地元の小さい書店で、ちょっとした現実逃避というか無意味な物色をしていたら、入口の自動ドアが開く音とともに標題のセリフが飛び込んできたのだ。
声の主は熟年というか壮年の男性で、「わるいね、探すのが面倒だから」と言いながら、店員さんと棚の間を移動してきた。
どうもヘッセの本がなかったか、あってもお目当ての作品ではなかったようで、
「生まれ出づる悩み」(送りがな違うかも)でもいいのだけど、とも聞こえてきた。
さてさて、ありますかね。
気にはなったけど、あえて彼らに背を向けてその店を去った。
あの人は、お盆に会う甥か孫にでもプレゼントするんだろうか。
それともふいに思いたって、自分が読むために買うのだろうか。
もう読んだことはあるのだろうか、まだなのだろうか。
個人的には、「車輪の下」よりも「デミアン」を推したいですね
と、心のなかで言った。
ヘッセ、ヘッセ。
私も、また読みますかね、と。
声の主は熟年というか壮年の男性で、「わるいね、探すのが面倒だから」と言いながら、店員さんと棚の間を移動してきた。
どうもヘッセの本がなかったか、あってもお目当ての作品ではなかったようで、
「生まれ出づる悩み」(送りがな違うかも)でもいいのだけど、とも聞こえてきた。
さてさて、ありますかね。
気にはなったけど、あえて彼らに背を向けてその店を去った。
あの人は、お盆に会う甥か孫にでもプレゼントするんだろうか。
それともふいに思いたって、自分が読むために買うのだろうか。
もう読んだことはあるのだろうか、まだなのだろうか。
個人的には、「車輪の下」よりも「デミアン」を推したいですね
と、心のなかで言った。
ヘッセ、ヘッセ。
私も、また読みますかね、と。