古九谷の皿です。
径19.8cm、高2.7cm。
見込みに大きな椿花が3輪、外周に梅花紋が3つ。
鎬の皿に、淡い呉須で背景を描き、その上に濃厚な絵付けをした五彩手の皿です。
深い緑とにぶい赤色の対比が見事です。
花びらの赤もさることながら、葉の緑がさえています。
力強く描かれた葉脈にさされた深い緑。椿の葉は、まるで油絵のようです。
生掛けの生地も絵を引き立てています。
外周に、控えめに描かれた梅、バランスがいい。
裏面を見ると、アマ手の大疵ものであることがよくわかります。
やや内向きの高台、裏模様、落款など、初期の雰囲気を残しています。
高台外に2重圏線、内側にも1つの圏線。
この皿は、ずいぶん以前に、戦前コレクターの関係者からいただいた物です。
その後、古九谷は、2,3入手しましたが、この皿が一番印象深い品です。
その時、40cmオーバーの古九谷(ぶち割れを完璧に修復)もあったのですが、「これも!」と言うだけの勇気がなかった(^|^;)
ネットオークションで、一度だけ、今回の椿紋皿と同手の品(ホツ有)が出ましたが、「エイッ!」と競争相手を組み伏せるだけの資力と胆力がなかった(^|^;)