継続できました。審査や申請、また事後の事務処理等、参加団体だけでなく、奈良市の職員の方は、年度末に重なり、大変ではないかと推察します。公演ができたのも、奈良という地域性を強く感じました。大阪圏ではありますが、爆発的な感染者もなく、暮らしの中でかなり気をつけながら、開催できたのも、大規模な町でないからこそでは。自分の町のスケールの中で、どのようにすれば文化事業ができるのか、コロナ姫を通して考えたことです。
②渡辺えりさんのトーク
私にとっては、これが一番のビッグイベント!と言いつつも、芝居の方にがっつりで、事前準備も行き届かず、お聞き苦しいところも多々あったと思います。生で聞くえりさんの声、トークの内容、演劇への愛と情熱!ほんと、これなくして何でしょう。そして、私たちはいつも「歴史」の上にいる、連綿と続いてきた、芸能文化の上にいる、ということをこれほど強く感じたことはありません。舞台に向き合う女たちの覚悟、そのリアリティが目の前にありました。自分の今することが、はっきり見えた気がしています。渡辺えりさん、ありがとうございました。次回はお会いできますよう!
③天理大学杉山ゼミの皆さんの参加
コロナ下だからこその技術、実際に私もオンライン会議とかしますが、ホールがオンライン対応でない、というところから始まり、そこに対処するには、アラフィフの小町座では無理ということで、大学生の皆さんにサポートと撮影をお願いしました。稽古段階より、見にきてくださり、稽古場に若い世代がいて、稽古後に、いろんな感想を語ってくれて…。指導者の杉山先生の明るく恒に考える姿勢が、ゼミの空気を作っているのでしょうが、こんな若者たちがいるなら、日本の未来は明るい!と、20代の息子がいる母としても思いました。若人たちの頼もしさ!今後ともおつきあいよろしくお願いします。(小町座関連のレポートも書いてくださっているので、また紹介できましたら)
④美術、衣装、音楽 照明
●小町座では久々のコスプレ?芝居で、作り物が多く、衣装、小道具大変でした。受験生のママがお家の中で衣装や冠を作っているのです…。稽古をみながら、こうしよう、ああしようとイメージを固めてくれる、出演者の個性も考えつつの作業。演出との絡みも多いので、やりとりを頻繁にしましたが、それも楽しく、日々の覇気になりました。
●美術は、写真を見ればわかりますが、月のような太陽のような半月がほしいとお伝えしましたが、小さな和紙の船型が沢山集まって形づくっている作品です。だから、光があたると陰影がでて、ぞくっとするのですが、私のほしかった「なんとなく怖くて何か蠢く感じ」がよく出て、照明でどんどん変わり…これは思った以上でした。たまに小さな船型がポロポロ落ちて、出演者たちがくっつける作業をしていましたが、ご愛敬。それもなんだかほっとする光景でした。
●音楽は、小町座では長ーいお付き合いの小宮ミカさん。ところが今回、生演奏。もちろん、書き始めた時からのプランでしたが、最後の最後まで、私は演出家としては、ピアノがあることで、芝居の物語に集中できないのでは、ふと現実の時間に引き戻されるのではという懸念が最後までありました。そこで、ピアノをあからさまに見えなくするのではなく、吊られた美術作品から、雫が落ちているような雰囲気で、ループを吊ってもらいました。とはいえ、ピアノは見えるので、後は、暗い中で弾いてもらうしかない!小さな光にも関わらず、出演者の芝居のタイミングを計りながら、毎回、同じでないのに?!最高の演奏!小宮さんのライブ感というか、音をその場に生かして出すというか、これは彼女しかできないことです。お客様も、「ピアノ、こうきたか!」「生演奏、すごく良かった!」と絶賛の声が届いています。昨年の年末に「コロナ姫」のテーマ曲をいただいた時から、もうこれで絶対いける!という妙な自信に後を押されて本番まできた感があり、私の芝居には音楽はものすごく大事なので、今回も!本当にうまくいきました。暗い中、弾かせてしまい…本当にお疲れ様でした。
(舞台裏。本番はもっと暗いのですよ…。)
●照明 音響
ホール付の橋爪さんにいつもお世話になっていますが、10年以上のお付き合いで、もうほんとに、私の世界観をよくわかってくださり、無理難題をお願いしても、取り組んでくださいます。光で見せる壁も演劇ならではでしたし、最後、赤い世界と青い世界をつなぐ夕陽こそが、照明の見せ所で、半円の舞台美術がどんどん色が変わっていく様は、当初、戯曲を書きながら、頭の中に浮かぶ一番好きなシーンでしたが、それが舞台に現実のものになると、なんとも感慨深くが…。
また音響ですが、コロナ姫の物語は生のピアノ、現実の家族はスピーカーからと分けました。こうした細かいニュアンスや効果を理解してくださり、橋爪スタッフ様にはいつも感謝、感謝です。
●出演者たち
今回、現役の中学一年生、外部出演のゲスト、皆、小町座を盛り上げて、見守ってくださり、作品を作ることができ、本当に感謝しています。
中学生との稽古は、個別に夜、お宅に伺うことも多く、その折にお母様が、心づくしのお茶とお菓子を用意してくださるのですが、とても美味しくて可愛らしくて…。こういったこと含めての芝居の時間、暮らしの中で続けているという実感が満ちてきます。とっても美味しいお茶でした。
そして、王役のゲストの山田キヨシさん、舞台写真みても、本当に映えてます。キャストにお茶目にアドバイスしてもらったり、私のきつい稽古に耐える?!小町座のメンタルを誉めてもらったり。父役の新居達也さんは、地元で様々な演劇活動をしていますが、キャストとして初めて参加してもらいました。見守りつつ、彼も書き手なので戯曲に関しても、理解してもらってるなという感覚は、稽古しながら思いました。
そして、小町座ですが…私の中で、小町座第2期が終わったという感じがしています。母親たちで立ち上げた第一期、朗読放送番組や地域の文化遺産からの取り組みが増えた第二期。そして第三期は?うーん、やはり、役者につきますかね。うまくなってほしいというよりも…いつもまっさらで、けれど、「これでもか!」という「あなた」が見たいと思います。人生100年、アラフィフはまだ半分?小町座の皆さん、成長しましょう。と言いつつ、演出する私の体力はもつのか?!
コロナ下で、いろんな制約がある中で、本番に向け調整し、苦しいことも多々ある中で、やりとげたこと、小町座のメンバーにはどのような力になっていくでしょうか。
そして、ご来場のお客様、心より御礼申し上げます。
これからも、奈良発の演劇を続けていきますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。
●コロナ姫~青い世界の姫と王
●赤い世界
●物語の人物をよぶ優姫