窓に映った部屋 

小さい頃、叱られては、窓に映った部屋に逃げたいと思っていました。同じ部屋なのに別世界に見えて。

ヘッセ、ヘルマン・ヘッセはありますか

2006-08-04 19:06:16 | 日記(カテゴリ外)
地元の小さい書店で、ちょっとした現実逃避というか無意味な物色をしていたら、入口の自動ドアが開く音とともに標題のセリフが飛び込んできたのだ。
声の主は熟年というか壮年の男性で、「わるいね、探すのが面倒だから」と言いながら、店員さんと棚の間を移動してきた。

どうもヘッセの本がなかったか、あってもお目当ての作品ではなかったようで、
「生まれ出づる悩み」(送りがな違うかも)でもいいのだけど、とも聞こえてきた。

さてさて、ありますかね。
気にはなったけど、あえて彼らに背を向けてその店を去った。

あの人は、お盆に会う甥か孫にでもプレゼントするんだろうか。
それともふいに思いたって、自分が読むために買うのだろうか。

もう読んだことはあるのだろうか、まだなのだろうか。

個人的には、「車輪の下」よりも「デミアン」を推したいですね
と、心のなかで言った。

ヘッセ、ヘッセ。

私も、また読みますかね、と。

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6 コメント

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じつは一部分しか知らないんだけど (はにゃ)
2006-08-09 07:16:17
友達の蝶々(俺のイメージは蛾っぽいけどw)を

ポケットの中でバラバラにしちゃう話が好きかもです。

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『少年の日の思い出』ですね (choko)
2006-08-10 19:49:47
もしくは『(原題)クジャクヤママユ』ですね。



中学一年の光村図書の教科書で読んでたのですが、

その頃は特にヘッセが好きではなかったので、気付きませんでした^_^;



ただ、教科書で読まされた小説・物語のなかでは一番、印象深く、リアルに感じたのを憶えてます。

でもこれ、文庫では見たことないんですよね。
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調べてみた。 (はにゃ)
2006-10-05 08:53:00
http://ymiyagi.cool.ne.jp/books/hesse.html

ちょろっと気になるところもあったのでこのページを読んでみました。

結構記憶が曖昧になってるんだけど、

どうやら蛾であっているようですね。

「美しい蛾」というものが僕には瞬間的にイメージできなかったので

たぶん蝶々だろうと思ってそう書いたのですが

むしろ記憶されたイメージの方が正しかったようです。



この解説を読むと文章を校正することの難しさがだんだんと身に染みてきますね。

僕が読んだのは教科書だったし

国語教師の薄く喜びにほころんだ気難しい表情さえ浮かんでくるので

「少年の日の思い出」に間違いないだろうと思うのですが

「クジャクヤママユ」から「少年の日の思い出」に書き換えられたのは

それが「教科書」であったがゆえに、、、と思うのです。

たぶん中学の教材としての文章に最適化するため、

いろいろな思惑によってさまざまなフィルターがかけられたんだろうなぁ、と。



一部分しか知らない

と書いたのはそこに書かれた物語が抜粋だったような気がしていたからなんですが

もしかすると一応一つの物語として完結するように書かれていたかもしれません。



もう一度教科書を読んでみたいような気もしますが

たぶん読むと記憶されていたイメージが書き換わってしまうんだろうな……と。



難しいっすね。

ゼロの感性によって読むことはできない。

それゆえに、真っ白な文章を読むこともできない。

一度読んだものを、同じ目線で読むこともまた、できない。

分析すればするほど、純粋な読者として読むことは難しくなる。



ヘッセ、機会があれば またどこかで。
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コメントありがとう (choko)
2006-10-06 22:37:01
そのサイト、私も見つけましたよ。

そこの筆者さんの手元にも完全に原文と訳文の両方が揃ってるわけではないみたいですね。



まあ、こだわりだすと、いつでも読めそうなものが意外と読めないものなんだなと思いました。



おそらく教科書の方なんでしょうけどね。



たしかにフィルターはかかっているでしょうね。



ただ、私にはとにかく、主人公が友人の蝶を勝手に触ってしまう行為を書いた文章自体が鮮烈でした。「かさこじぞう」とか「ごんぎつね」とか「くじらぐも」とか、国語の勉強なのか道徳の時間なのかよくわからない授業漬けで育ってきたのに……と。



まあ、語りだしたら、きりがなさそうです。





話は変わりますが、BF4の件、全然レスできてなくてごめんなさい。いま、何もかも処理能力を超えた状態になってしまっていて、なかなか浮上できません(泣



長い空白になってしまいました。浮上してきたらメールしますね。







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うーん。 (はにゃ)
2006-10-07 00:58:07
BF4は特に誰にもレスは期待してないっすよ。

むしろ自分を奮い立たせるのがもう無理なのかなぁ…みたいなとこで止まってます。



まぁ別にその話題が特別嫌ってこともないんですが。



しかし僕が気になっているのはヘッセが何故あれを書いたのかってことなんです。

いや、動機としてはわからなくもないんですが、

もう少し潜ると、大人になってから「少年の日の思い出」として書くに至ったのは何故なのかというか…



思い出って思い出すから思い出なんですよね??

ちゃうのかな?

書き残すという行為と書き換えるという行為もなんだか違うし…。

よーわからんのです。

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うーん ⌒2 (choko)
2006-10-07 19:52:00
そうですね。



私はその作品を教科書に採録した人の意図が気になって、

はにゃんは作者の動機が気になってる、と。



興味をもつ範囲が、かぶってるようでかぶってないような……w





まあ、書き添えさせていただくと、ヘッセは少年時代とか青年期のああいう部分に材をとった作品をけっこう多く残してまして……



『ナルチスとゴルトムント(邦題「知と愛」)』なんか、主人公ゴルトムントが彷徨するうちに「不道徳な」行為をいろいろするんですが、

まあ、何となく主人公=作者自身に思える作風だけに、読んでる方がハラハラしたりして。



いやもう文学だの映画だのには、そういう「倫理」にあえて触れるような作品だらけですが……



ヘッセのは、何か他と違って、不器用な、素の手記みたいなかんじなんです。







って、私は思ってます。



まあ、ほんと、機会があったら、いつか。どうぞ。
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