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クチヒゲノムラガニの生態

退職し晴耕雨読的研究生活に入った元水族館屋の雑感ブログ

中辺路紀行⑮ 伏拝王子とその周辺~味わい深い伏拝集落~ 20230319

2023-03-20 | 雑感

田辺市熊野ツーリズムビューローの古道地図を引用

 今年初めての中辺路王子巡り。中辺路完全制覇まで残り3回となってしまったので、名残惜しく出発をためらっていた。今回は伏拝王子をメインに据え、最寄りの道の駅に車を駐め、平岩口バス停から古道に入り、三軒茶屋跡を経て伏拝王子を詣で、水呑王子を往復するコースを取った。帰りの買い物も含め、全行程1.6万歩、約13kmであった。
 快晴、ほぼ無風、山桜(満開)・ソメイヨシノ(咲き始め)をはじめとして様々な春の花の競演と、のどかな伏拝地区の風土を満喫させていただいた。
 それにしても、伏拝地区の人と風景は素晴らしい。この残された昭和の山村の面影は、限界集落とも呼ばれるが、将来、無くなってしまうかもしれないことを考えれば王子跡よりも貴重であるように感じられる。それは、私が昭和世代であるからであろうか。今回は、いろいろと心に染み入る散策であった。
 中辺路王子巡りの残りは後2回とすることにした。次回は三軒茶屋跡から本宮熊野大社に至り、周辺の町並み散策と妻のリクエストである有名なシュークリーム屋に入るコース、最後は本宮大社から大鳥居を経由して唯一残された湯峰王子を巡るコースである。湯峰王子では完結記念に温泉にて祝杯する予定。


平岩口バス停にある古道入口


三軒茶屋跡。きれいなトイレも整備されている。


途中で出会った台湾の団体。今回は参詣道のメインであるだけに、また、ほぼ唯一の逆行者であったために、これまでの行程で最も多くの人とすれ違った。その数、述べ100人ほど。


伏拝王子。右手は休日のみに営業される茶屋(満員であった)、左上の山中に質素な王子跡と和泉式部の歌碑とその供養碑がある。


伏拝集落。奈良との県境に伸びる果無山脈を望む。


伏拝集落。素敵なお家と井戸(菊水井戸)。


伏拝集落。歴史を語る廃屋。


伏拝集落。少しばかり有名な「おとなし茶」の茶畑が点在する。


伏拝集落。集落の外れに鎮座する菰を着たお地蔵さん。集落の人柄がわかる。


集落で挨拶したら親切にしてくださった農家のおばあさん。お孫さんが描かれたとのこと。おとなし茶や作物を栽培し、一部を無人販売所に置いている。八朔をたくさんわけていただいた。「私みたいに年取ったらどこにも行けないから、あんたら若い内にたくさん歩いときなさいよ」と人生の教示をいただいた。ちなみに、おとなし茶は控えめなウーロン茶のよう。お湯を入れて少し置いておくと味と香りが出る。伏拝集落のような滋味がある。また、購入したい。


おばあさんの無人売店。お茶と梅干しを買わせていただいた。


おばあさんの茶畑。


伏拝集落と水呑王子の間にある峠。帰りがけに、ここでおもしろい現象に出会った。すれ違った中年の男性が、私たちの後ろの「人?」にもはっきりと挨拶をして行ったのである。私たちの後ろには誰もいないはず。驚いて振り返ったらやはり誰もいない。以降、神経を後方に集中して峠を歩いたのであるが、「それ」の気配は何も感じられなかった。「それ」はすれ違った男性について戻った?、もしくは男性にかつがれた?
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