遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

不二見焼果物紋小丸皿

2022年09月10日 | 古陶磁ー国焼

名古屋の小窯、不二見焼の小皿です。

径 9.3㎝、高 1.6㎝。幕末ー明治。

幕末期から明治にかけて、名古屋で焼かれた焼物です。

半陶半磁のボディに、黒呉須で果物のような物が描かれています。

なかなか渋い品です。用途はお茶?

裏面に、「不二」の押印があります。

不二見焼は、幕末、尾張藩士、村瀬美香とその子亮吉が自宅に設けた窯で焼いた茶陶です。

名古屋市中区に不二見町があるので、その辺りに窯があったのでしょう。

不二見の名の通り、江戸時代には、そこから遠く富士山が望めたと言われています。今では、名古屋のど真ん中(^^;

葛飾北斎『尾州不二見原

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渋草焼色絵唐子犬図四方皿(5枚)

2022年09月08日 | 古陶磁ー国焼

今回は、飛騨高山の渋草焼です。

幅 12.3㎝x12.3㎝、底 6.7㎝x7.2㎝、高 3.6㎝。大正ー昭和。

 

それほど古い品ではありませんが、雰囲気があります。

裏底に、「渋草芳国」とあります。渋草焼芳国舎窯の焼物です。

中国風の五彩絵付けが軽妙です。5枚、それぞれわずかに違いがあります。

裏面もキッチリと描かれています。

渋草焼は、天保年間に、飛騨高山の地で、半官半民の焼物として生まれました。当時から、戸田柳造の柳造窯と芳国舎が、主要な渋草焼の窯元であり、この二つは現在まで続いています。磁器、陶器ともに作られ、色絵、染付、青磁、白磁など、多種多様な焼物が渋草焼の特徴です。それだけに、裏銘が無い古い作品を、渋草焼と判断するのは非常に難しいです。

今回の品は、渋草焼の当初から人気のあった南京赤絵風の磁器です。お値段も手頃ですから、気軽に雰囲気のあるテーブルセッティングができます。その点、飛騨高山のもう一つの名産品、春慶塗と似てますね。

 

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青枯病に挑戦 3.菌よく菌を制す

2022年09月06日 | ものぐさ有機農業

青枯病との戦いも3年目です。今年の結果を報告します。

前年度の試みで、垂直栽培が有効かもしれないとの感触を得たので、3度目の正直ということで、比較は無し、全部垂直栽培にして、その効果をみることにしました。先回に使った線虫捕食菌資材もまだ余っていたので、土造りの段階で入れました。

植えたトウガラシ類は、シシトウ3本、ピーマン2本、パプリカ2本、万願寺トウガラシ5本、計12本です。

青枯病に連作は良くないと言われているのですが、他の作物との関係で、3年連続して同じ場所に植えました(^^;

作付けは、5月中旬。

植えてから、10日ほどで、パプリカが2本とも枯れました。その一週間後、ピーマンの1本が枯れました。

6月に入って、シシトウ1本、万願寺2本が枯れました。このままポツポツと枯れて行って、昨年なみの1本が残ればいい方か(^^;

ここで、はたと気がつきました。青枯病は、青枯病菌の仕業。他に無数の菌がいるでないか、それらの菌が優勢なら青枯病菌の出る幕はないのではないか・・・・私たちの腸のなかでは、いろんな菌がワンサといて、善玉菌が優勢なら、悪玉菌の悪さを抑えられるらしい。土壌は、腸のようなものではないだろうか・・・

青枯病菌は、水はけの悪い場所で繁殖しやすいし、地下1mでも生息するので、酸素が少なくてもすむ嫌気性菌の部類に属するでしょう。ならば、嫌気性の有用菌がいい。そうだ、EM菌!ちょうど使いさしのEM菌液があったので、推奨倍率の5倍、200倍の濃厚液を株元に与えました。

また、なぜか今年は、ヨーグルトがよく余ったので、それも200倍で株元へ。乳酸菌は、腸内に生息する多くの菌と同じく、好気性、嫌気性の両面を備えた通性嫌気性菌ですから、もってこいの菌ですね。

で、6月中旬から、EM菌液とヨーグルト液をそれぞれ1日おき、交互に株元に与えました。

7月に入り、トマトの青枯病に、アミノ酸の一種、L-ヒスチジンが効果があるとの記事を見つけました。そこで、先の液に4g/10リットル位になるように加えました。

結局、この段階からは、青枯病に対して、線虫捕食菌+EM菌+乳酸菌+L-ヒスチジンの効果を試すことになりました。

5月に、パプリカ2本、ピーマンの1本、6月に、シシトウ1本、万願寺2本、計6本が青枯病で抜けた後、残りの6本(シシトウ2本、ピーマン1本、万願寺トウガラシ3本)に対して、6月下旬から各種有用菌やアミノ酸の有効性を検証することになった訳です。

 

その後、残った6本は順調に育ちました。但し、シシトウの内の1本は、他の病気(葉が縮れて花、実がつかず)にかかり、収穫はできません。他の5本は、どんどん実を着けました。

特に、3本の万願寺トウガラシの勢いはすさまじく、支柱の長さが足らなくなって、急遽、竹竿を立てました(^.^)

6

左から、ピーマン、万願寺、万願寺、万願寺。左端に小さく(高60㎝くらい)。万願寺トウガラシが飛びぬけて大きくなりました。

180cmくらいの高さになっています。

これくらいの大きさになると、実がつくのもハンパでなく、3本、3-4日で、バケツ1杯ほどがとれます。

 

今年は、あれもこれもと、いろいろな試みを継ぎ足し継ぎ足ししてやってきました。なんとか、打率5割のところまでこぎつけました。

次年度は、土造りの段階で、EMボカシとカニガラ(高価(^^;)を使い、生育途中で与える菌液は、EM菌液とえひめAIにしようと思っています。

めざせ、打率9割(^.^)

 

ps.ここまで書いてきた時、台風の余波でしょう、ゴーッと突風が吹きました。あわてて向いの畑を見ると、万願寺トウガラシは見事に3本とも倒れています。多分、御臨終でしょう。ここまでよく頑張ってくれました(^.^)

 

 

 

 

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青枯病に挑戦 2.野菜の垂直栽培

2022年09月04日 | ものぐさ有機農業

先回のブログで、土の中で悪さをするセンチュウをやっつける捕食菌を増やせば、野菜の根が傷つくことなく、青枯れ病菌におかされ難くなるのではないかと考えました。しかし、結果はおもわしくありませんでした。

青枯病は、青枯病菌によって根がやられます。感染すると、水分や養分を吸収することができなくなり、枯れてしまう訳です。

ならば、野菜の根を丈夫にしたらどうか、との考えがひらめきました。

「そうだ、垂直栽培、やろう」(^.^)

垂直栽培については、昨年度にブログで紹介しました。

垂直栽培では、野菜の苗の段階から、支柱に茎をギュッとしばり付け、垂直の姿勢を保ちます。垂直に保つことによって、生長点で生成した植物ホルモン、オーキシンが下へ移動して根を発達させると同時に、他の植物ホルモンを活性化して、ホルモン全体のバランスを良好に保ち、野菜の成長を促すというものです。

その後、第2第3のレポートをブログにのせました。が、まだ、最終結果については報告していませんでした。そこで、最終報告も兼ねて、垂直栽培の効果、特に、トウガラシ類の結果を今回述べます(昨年度分です)。

垂直に縛る野菜と通常栽培の野菜と二通りの方法で育ててみて、結果を比較しました。

トマト    ◎
ナス     ◎
トウガラシ類 △
ジャガイモ ◯
ニンニク  ◎
大豆      ◎
カボチャ  ×
サツマイモ ×

トマト、ナス、ニンニク、大豆は、樹勢、収量ともに増大。トマト、ナスについては、秋まで生育が続きました。ジャガイモは樹勢強、収穫量はそれほど変わらず。カボチャ、サツマイモは、蔓の伸長に縛る作業が追い付かず、途中で垂直栽培を放棄(^^;

問題は、トウガラシ類です。何年も、青枯病にやられ続けてまともに育ったことがありませんでした。はたして、垂直栽培の効果は?

入れた苗は、万願寺トウガラシ4本、シシトウ4本、ピーマン4本です。それぞれ、半分(2本)を垂直栽培、残りを普通栽培にして、生育の状態を観察しました。

入れた苗は、万願寺トウガラシ4本、シシトウ4本、ピーマン4本です。それぞれ、半分(2本)を垂直栽培、残りを普通栽培にして、生育の状態を観察しました(5月中旬)。
その結果、普通栽培の苗は、植えてからほどなくして(5月中)枯れました。苗を引っぱると、植えた時と同じ状態でスポンと抜けます。根がほとんど張っていません。それに対して、垂直栽培の方は、6月まで成長し、少し実がなった状態で、順次、枯れていきました。7月まで生き残ったのは、シシトウ(京みどり)1本のみでした。
ところが、この1本はどんどん大きくなり、8月末には、160cm、9月には180cmの高さになり、10月末までなり続けました。

中山道脇に1本だけ残ったシシトウの巨木?    (2021年8月30日)

 

生い茂る葉とすずなりのシシトウ。

これだけ大きいので、1本で10本分ほどの実がとれました。

支柱を補強しないと、自分の重みで倒壊。台風が来たら一発でアウトでしょう(^^;

 

垂直栽培の特徴は、成長が長く続く事、野菜の若さがたもたれることです。これは、やはり根が土壌中にしっかりと張っているためでしょう。その結果、1本/12本ではありますが、青枯病菌の攻撃に打ち勝ったのだと思います。

昨年度(2021年)の結果でした(^.^)

 

ps. 先回(先年度分)試みた線虫捕食菌資材は、今回の垂直栽培でも入れてあります。ですから、線虫捕食菌+垂直栽培の結果です。

 

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青枯病に挑戦 1.センチュウ捕食菌

2022年09月02日 | ものぐさ有機農業

暑い暑いと言っているうちに、今年も早、夏野菜が終盤をむかえようとしています。

ウリももう生っているのはわずか。昨年は、大水につかり、あわてて収穫したのでゆっくり味わっている暇がありませんでした。今年は、心配していた出水もなく、色づいたものから収穫していき、方々へ配りました。例年通り、100個位できたと思います。

他の野菜も同様に十二分にでき、あちこちへ送ったので、宅配便代がかさみました(^^;

そんな中で、ここ何年か、頭を悩ましているのが、青枯病です。青枯病は暑い時期、色々な野菜に発生します。特に、ナス科の野菜が罹りやすいと言われています。トマト、ジャガイモ、ナス、ピーマン、トウガラシ・・・・いっぱいあります。

それまで順調に育っていた野菜が、ある日気がついたら葉が少し垂れて元気がない、次の日の朝はシャンとしてヤレヤレ、ところが夕方にはまた萎れて・・・こんな毎日を繰り返しているうちに、完全に萎れて、ついには枯れて黄色くなってしまいます。

私の畑ではこのところ毎年、トウガラシ、ピーマンの類が全滅です。

この写真の一番手前は枯れた、その奥二本はかなり萎れてきたトウガラシです。

他のナス科野菜はすべて健康、青枯病の気配もありません。

ここで野菜を作り始めた頃は、シシトウもピーマンも、霜が降りる晩秋まで、実をならせ続けていました。それが、十年程前からおかしくなりはじめ、場所を変えても、トウガラシ類が青枯病にかかるようになってしまいました。これはウチだけかと思っていたら、この辺りの畑のトウガラシ類は全部、青枯病にかかるようになって、今では、トウガラシ類を入れる人は少ない有様です(^^;

 

青枯病の怖いのは、罹ったら最後助からないということです。できることは、なるべく早く撤去して、他の株への伝染を防ぐのみ。ところが、そうしても、ほとんどの場合、次々と罹り、全滅となります。他の病気のように農薬も効かない。もっとも、ものぐさ有機農業でやってきてますから、農薬は御法度ですが。

ですから、青枯病の対策は予防しかありません。青枯病は、土の中にいる青枯病菌Pseudomonas solanacearumdeに野菜が感染して起こります。菌は、野菜の根の傷ついた所から侵入し、増殖します。

専業農家がとる対策は、土壌消毒して青枯病菌を殺す方法です。が、この菌は、地下1mにまでいると言われていて、深く耕し強い農薬を使用せねばなりません。

そこで、最近、yutubeの農業サイトで目にしたのが、センチュウをやっつける方法です。センチュウはどこの土にもいる小さな生き物です。植物の根に寄生して、養分を吸い取ります。この時、根が傷つき、青枯病菌が侵入しやすくなるのです。

このセンチュウを、微生物を使って退治しようというのです。センチュウを食べる菌がいるのですね(下のビデオ参照)

NHKミクロワールド 畑のやっかいもの  センチュウ

NHKミクロワールド わなで捕らえる 線虫捕食菌

先のYutubeでは、線虫捕食菌の入った資材を土に入れてセンチュウを退治し、ナスの青枯病を防ぐ試み(<=ここ大切)を行っていました。

ならばということで、早速、注文。 

 

粒上の菌体を肥料や堆肥と一緒に撒き、耕します。

果たして結果は?!

ーーーーーーーーー

見事、惨敗(^^;

結構なお値段の資材でしたが、目に見える効果は無し。

ニ年前の試みでした(^.^)

 

 

 

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