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ことのはのはね~奈良町から

演劇、アート、短歌他、町家での出会いまで、日々を綴ります。

「おにはうちものがたり」取材ほか

2019-01-30 | 演劇
2/10の本番に向けてのホール稽古を終え、取材もいろいろしていただき、後は本番!……では全くなく、今回、朗読…というのに、私は演劇モードで動きを沢山つけ…それで皆さん、段取りに四苦八苦しています。特にホールはいつもの稽古場所と違うので、立ち位置の確認に必死です。
ただ、21名がそろうと、ホールもそれほど大きく感じません。今夜は音関連の打ち合わせ、まだ裏方もどんどん詰めていきます。何より、当日、皆さんが元気に舞台に上がれますように!以下、取材記事ですが、素敵なタイトルで紹介くださり…感謝。





30年前のラジオドラマ「幻の動物園」

2019-01-20 | 演劇
私的な話になりますが…30年前に書いたNHK「カフェテラスのふたり」で放送されたラジオドラマが、ニコニコ動画にアップされているのを発見…!びっくりしています。私の手元にはカセットテープしか残ってなく…。出演は今や脇役の名人、笹野高史さん(当時、舞台「上海バンスキング」のバクマツが秀逸!でした)と女優の石野陽子さん。ディレクターはその後、あの大河ドラマ篤姫や朝ドラの制作の方…という、皆さんとてもメジャーになられた方ばかり…。当時、NHK大阪放送局は今のようでなく、とても古い建物でした。ただ、当時は今よりも大阪局でのドラマの制作本数も多かったと思います。全10本書いたのですが、全然書けなくて、NHKにこもって明け方、生駒の山を越えて奈良に戻った…というような当時を思い出しました。ディレクター、音響さん、キャストの透明感のおかげで、なんとか出来た番組…本当に懐かしく。
未熟な脚本ですが、せりふの調べはあまり変わってないような…。絶滅動物をモチーフに人間ドラマを書いています。
ニコ動の画面にはコメントもあって、ネットならではのきついものもありますが、まさにその通りで、今ならこうは書かないぞと思ったり。30年たって再挑戦したいような気になっています。
とまれ、知らない方が音源をとって聞いてくださっているということに、びっくりしたり、有り難かったり。
恥ずかしいような気もしますが、よろしければ、以下のサイトより聞けますので、ご案内します。

https://www.nicovideo.jp/watch/sm12214667 (幻の動物園 第3回~第6回 ニコニコ動画)

舞台「おにはうちものがたり」まで後1ヶ月!

2019-01-14 | 演劇
1/13に新年初、4回目となる稽古がありました。午前中の2時間のみ。(つまり今日でトータルたった8時間!の稽古なのです。)年明けて、一つびっくりしたのは…初参加の方で声もあまり出ず、芝居のニュアンスも中々つかめなかった方が…伸び伸びと声を出し、また芝居の流れにのってきます。
稽古されたのでしょうが、こういう姿をみると、なんとも嬉しく元気がでます。また今回、中学生の出演者は自分の心の弱さを抱える部分を演じなければならず、年末に個人稽古つけたのですが、彼女もよくそのあたりを消化してきていて、感心しました。
私の演出は、技術的なことでなく、作品の情緒な全体の感性のニュアンスを、どう理解してもらうか、そこが大事なところです。一人、勘違い?の芝居をしている人がいると、作品そのものが伝わりません。このあたりの芝居全体を掴む感性が、皆さんとても優れています。それぞれの人生の中から、体得されたものが出るのでしょう。
今回、劇ということで、読みの部分はセリフとナレーションからなります。その「ナレーション」ですが、全く、芝居から離れないところで、けれど、芝居のセリフの読み方でなく、「鬼の要素を入れてのナレーション」という、ものすごく難しい注文をしました。ところが、これを体現してくれる方が出てきて、その芝居を皆さんが耳にすると、私の演出の細かい意図が具体的に伝わり…といった感じです。昨年の出演者もいるのですが、1年後のセリフやナレーションの読みの変化は、すごいものがあるなと感じました。読みはまだトータル6時間なんですよ、稽古…。その短時間での出来には感謝です。
さて、本日は動きをつけました。今回、20代の参加者が多く、動きをつけたいという気持ちになり、朗読劇というのに、かなり動きます。今日は基本的な位置関係をと思ってつけていきましたが、私、動きをつける時、声も動作も皆さんの倍以上動くのです。で、途中、苦しくなり…小町座のメンバーがつけてくれました。いやいや気をつけないと…。
さて、年末、音制作チームのワークショップに参加しました。オーガナイザーの浅利さん、音響デザインの松尾さんの指導で、参加者が何もないところから音を作っていきます。椅子をひいたり、ボールペンをおとしたり、自分の声を出したり、参加者のアイデアにも脱帽!その音をすぐ松尾さんが収録、いろんな聞き方をさせてくれます。こうしたアイデアと技術、即興のソフトが優れたハードによって、すぐに再生、表現へつなげられる素晴らしさに、新たな可能性を見た気がしています。いや、本当に素晴らしいワークショップでした。
そして、美術の方はたかはしなつきさんが、皆さんが描いてくれた染めの布で、現在、美術空間に設置するものの形を整えてくれています。衣装プランは舞台スタッフが進めています。
こうした大勢の皆さんの「手」の集合体が、舞台になります。究極のアナログの集大成?!だからこその何ものかが伝わる舞台になるはず。
皆様、是非、ご覧ください。



音ワークショップ。これがどんな音に?!

参加型朗読劇「おにはうちものがたり」稽古スタート!

2018-12-03 | 演劇
来年2月10日に公演の「おにはうちものがたり」の初顔合わせ、初読みしました。先月18日に、オーディションをしましたが、今年は二十代の若い女性の参加が多く、平均年令が下がり?!、若々しい舞台になりそうですが…。先のプログに戯曲の内容に触れましたが、今年世界遺産登録20年を迎える奈良町は元興寺の神、元興寺神(ガゴゼ)をモチーフに、一体、鬼って何?と問いかけるようなお芝居になっています。
新しい方たちとの読みは、とても楽しみです。まだ声が出ていない方、中身の言葉を探っている方…昨年の参加型公演「奈良町ファンタジー」のメンバーもいますから、やはり経験者と初めての方では、声の出し方も息の深さも違います。
ただ、全員で声をそろえた時、本当に気持ちがよくて、きっといいチームワークで進むだろうな、と嬉しくなりました。私も毎回も全力ですが、演出って、あの御大、蜷川幸雄さんのように、やはりどうしても大声出して、怒鳴ってなんぼ!みたいなところもあり、果たして体がついてくるかな?でございます。朗読劇、というと、動かずただ、読むだけのイメージですが、今回、なるべく若い方に動いてもらって、より演劇に近い朗読に仕上げる予定です。たった6回×2時間の稽古…。(いつものことですが…)出演者の皆さん、どうぞ「鬼」になって、元気に舞台に上がってください。
尚、出演者以外のスタッフワークも、今回参加型です。舞台美術は彫刻家のたかはしなつきさん、音響は松尾謙さん、浅利大起さんが指導して、
一般参加の方たちと、素材を制作したり、音を作ったりしています。こちらもとても楽しみ。既に、美術の方はワークショップを終えました。
舞台の全部が参加型は、かなり珍しいです。奈良では初めてかな?
というわけで、来年2/10日曜、ならまちセンター、2時からの開演、無料です。是非、ご予定ください。 



美術ワークショップの様子。


来年2/10公演「おにはうちものがたり」とNHK「チコちゃんに叱られる」!?

2018-11-10 | 演劇
今年の2月に市民参加型で公演した「奈良町ファンタジー」は町家が語るというストーリーを書きました。同じ枠で、来年2月「おにはうちものがたり」をならまちセンターで公演します。テーマは元興寺の鬼、ガゴゼ。今年は元興寺は、創建1300年、また世界遺産登録20年ということで、奈良町のこの大事な寺のお話を…ということで、考えたのが「おにはうちものがたり。今回は、朗読劇参加者だけでなく、舞台美術も音も市民参加で作るという…大チャレンジな公演です。企画そのものは早くからたっていて、音と美術も台本がなければプランも難しいでので…ということで、まずは脚本を書かねば!と、ガコゼのリサーチに、元興寺文化財研究所の角南さんに、お話を聞きにいったのが、6月…。そのお話がとても面白くて、漠然と「鬼」をどう書けばいいのかと思っていたところが、ものすごくすっきり、自分の中に柱が立ち、これはすぐに書けるぞ!と意気込んでいたら…え?!もう11月だよ…。ということで大反省、丁度二日前から、お話を聞いたことや調べていたことを確認しながら、脚本執筆して、ようやく半分書け、このまま行くぞー!と思っていたところに!
NHKの土曜朝の「チコちちゃんに叱られる」を見たわけです。チコちゃんの番組は、あのキャラクターにはまってしまい、毎週見ているのですが、今日の「なぜ、あっかんべーをするのか?」というテーマに、「もしや…鬼?!」と思っていたら、なんとその疑問のゴールが、元興寺の鬼だったのです。
「あっかんベー」は「赤目」で、目の下の充血したところの赤さなんですが、要は人を驚かすための形相として「赤目」を見せるのが「あっかんべー」なんですが、その驚かす形相こそが、元興寺のガコゼにつながるのです。元興寺文化財研究所の角南さんは、このコーナーの締めくくりに、「あっかんべー」をされていましたが、ユーモアがあって何だか「鬼」の温かさを感じました。
芝居のリサーチで伺った6月、角南さんから聞いた話はまさにそれでした。つまり、元興寺のガゴゼは悪霊を退散させるために、すごい形相で怒った、というのです。一般に、ガゴゼというと全国的に「鬼」として認知され、恐ろしいものの代名詞になっているのですが、実は、鬼のような形相によって、悪いものを追い払う、そういった意味もあるということをお話いただいたのです。
「鬼」ということは、短歌に関わるものとしては、いつも頭の中にあるテーマです。師の前登志夫も大きな「鬼」ですし、また柳田国男の著書の山人も「鬼」です。今の世の中にも「鬼」は跋扈していますが、その「鬼」をどう意識するのかで、善くにも悪くにもなるでしょう。
本日「あっかんべー」のルーツが元興寺につながったので、「おにはうちものがたり」のこれから書く後半はきっと「あっかんべー」が出てくるはず?!
こうした何気ない暮らしの中に残る所作などが、実は歴史の流れを背景に、現代の中に残っていることを伝えてくれる「チコちゃん」、ありがとうございます。
さて、その「おにはうちものがたり」の出演者オーディションが11月18日(日)に奈良町にぎわいの家であります。詳細は以下。美術や音のワークショップの参加者も同時募集しています。問いあわせは 事務局まで→fantasy.naramachi@gmail.com