今回は、イタとよばれるアイヌ盆です。
30.2㎝ x 17.3㎝、高 1.4㎝。昭和。
独特の模様が特徴的なアイヌ盆です。軽い木でできています。
仏壇の横に漫然と置いてあります。いつ頃からかよくわかりません。ひょとしたら戦前。誰かが、北海道へ行った時の土産に持ってきたのでしょう。手頃な大きさなので、時々使っています。表面が磨れて、良い味になっています。
アイヌ盆の模様はどれも同じように見えますが、地域によってそれぞれの特色があるそうです。
調てみたところ、今回の品は、二風谷地区で100年以上前から伝わる木製の盆「二風谷イタ」だろうということになりました。
「二風谷イタは、クルミやカツラなどを乾燥させた木材が用いられ、全面にアイヌ文様が施されるのが特徴だ。渦巻きや棘、目をイメージした3種の伝統的な文様と、その間を升目状に刻んだ鱗掘りが基本となる。配膳の際に皿などをのせるための盆として用いられてきた。」(二風谷民芸組合ホームページより)
目をイメージした模様に・・・・
大豆を置いてみた(^.^)
豆ではなく、アイヌの首飾り、タマサイでも置けば絵になるのでしょうが、とても財布がゆるしません(^^;
そこで例によって、何かないかと探したところ・・・・
ありました。アイヌの楽器、ムックリです。
竹製の極めてシンプルな楽器、いわゆる口琴の一種です。
左手に左方の糸輪をかけ、右手でもう一方の糸を引っ張ると、真中に切り込まれた細長い竹の部分が振動します。ムックリを唇にあてて、この操作をすれば、口腔に共鳴して、ビョワ~~ンという音が出るわけです・・・・とまあ、言うのは簡単ですが、為すのは難しい。10数年ぶりにムックリを繰っても、うまくいきません。しばし練習が必要ですね(^.^)
アボリジニのディジュリドゥ(イタキ)のような筒笛とともに、ムックリなど口琴は、人間が作り出した最も原初的な共鳴楽器だといわれています。
構造が単純な分、奥が深く、一筋縄ではいきません。ディジュリドゥもムックリも、途中で放り出したままです。
言い訳無用!
これを機に、二つのプリミティブ楽器に再挑戦することにします(^.^)