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遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

サポテカ神像に土俗面

2020年03月15日 | コロナに負けるな

コロナウイルスに負けるなシリーズ、第7弾です。

 

目に見えない敵を撃退するには、霊的力に頼るしかないのかも知れません。

そこで、探し出したのがこれです。

      幅 29cm x 奥行 27m x 高 39㎝

家人からは、気味が悪いと除け者にされ、10年以上、粗大ゴミすれすれの境遇にあったのですが、今回、やっと日の目をみました(^^;)

 

後ろ側には、入れ物?

材質は陶器、いわゆるテラコッタです。それなりに、しっかりと作ってあります。

が、如何せん、得体のしれない代物です。

 

手がかりになりそうな紙片が・・・・読めません(^^;)

そこで、色いろ調べてみました。

どうやらこの品は、中南米の古代文明遺跡で発掘されるタイプの神像であることがわかりました。王や有力者の墳墓の副葬品です。邪悪なものから墓を守るために置かれたのでしょう。

こういう物はマヤやアステカが有名で、この品もそうかと思ったのですが、細かな部分の造りは、メキシコ南部オアハカ地方にあったサポテカ文明(BC1400ーAC1000)の神像によく似ています。日本ではなじみの薄いサポテカ文明の品ではないでしょうか。

もちろん、レプリカです。

 

顔が、3段になっています。

一番下の顔。

勇壮な戦士でしょうか。

 

2段目の顔。

滑稽な獅子?

 

3段目の顔。

猿?、それともET?(^.^)

愛嬌もあり、けっこう面白いのですが、その分、コロナウイルスには役不足か?

 

そこで、強力な助っ人の登場です。

           長 16 cm x 幅 11cm

 

江戸時代の木彫土俗面です。この能面系古面と正月の飾りを使ってみました。

 

おぉ、キッチュなド迫力。

これで、準粗大ゴミから玄関の守護神へと出世すること間違いなし。

コロナウイルスのおかげで、粗大ゴミが生き返りました(^_^)

 

 


さるぼぼ瓶細工

2020年03月13日 | コロナに負けるな

コロナウイルスに負けるなシリーズ、第6弾です。

今回は、瓶細工のさるぼぼ、2個です。

かなりの時代物のように見えます。両方とも、戦前の品でしょう。はっきりとした製作時期はわかりませんが、明治まで遡るかも知れません。

 

まず、右側の品です。

ガラス瓶一杯に、ぬいぐるみのさるぼぼが入っています。

 

太い帯を締めています。

 

抱いているのは、桃でしょう。

 

手足は縫い合わせてあります。

瓶細工の定番は、手毬です。手毬瓶細工の作り方は、ネットにもアップされています。まず、球状の型の上で手毬を作ります。型を抜いて、ペシャンコにした手毬(口があいている)を瓶の中に入れます。あいている口から詰め物を入れて丸くふくらませ、最期に口をふさぐ、というものです。しかし、その方法では、この桃抱きさるぼぼを瓶の中で作るのは無理なように思えるのですが・・・・・うーん、作り方、わかりません(^^;)

 

さるぼぼは、岐阜県飛騨地方で、昔からつくられてきた郷土人形です。飛騨の言葉で「ぼぼ」は赤ちゃんのことですから、「さるぼぼ」は、猿の赤ん坊を意味します。

さるぼぼを手作りし、赤ん坊の健やかな成長や家庭円満を願ったといわれています。

また、良縁や安産にも、さるぼぼに思いを込めたといわれています。

さらに、「さる」は「去る」に通じるので、「病が去る」「災いが去る」とかけて無病息災の願いを、さるぼぼに込めるようになりました。

 

ならば、コロナウイルス撃退も、さるぼぼにお願いすることにしましょう。

おおー、口の紐結びは、叶結びです。

これで、コロナ撃退の願いが叶いそうです(^.^)

 

今、飛騨高山へ行けば、土産物屋の店先には、沢山のさるぼぼがズラーっと並んでいます。

いろいろな品がありますが、パターンはほぼ同じです。

赤い、4本の手足とのっぺらぼうの顔。顔は大きいです。腹巻もつけています。

 

瓶の中のさるぼぼは、手足、胴に比べれば、ずいぶん顔が小さい。しかも白色。さらに、さるぼぼが身に着けているのは、腹巻ではなく、太い白帯です。

昔のさるぼぼは、現在のものとはかなり違っていたようです。

 

 

もう一つの、さるぼぼ瓶細工です。

さるぼぼは、手毬で遊んでいるのでしょうか。

 

ありあわせの毛糸を巻いたと思われる、手作り感あふれる手毬です。瓶細工の手毬が、豪華な色々を精緻に巻いた御殿手毬であるのと対照的に、素朴な品です。

 

さるぼぼは、2つ入っています。小さな白い顔と白い帯。先の瓶細工と同じ人が作ったのでしょう。

 

ところで、口元を縛っていた布はボロボロです。

手で触るだけで、粉々になります。

 

写真を撮っただけなのに、こんなにも布の破片が。

 

拡大して見ると(200倍)・・・

細長い繊維が切れて、バラバラになっています。黄色の部分は、退色がすすんでいます。てんてんと並んだ黒点は、染料の分解物だと思われます

 

瓶の中の二つのさるぼぼと手毬には、それほど劣化はみられません。

先のさるぼぼ瓶細工でも、これほどではありませんが、やはり、口元の布は傷んでいます。

ガラス瓶の内と外では、こんなにも違いがあります。どうしてでしょうか。

さるぼぼや口元の布は、絹でできていると思います。絹は、年月が経つにつれて強度が弱くなり、最期にはボロボロになります。

その速さは、布が置かれた環境によります。劣化をもたらす要因は、大きく3つ、紫外線、大気、虫です。

この布の様子から、虫害は考えにくく、紫外線と大気が布の劣化をもたらしたと思われます。

ガラス瓶の内側にいたので、さるぼぼは、紫外線や大気の影響を受け難く、元の姿が保たれたのです。

コロナウイルスも、なるべく家の中に留まっていれば、リスクはかなり低くなるはずです。その時には、さるぼぼを、手元に置いておくとさらに良い(^.^)

 

 


戦前のロールペーパー

2020年03月10日 | コロナに負けるな

コロナウイルスに負けるなシリーズ、第5弾です。

ちょうど一か月前、ブロ友と、「下手をすると、マスクだけでなく、トイレットペーパーやティッシュペーパーもなくなるかも」「まさか、オイルショックじゃあるまいし」と冗談めいたコメントを交わしました。

それが、あれよあれよという間に、現実となってしまいました。

コロナウイルスにのって、さもしい根性が、政治家から人々へと感染したのでしょうか。

 

そこで、マスクの時と同じように、苦しい時の故玩館頼み。巷にないのならと、ガラクタの山をかき分けてみました。

見つけたのが、これです。

蓋が失われたボロボロの箱に美しい女性が、何やら手にとっています。

「各御家庭之必需品」 「新案特許 塵紙切取器」

「登録商標 巻之花紙本舗」

 

中に何か入っています。

 

          縦18.5x横18x高18 ㎝

戦前の品ですが、詳しい時代はわかりません。

御座敷用です。

確かに、「塵紙切取器」です。特許もとっているようです。

 

金具を押すと・・・・・おぉー、ジャバラになっています。

 

中には、巻紙が入っていて、くるくる回ります。

 

この穴に指を入れて・・・

 

押してやると、紙が出てきます。

 

ずずっと引っ張って・・・

 

ギザギザの金具で、切り取ります。

 

中に入っていたロールペーパー、ちょうどトイレットペーパーくらいの大きさです。

250の数字は何?

どうやら、塵紙切取器ではなく、ロールペーパーを売りたかったようです。キャッチコピーがボロボロで読めませんが、行間からは、この画期的な製品を売ろうとの熱意が伝わってきます。

でも、250個くらいしか売れなかったのかも知れません(^^;)

静岡市の川村紙店が巻之紙本舗で、この器具を併せて製作したと考えられます。

内部には、ロールペーパーの心棒を受ける金具が左右にあります。

さらにその奥には、バネがついたクランプのような棒があります。これは、ペーパーを引っ張ったとき、ザッーっと出すぎてしまわないよう、抵抗をかけるための装置です。

うーん、芸が細かい。さすが特許だけのことはありますね。

 

宣伝用か上客へのサービスとして、お茶問屋さんが配った品でしょう。

 

接合部が、木組みになっているのもうれしい。

 

この塵紙切取器、トイレットペーパー型ティッシュペーパーというような製品です。

当時としては、洒落た品です。

どんな人が、どんな時に、これを使っていたのでしょうか。

この切取器で、ゆっくりと紙を切り、切った紙をゆっくりと使えば、巷の紙不足はたちまち解消(^_^)

 

 

 


白澤が来る!?

2020年03月08日 | コロナに負けるな

コロナにまけないぞシリーズ、第4弾です。

これは何の絵でしょうか?

非常に薄い和紙に描いてあります。

       江戸時代  24.3x34 ㎝

色などの指示があるので、下絵でしょう。

 

これは、【白澤】(白沢、はくたく)といわれる空想の動物です。

瑞獣と呼ばれる中国生まれの霊獣の一つです。

麒麟や鳳凰と同様、めでたい動物、吉祥獣です。

いずれも縁起がよく、これらが現れると幸せがもたらされると考えられてきました。

 

体は牛のようですが、顔は人間(ヤギ?)。

顔に3つ、胴の左右に6つ、計9つの目と6本の角(頭に2、胴に4)をそなえています。

人の言葉を解し、あらゆる知識をもつスーパー獣。

日光東照宮拝殿にも、狩野探幽作とされる白澤が描かれています。

江戸時代、病魔除けや厄除けに効くと言われ、人々の間に広まりました。旅する時も、お守りとして懐に忍ばせたそうです。

特に、安政5年、コレラ(すぐ死ぬのでコロリといわれた)が大流行した時、人々は、病魔退散を願って、白澤の絵を掲げたり、枕元におきました。

令和のコロナウィルスも、この厳しい髭顔 (見方によっては愛嬌がある(^.^) ) に睨まれたら、退散すること間違いなし。

一刻も早く、白澤が現れるのを待ちましょう ・・・・・・・・・・ ん!!!!!!

『【白澤】は、徳の高い為政者の治世に現れる』 とあるではありませんか。

異様な悪知恵だけの暗愚宰相が牛耳る三権従属社会 ・・・・・・・・・・  白澤が現れる世にはほど遠い(><;)

 

コロナの前に、白澤に社会の病魔を一掃してもらうよう、この絵を壁に貼ってみます(^_^)

 

 


コロナに負けるな N0.3 願いが「叶」

2020年03月06日 | コロナに負けるな

コロナに負けないぞシリーズも、3回目です。

先回のブログでは、腰の低い福助人形を紹介しました。

幸せになりたいという人々の願いを叶える・・・・福助は、叶福助と呼ばれていたのです。

そこで、他に「叶」の品がないか、探してみました。

 

和紙に縫い付けてあるのは、背紋の「叶」です。

小さな子の衣服の背に模様を縫い付け、背後から忍び寄る邪悪なものから子供を守るためのしるしで、背守りと呼ばれています。

 

意図的か間違いか、「可」のように見えるのも、面白い(^^;)

 

昔、女性は、いろいろな背紋刺繍をあつめて、自分だけの背紋帳を作りました。最初の「叶」背紋は道子さんの背紋帳(写真右)から、2番目の「叶」背紋は、たみさんの背紋帳(写真左)からです。

二人の女性は、どんな願いを込めて、ステッチをすすめたのでしょうか。

 

もう一つの「叶」は、結びです。

これは、以前行った展示会、『折形と飾り結び』の資料の一部です。

 

その中に、叶結びがあります。

表からみると口に、裏からは+にみえるので、「叶結び」とよばれます。

願いが叶うということで、お目出たい儀式の品やお守りによく使われます。

 

叶?結び、字が読めません(^^;)

これは、叶結びで結び止めを作ったもの。叶結びと逆叶結びがあります。

 

いろんな叶結びがあります。一重より二重の方が豪華に見えるので、今では、二重叶結びが多く使われるようです。

 

明治43年発行の紐結びの解説書です。70種ほどの紐結びの方法が図で解説されています。

江戸時代から、折形と紐結びは、礼法として大切なものでした。しかし、多くの手本が残されている折形に対して、紐結びについての資料は少なく、上の写真のような紐見本やこの本は希少です。

叶結びは、比較的簡単な結び方ですから、図をみれば何とかなります。ネットにも、多く出ています。けれども、もう少し凝った結びになると、非常に難度が高くなります。特に、立体思考が苦手な私には、難物です(^^;)