エッセイ -日々雑感-

つれづれなるままにひくらしこころにうつりゆくよしなしことをそこはかとなくかきつくればあやしゅうこそものぐるほしけれ

インカのコンドルは永遠の命で飛び、そして私は71才

2017年11月03日 | 雑感


2017年11月3日


 台風や、なにやからで、2週間ほど休んでいた大文字登りを、昨日から再開した。


胆嚢摘出の手術後2か月ほど運動らしい運動をしていない家内を連れ出した。

ゆっくり登れば大丈夫だ。

                                    

今日も天気がいい。大空をトンビが舞っている。彼らは、“大の字”地点で食事している人の弁当をねらっているのだ。

 わたしがこのトンビたちを見ていつも思いだすのはインカの伝統歌、“コンドルは飛んでゆく”だ。

残念ながらここでは、コンドルを見られないので、トンビで代用する。

                                 


                                 


 もともとこの曲、歌詞はなかったらしいが、サイモンとガーファンクルが作って、有名になった。

わたしなら、先祖の魂が我々を見守っているという詩を作る。だが残念ながら私には詩心がない、言葉のセンスもない。

 

充分休んで下って行った。途中、千人塚で休んでいたら、青シャツの老人が下りてきた。私が積極的に話をする唯一の相手だ。

 今日は初めての家内と彼との会話だ。


いろんな話のあと、彼は、“お宅も敬老乗車証持ってはります?と家内に聞いてきた。

家内はにこにこ、“もちろん!”とパンパンっとバッグをたたいた。

 

 しかし明るかったのは青シャツが居たここまでだ。「あーあ、今日は私にとって最大の哀しみの日。はじめて実年齢そのままに見られてしまった・・・・」

”髪も薄くなった、顔もシワシワ、長年の苦労がついに表面化したんよね”、と歩きながらつぶやく。

そして“もう明日から行かないからね!”

これまで、彼女はかなり若く見えるとわれわれ仲間内の定評だった。しかし今年彼女も71となり、たしかに年を取った。

 

たしかな青シャツの観察眼ながら、言う言葉に、もう少し気を使ってほしかった。 私なら、“はあ、ちょっと、そうには見えませんが”、など言うが、最初から敬老乗車券ではどうしようもない。


というわけで、まあ、疲れて帰ってきました。