ことのはのはね~奈良町から

演劇、アート、短歌他、町家での出会いまで、日々を綴ります。

来年2/10公演「おにはうちものがたり」とNHK「チコちゃんに叱られる」!?

2018-11-10 | 演劇
今年の2月に市民参加型で公演した「奈良町ファンタジー」は町家が語るというストーリーを書きました。同じ枠で、来年2月「おにはうちものがたり」をならまちセンターで公演します。テーマは元興寺の鬼、ガゴゼ。今年は元興寺は、創建1300年、また世界遺産登録20年ということで、奈良町のこの大事な寺のお話を…ということで、考えたのが「おにはうちものがたり。今回は、朗読劇参加者だけでなく、舞台美術も音も市民参加で作るという…大チャレンジな公演です。企画そのものは早くからたっていて、音と美術も台本がなければプランも難しいでので…ということで、まずは脚本を書かねば!と、ガコゼのリサーチに、元興寺文化財研究所の角南さんに、お話を聞きにいったのが、6月…。そのお話がとても面白くて、漠然と「鬼」をどう書けばいいのかと思っていたところが、ものすごくすっきり、自分の中に柱が立ち、これはすぐに書けるぞ!と意気込んでいたら…え?!もう11月だよ…。ということで大反省、丁度二日前から、お話を聞いたことや調べていたことを確認しながら、脚本執筆して、ようやく半分書け、このまま行くぞー!と思っていたところに!
NHKの土曜朝の「チコちちゃんに叱られる」を見たわけです。チコちゃんの番組は、あのキャラクターにはまってしまい、毎週見ているのですが、今日の「なぜ、あっかんべーをするのか?」というテーマに、「もしや…鬼?!」と思っていたら、なんとその疑問のゴールが、元興寺の鬼だったのです。
「あっかんベー」は「赤目」で、目の下の充血したところの赤さなんですが、要は人を驚かすための形相として「赤目」を見せるのが「あっかんべー」なんですが、その驚かす形相こそが、元興寺のガコゼにつながるのです。元興寺文化財研究所の角南さんは、このコーナーの締めくくりに、「あっかんべー」をされていましたが、ユーモアがあって何だか「鬼」の温かさを感じました。
芝居のリサーチで伺った6月、角南さんから聞いた話はまさにそれでした。つまり、元興寺のガゴゼは悪霊を退散させるために、すごい形相で怒った、というのです。一般に、ガゴゼというと全国的に「鬼」として認知され、恐ろしいものの代名詞になっているのですが、実は、鬼のような形相によって、悪いものを追い払う、そういった意味もあるということをお話いただいたのです。
「鬼」ということは、短歌に関わるものとしては、いつも頭の中にあるテーマです。師の前登志夫も大きな「鬼」ですし、また柳田国男の著書の山人も「鬼」です。今の世の中にも「鬼」は跋扈していますが、その「鬼」をどう意識するのかで、善くにも悪くにもなるでしょう。
本日「あっかんべー」のルーツが元興寺につながったので、「おにはうちものがたり」のこれから書く後半はきっと「あっかんべー」が出てくるはず?!
こうした何気ない暮らしの中に残る所作などが、実は歴史の流れを背景に、現代の中に残っていることを伝えてくれる「チコちゃん」、ありがとうございます。
さて、その「おにはうちものがたり」の出演者オーディションが11月18日(日)に奈良町にぎわいの家であります。詳細は以下。美術や音のワークショップの参加者も同時募集しています。問いあわせは 事務局まで→fantasy.naramachi@gmail.com