窓に映った部屋 

小さい頃、叱られては、窓に映った部屋に逃げたいと思っていました。同じ部屋なのに別世界に見えて。

願ったものは…② ケーキだけを携えて

2005-07-28 19:24:45 | 新婚前後の日記
結局、本人に会ったときにワイシャツのサイズをさりげなく聞き出そうとするが、さりげなさ演出に失敗。
なぜそんなことを聞いたかがバレたうえ、引き換えに得た情報が、「サイズは忘れた」という回答だった。

ということでワイシャツは諦め、カジュアル着を贈ることにした。
さわやか系の某ブロガーにメンズならここ!と推薦してもらった新宿伊勢丹メンズ館に行き、その圧倒的な量と質に呆然とする。
しかもそこに並ぶワイシャツに魅了され、一旦消去した筈の選択肢がムクムクと蘇ったのだ。
考えがまとまらないままショップからショップへ徘徊したが、目移りするばかりで余計に頭がこんぐらがってくる。
当日も待ち合わせ時間の前までデパートやショップを巡ったが、悩み続けるうちに時間が迫り、焦りで次第に涙目に。
それでも決められず、やむなくケーキだけを買って小田急線に乗った。

ケーキはとても喜んでもらえた。仕事で疲れた顔をしていたのに、箱を開けた途端タルトもガレットも美味しそうにパクついている顔を見て、あんなに悩まなくても良かったかもしれないなと思った。

このとき言った精一杯のお祝いは
「誕生日おめでとう。〇○歳のあなたの人生を、私に一緒に過ごさせてね」

そして結局、プレゼントには二週間後にカットソーを買った。

大変だったが、それ以来、彼の服関係の世話を焼くのにハマりはじめた。
結婚を決断できた理由の一つになったと思う。

願ったものは…① ワイシャツ戦記

2005-07-21 20:07:15 | 新婚前後の日記
一、二年のうちに結婚しようと決めたのは、たしか年明けのことだった。
その頃はまだ実感が湧かず、まるで必然性をもって発生するような過密イベントをこなしていくことに精一杯だった。

その前後、日記として書き留めたい出来事もいっぱいあったので、少しずつ書いてみようと思う。

年明けすぐに、彼氏(ダンナ)の誕生日があった。
今回はなんだか、踏み込んだかんじのものを(ネクタイ等、他人でも贈れるようなものではなく)贈りたかった。
使う機会が多くて、身につけるものを・・・と考え、当時仕事の虫だった彼氏を思い浮かべたとき、「ワイシャツ」という答えに行き着いた。
が、行き着いたはいいが、ワイシャツはいったい何の数値でサイズ分けされているのかがわからない。しかも、その部位の彼氏のサイズもわからないことに気づいた。

いきなりハードル出現だなぁと独りごちて頭をかく。
まあ、だからこそ「踏み込んだ」品物といえるのだが。
付き合って約5年、未だにワイシャツのサイズも知らないなんて!
と、そんな声が頭の中で響く。

本人と会ったときに、こっそりワイシャツの襟元を覗こうか、いやそもそもタグは襟元に付いているものなのか、それとも前身ごろと後ろ身ごろの縫い目のところか、そのどちらにも付いていなかったら寝てる隙に測ろうか。いやいやいやいや……何の長さを測ればいいんだよ。

せめて父親に一度でもワイシャツを贈った経験があればと悔やむ。

彼女に下着を贈ろうとして戸惑う男の人ってこんな気分なんだろうかと思ってみる。しかし彼女の下着に比べると彼氏の上半身着の方が公な恋人指数が高い気がするし、それに、女性の下着のサイズ表示は(一般に)男の人はものすごくよく知ってる気がする。

だいたい、彼女に下着を買ってあげようとして知識不足で戸惑う男の人は微笑ましいが、数年付き合った彼氏のデータがわからずにつまづく女は微笑ましくなーい!

こうして誕生日の贈りもの準備は、多くの悩みとともに滑りだしたのだった。

(ひとまず ここまで)

性別フォルダ 再び

2005-07-11 18:47:50 | ライフ・哲学系
入籍する前に、偶然機会が得られたので伯母3人に婚約者(ダンナ)を紹介した。

いろいろと、ひとしきり聞かれた後、「仕事は続けるの?」と聞かれた。
続けると答えたら、「そうよね、何もしないで家で待ってたって、つまんないものね」
と言われた。

何気ない言葉だと思うが、やりとりが妙に心にひっかかってしまって、忘れられない。

何もしないで家で待っている?

そんなことってあるだろうか。洗濯、掃除、料理、育児…どれひとつとっても、きちんとやろうとしたら大変なのに。
伯母たちは、子供の頃から家業とそれらをやらされてきて、結婚してからも当然のように主婦業をやらされてきたはず。

そんな人たちが、家事は「何かやっている」もののうちには入れていないのだ。

いや、こうして書いているうちに思ったが、彼女たちのうち二人は商売をしている家へ嫁いでいる。もしかすると、家事を主としてやりながらも、商売を手伝うこともしていたからこその発言かもしれない。

それにしても、「仕事は続けるの?」と他のおおくの人から言われた。
しかも、私も今まで友人知人が結婚するときに言ってきた。

今回それを聞かれる立場になって、本当に妙な気分だった。

それぐらい、女にとって「結婚と仕事」は、大きな問題なのだと思う。

私は別にすごい仕事をしているわけではないし、稼げるひとでもない。
ワーカホリックになれるほど体も心も精神も強くない。
家事やおしゃれを要領よくこなせるような器用さももっていない。

それでも、仕事はしたい。

人間関係で悩んでも、通勤が大変でも、長い時間拘束されても
いわゆる「社会」とか「ビジネスの世界」の中で、立ち居振る舞う感覚を忘れたくないから。ブランクを空けるのが怖いからだ。

ではなぜそんなに、「ビジネスの世界」に執着するのか。
やはり、「やりがい」という言葉に行き着くのだと思う。言い換えれば「自分のお給料として目に見えるかたちで成果が得られるから」だと思う。

さらに私自身のことに限って言えば、文書を読み書きして考え、情報を伝えることが、(いまはスランプだけど)好きだから。家事も好きだけど、家事よりも好きだから。


結婚してよかった。結婚してよかった。ダンナのことは愛してる。愛してる。大好きだ。

それでも、女としての自分の生を思い悩まずにはいられない。

キツネは捕まえられたか(入籍一ヶ月)

2005-07-07 22:47:36 | 自己紹介
先月、無事入籍しました。気にかけてくださっていた方、ご報告がおくれてすみません。
訪れてくださった方、今まで応援くださった方、すべてのご縁へ感謝しております。

ただ、現在なかなかブログが更新できない状態にいます。
目先のしごとで頭がいっぱいになってしまって言葉が紡げないのです。

しかも、いまや考えてることといえば家事のコトとダンナのコトと…
そして仕事のコトといった状況で、それが(まだ書いていない)記事の方向を狭めてしまうような気もしてます。

(ダンナは非常に理解を示してくれています。でも私自身がいろんな意味で自意識過剰になって動けなくなっているようです。)

せっかくの幸せを、ヒステリックと意地っ張りで失わないよう、
「あわてず、あせらず、あきらめず、あげあしをとらず、アイロニーを連発せず… (by(最初の3つのみ)わどさん)
日々を楽しんでいこうと思います。


以下、リハビリ代わりに…… 二年前、孤独感のうちに手帳に走り書きしたものを転記して、旧姓時代の私の墓標にしようと思います。(ナルナル物質に注意!w)


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きつねのイメージがわいた。
きつねのようなものかもしれない。私の探している幸せは。
色は茅葺き色。
用心深そうに耳をたてて、細い目でこちらを見ている。
私が他のことに気をとられるとあとかたもなく姿を消してしまう。
まだ今は、小さく見えるだけ。
冬の林にいる。

暗い林の中を歩く。
一人で。
道はでこぼことしていて石や水たまりが私の思考にはたらきかけようとしている。
林の道を一人で歩く。
妖魔がときどき誘いかける、明るい整備された道へ。
しかし本当に思考するとしたら、一人で暗い林を歩かなければならないのだ。
一人で探らなければならない。