遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

後期鍋島染付花岩紋皿

2019年09月06日 | 古陶磁ー全般

 

季節はずれのヤマボウシの花が咲きました、一輪だけ。

少し締まりがないのは、暑さのせい? 季節外れのせい?

まあ、盛期をすぎた遅咲きの花はこんなもんでしょう。

 

 

後期鍋島の中皿です。時々見かける皿です。

染付で花と岩が描かれています。

径20.5㎝、 高5.9㎝、 高台径10.8㎝。

 

 

 

何の花でしょうか? 盛期のような厳しい絵付けではありませんが、大きな手抜きもありません。

後期の鍋島は、染付の大皿が多く、絵付けもすっきりとした物は少ないです。

その点、余白を大きくとったこの皿は、鍋島らしさが、かろうじて感じられる品と言ってよいでしょうか。

 

裏側は、定番の模様です。

 

七宝繋ぎ紋はまあまあですが、櫛高台はだいぶダレています。

 

季節外れに咲いたヤマボウシのように、盛期はとうに過ぎたけれど、なんとか遅咲きの花を咲かせようとした後期鍋島の染付中皿に、「いいね」をいれたいと思います。

 

ところが、遅れて生きている遅生には、盛期も遅咲きも縁がない!?(^-^;)

 

 

 

コメント (6)
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古九谷椿紋皿

2019年09月03日 | 古陶磁ー全般

古九谷の皿です。 

径19.8cm、高2.7cm。

 

見込みに大きな椿花が3輪、外周に梅花紋が3つ。

鎬の皿に、淡い呉須で背景を描き、その上に濃厚な絵付けをした五彩手の皿です。

 

 

 

深い緑とにぶい赤色の対比が見事です。

花びらの赤もさることながら、葉の緑がさえています。

力強く描かれた葉脈にさされた深い緑。椿の葉は、まるで油絵のようです。

生掛けの生地も絵を引き立てています。

 

外周に、控えめに描かれた梅、バランスがいい。

 

 

裏面を見ると、アマ手の大疵ものであることがよくわかります。

やや内向きの高台、裏模様、落款など、初期の雰囲気を残しています。

 

 

高台外に2重圏線、内側にも1つの圏線。

 

この皿は、ずいぶん以前に、戦前コレクターの関係者からいただいた物です。

その後、古九谷は、2,3入手しましたが、この皿が一番印象深い品です。

その時、40cmオーバーの古九谷(ぶち割れを完璧に修復)もあったのですが、「これも!」と言うだけの勇気がなかった(^|^;)


ネットオークションで、一度だけ、今回の椿紋皿と同手の品(ホツ有)が出ましたが、「エイッ!」と競争相手を組み伏せるだけの資力と胆力がなかった(^|^;)

 

コメント (8)
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