遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

コロナに負けるな N0.3 願いが「叶」

2020年03月06日 | コロナに負けるな

コロナに負けないぞシリーズも、3回目です。

先回のブログでは、腰の低い福助人形を紹介しました。

幸せになりたいという人々の願いを叶える・・・・福助は、叶福助と呼ばれていたのです。

そこで、他に「叶」の品がないか、探してみました。

 

和紙に縫い付けてあるのは、背紋の「叶」です。

小さな子の衣服の背に模様を縫い付け、背後から忍び寄る邪悪なものから子供を守るためのしるしで、背守りと呼ばれています。

 

意図的か間違いか、「可」のように見えるのも、面白い(^^;)

 

昔、女性は、いろいろな背紋刺繍をあつめて、自分だけの背紋帳を作りました。最初の「叶」背紋は道子さんの背紋帳(写真右)から、2番目の「叶」背紋は、たみさんの背紋帳(写真左)からです。

二人の女性は、どんな願いを込めて、ステッチをすすめたのでしょうか。

 

もう一つの「叶」は、結びです。

これは、以前行った展示会、『折形と飾り結び』の資料の一部です。

 

その中に、叶結びがあります。

表からみると口に、裏からは+にみえるので、「叶結び」とよばれます。

願いが叶うということで、お目出たい儀式の品やお守りによく使われます。

 

叶?結び、字が読めません(^^;)

これは、叶結びで結び止めを作ったもの。叶結びと逆叶結びがあります。

 

いろんな叶結びがあります。一重より二重の方が豪華に見えるので、今では、二重叶結びが多く使われるようです。

 

明治43年発行の紐結びの解説書です。70種ほどの紐結びの方法が図で解説されています。

江戸時代から、折形と紐結びは、礼法として大切なものでした。しかし、多くの手本が残されている折形に対して、紐結びについての資料は少なく、上の写真のような紐見本やこの本は希少です。

叶結びは、比較的簡単な結び方ですから、図をみれば何とかなります。ネットにも、多く出ています。けれども、もう少し凝った結びになると、非常に難度が高くなります。特に、立体思考が苦手な私には、難物です(^^;)

 

 


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4 コメント

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Unknown (kinntilyann)
2020-03-06 10:21:23
おはよう〜ございます(^^)/

拝読しておお!!!
実は数ヵ月前にたまたま有隣堂本店でその背守りの刺繍キット買ったのですよ!
コピー行くのめんどーとかカーボン紙どこに入れたかな?とかズルズルとそのまま(^^;
週末の引きこもりで少しとりかかってみます(^^)v

遅生さまにとって今日も良い一日でありますように(^^)/
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kinntilyannさんへ (遅生)
2020-03-06 11:30:06
背紋刺繍、どうやら、わかい(^.^)女性の間で静かなブームのようですね。
Pinterestにも結構出ています。

服の後部に洒落たワンポイント。外出しても、絶対にコロナ撃退できますよ(^_^)
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素敵ですね (ままちゃん)
2020-03-07 00:59:04
清楚ながら、美しく、そこに願いや希望を感じ取れる背紋や叶結のいろいろ、勉強になりますとともに、今よりもずっと不便の多かった時代にも、人は幸せを長い、希望を持って生きてきたのだ、という不思議な感慨にも浸りました。孫たちの肌着にでも「叶」を縫い付けましょう。とてもスターワーズのヒーローになりたいという願いはかなえられずとも、健康で正しい道を選ぶ人になるように、私の願いを縫い付けます。お知恵をありがとうございました。
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ままちゃんさんへ (遅生)
2020-03-07 06:24:00
日本の女性たちが残した物には、彼女たちの喜びや願いが詰まっているように思えます。自分だけの物を作っているときが、一番幸せな時だったのかも知れません。
ちりめん細工の小物なども、とてもかわいいです。手にとってみると、ほっこりして、癒されます。

背紋や小物、ぜひ、お孫さんにつくってあがてください。きっと、夢が叶い、幸せがやってくるでしょう。
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