遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

アイヌ盆(イタ)

2021年10月02日 | 漆器・木製品

今回は、イタとよばれるアイヌ盆です。

30.2㎝ x 17.3㎝、高 1.4㎝。昭和。

独特の模様が特徴的なアイヌ盆です。軽い木でできています。

仏壇の横に漫然と置いてあります。いつ頃からかよくわかりません。ひょとしたら戦前。誰かが、北海道へ行った時の土産に持ってきたのでしょう。手頃な大きさなので、時々使っています。表面が磨れて、良い味になっています。

アイヌ盆の模様はどれも同じように見えますが、地域によってそれぞれの特色があるそうです。

調てみたところ、今回の品は、二風谷地区で100年以上前から伝わる木製の盆「二風谷イタ」だろうということになりました。

「二風谷イタは、クルミやカツラなどを乾燥させた木材が用いられ、全面にアイヌ文様が施されるのが特徴だ。渦巻きや棘、目をイメージした3種の伝統的な文様と、その間を升目状に刻んだ鱗掘りが基本となる。配膳の際に皿などをのせるための盆として用いられてきた。」(二風谷民芸組合ホームページより)

目をイメージした模様に・・・・

大豆を置いてみた(^.^)

豆ではなく、アイヌの首飾り、タマサイでも置けば絵になるのでしょうが、とても財布がゆるしません(^^;

そこで例によって、何かないかと探したところ・・・・

ありました。アイヌの楽器、ムックリです。

竹製の極めてシンプルな楽器、いわゆる口琴の一種です。

左手に左方の糸輪をかけ、右手でもう一方の糸を引っ張ると、真中に切り込まれた細長い竹の部分が振動します。ムックリを唇にあてて、この操作をすれば、口腔に共鳴して、ビョワ~~ンという音が出るわけです・・・・とまあ、言うのは簡単ですが、為すのは難しい。10数年ぶりにムックリを繰っても、うまくいきません。しばし練習が必要ですね(^.^)

アボリジニのディジュリドゥ(イタキ)のような筒笛とともに、ムックリなど口琴は、人間が作り出した最も原初的な共鳴楽器だといわれています。

構造が単純な分、奥が深く、一筋縄ではいきません。ディジュリドゥもムックリも、途中で放り出したままです。

 

言い訳無用!

これを機に、二つのプリミティブ楽器に再挑戦することにします(^.^)

 

コメント (2)
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