その日、私はサンマが食べたかったのだ。 なんとしても食べたかった。
なので、ダンナが前日から少し体調悪そうにしていて、
ちょっとあれかなと思ったけれど、
夕食はサンマで強行させていただいた。
夕食を作っている間にダンナが帰ってきて、意外と元気そうな顔をしていたので
ワイシャツの部分洗いをやってくれるように頼んだ。
彼はまるで漢字テストを言い渡された中学生のような反応をしたが、すぐにやってくれた。
サンマは大根おろしとすだちを添えて出した。
副菜はニラのゴマあえ。
夕食を食べ終え、食器を洗い終えてワイシャツにアイロンをかけようとしたとき
彼がぎゅっと私を抱きしめて「一緒にいてくれてありがとう。側にいてくれることが、ありがたいよ」と言ってくれた。
私は驚いて、ただうなづくことしかできなかった。
やっぱり、ダンナは風邪をひいていたようだった。