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遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

祈る裸男

2020年03月27日 | コロナに負けるな

コロナウイルスに負けないぞシリーズ、12回目です。

ここしばらく、外国物の手を借りてのブログでしたので、今回こそはと信じたいのですが、如何せん、無国籍(産地不明)の木彫です。籔内佐斗司風にも見えますが、どこの、誰の作品かわかりません。

 

       高 36.8㎝ x  幅 23.7㎝ x 奥 9.5cm

鉢巻きをしている男ですね。

なかなか意思が堅そう。

 

 

親指を立て、合わせていますすが、何か意味があるのでしょうか?

 

どうやら、裸の様です(^^;)

 

後ろ姿は、静かなたたずまい。

 

頭には巻いているのは、やはり鉢巻きでしょう。

 

下の方を見て納得!

正座をしています。

ということは、この木彫男は日本製。

しかも、祈っているのですね。

 

うーん、それにしても大胆な姿。

 

後ろ姿は滑稽(^.^)

本人はいたってまじめなのでしょうが。

 

裸で鉢巻きをしめ、正座する男・・・・大胆にして実直、しかも滑稽な姿での祈りが、コロナウイルスのような得体のしれない相手には有効なのかもしれません。

 

 


中国の玉剣

2020年03月25日 | コロナに負けるな

コロナウイルスに負けるなシリーズ、11回目です。

今回も、外国物。中国の古玉です。

玉は、古くから、中国で貴ばれた石彫です。様々な素材が使われましたが、主は翡翠です。先回のマオリのポウナムと同じく軟玉ですが、緑色のポウナムとは異なり、玉の色調はいろいろです。

中国では、玉、青銅器、陶磁器、書、画の5つが代表的な文物です。日本文化はこれら中国文物の影響を強く受けましたが、なぜか玉だけはほとんど受け入れられませんでした。

日本人にとって、玉は遠い存在です。玉について、日本語の参考資料はほとんどありません。もちろん、時代や値段の手引きとなる情報も。

骨董屋で、玉をみかけることは稀です。骨董市で、中国品ばかりをそろえた怪しげなブースにはありますが(^^;)

ところが、何年か前、田舎の骨董屋に、古玉がどっと出ました。中国人実業家で財をなし、後に帰化した人が残した品だとのこと。

店主にとって玉を扱うのは初めてのことですから、値段のつけ方は全くいいかげんです。

こちらも購入の判断、皆目見当がつきません。当てずっぽうで大小いくつかの玉を入手しました(^^;)

そのうちで、最大の物がこれ、玉剣です。

        18.5㎝x41㎝、 重さ1.35㎏

正確な年代は不明ですが、かなりの古格があります。

 

 

 

2匹の飛竜が堂々と彫られています。

欠けた部分も年代を感じます。

 

 

 

裏面です。

 

古い時代の文字が彫られていますが、読めません(^^;)

 

 

中国では、玉は、仁、義、智、 勇、絜の5徳を高めると言われています。

ならば、マオリのポウナムを首に、インドの盾Dahlと中国の玉剣を両手にもてば、これぞ最強の装備、コロナも退散(^.^)

 

 

 


マオリのポウナム

2020年03月22日 | コロナに負けるな

コロナウイルスに負けるなシリーズ、10回目です。

前回、ニュージーランド先住民マオリの木彫テコテコを紹介し、家内の守護を託しました。

今回は、マオリのポウナム(Pounamu)です。

ポウナムは、マオリの伝統的石彫物です。マオリの装身具ですが、特別な意味をもち、大切にされてきました。

それは、ポウナムには、マオリにとって最も大切な価値であるマナ(Mana、威信)が宿っていると信じられているからです。マナは、金や物などではなく、目に見えない価値、日本の徳や品格のようなものです。

しかも、ポウナムの持ち主が、代わっていけばいくほど、マナが増すと言われています。したがって、何代にもわたって受けつがれてきたポウナムは、大きなマナを秘めている訳です。

ですから、自分で買うよりも、人からプレゼントしてもらう方が、有難みが増すことになります。

ポウナムは翡翠です。翡翠には、硬軟2種類ありますが、ポウナムは軟玉です。ニュージーランド南島の産で、街のショップでは、いろいろな形状のポウナムを売っています。

コル(Koru、シダ)の形のポウラム(4㎝)です。マオリの友人からプレゼントされた物です。

コルは、シダの新芽です。マオリにとって、コルは、平和、新生、成長、強さを象徴しています。らせん状の新芽は、永遠の運動、生命をも表しています。このデザインは、マオリの工芸品や芸術作品に数多くみられます。

                         

マオリの友人夫妻と共にマオリ王誕生日記念会に出席した時のスナップです。この時、上のポウナムをいただきました。

マオリの習慣は、日本と似ています。礼を尽くして友人をもてなし、贈物の交換を行います。私が持っていくのは、当然、骨董。若い国ですから、明治以降のビンテージ物でも、喜ばれます。

このポウナムを身につけれけば、徳が増し、私の内なる生命力がコロナウイルスを撃退してくれることでしょう。

 

・・・・・・と、ここで問題が・・・・・マオリには、もう一つ、独特の習慣があります。ホンギ(Hongi)と呼ばれる挨拶です。二人が、額と鼻をつき合わせ、生命の息吹を分け合うのです。

街中でこの挨拶を見ることはありませんが、重要な儀式や正式の歓迎会には、ホンギが必須です。私も、マオリの友人たちと再会した時には、ホンギをします。

でも、コロナウイルスには、かなりのリスク有り。しばらくは、訪問を見合わせることにしましょう。

 


マオリのテコテコ

2020年03月20日 | コロナに負けるな

コロナウイルスに負けないぞシリーズも、はや9回目。ここ何回かは、外国の力を借りてのコロナ撃退でした。ネタが尽きて来たので、今回も、苦しい時の外国頼みでいきます(^^;)

ニュージーランド(Aotearoa,アオテアロア)の先住民、マオリ(Maori)の木彫、テコテコ(Teko teko)です。マオリ語はなじみが薄いですが、ローマ字読みでOKですから、発音はいたって簡単です。

テコテコは、建物の屋根の上などに立って前庭を見渡し、訪問する人をチェックします。良い訪問者であれば、その人を守るのです。もちろん、コロナはシャットアウト(^.^)

          高さ 38㎝、30.5㎝、25.5㎝

テコテコ(または、テコ)は、木彫の人像(人に似た像)です。

これは、Iwi(イゥイ、部族)の祖先を表しているといわれています。

マオリ社会はイゥイ社会です。いくつかのイゥイがあり、皆、どれかに属していることになっています。しかし、マオリは最もうまく西洋に順化した先住民だと言われているように、ほとんどが都市部にすみ、独自のスタイルはすたれ、白人(Pakeha、パケは)と同じ生活をしています。白人との混血がすすみ、マオリとしての意識も低下しています。現在、ニュージーランド各地で、マオリの伝統文化にふれる事ができますが、すべて観光用のものです。

しかし、20世紀後半、衰退する一途のマオリ文化を再興しようとする動き(マオリ ルネッサンス)が、ニュージーランド全土で興ってきました。

木彫もその一つです。マオリの建物は、かつて、見事な彫刻で装飾されていました。その技術は消えかかっていたのですが、1967年、有名な観光地、ロトルアにマオリ美術工芸学校が設立され、マオリ彫刻を担う若者を育成するようになりました。

今では、街のショップで、たくさんのマオリ彫刻が売られています。奇っ怪な顔に貝の目、そして表面は綺麗に仕上げてあるが普通です。

 

3つのテコテコを、大きい順に紹介します。

左端の一番大きな品です。典型的なテコテコです。製作地不明。

 

裏側も手抜きがありません。

 

横から見ても様になります。

 

人智を超えた力を秘めているような・・・

 

鑿の運びはするどいです。日本の木彫作家のように、鑿跡をしっかり残してあるのも、マオリ彫刻では珍しい。

やはり、作家の品でした。しかも、今となってはかなりの初期作。作品に力があります。

 

真ん中のテコテコです。

顔に入れ墨が入ったマオリの男性像です。

 

らしい模様が入っていますが、彫りがあまい。

 

後ろもおざなり。表面はつるつるに磨かれています。

後頭部に張り紙が・・・Hand Curved in Rotorua, New Zealand. Timber: Matai

ロトルアで作られた典型的なお土産品ですね。マタイ(Matai)は黒松の一種、カウリ(Kauri)とともに、ニュージーランドの木工品の代表的素材です。

 

最後の品です。

小さいですが、これまでの2つとは雰囲気が違います。

 

裏側も全く同じ彫り。

 

表裏がないのですね。台は、後からつけたもの。

 

素朴な彫りです。表面仕上げも無し。素人が彫ったものか?

 

一部、虫食いや朽ちがみられます。

 

頭から伸びているネジは何でしょうか?

小テーブルの脚?それとも、ネジでいくつかをつないでポウポウ(Poupou、柱)としたのか?

いずれにしても、実際に使われていた品だと思われます。

80-100年前の物です。博物館へ入るほどの品ではなかったので、たまたま私のもとへやって来たのでしょう。

先の二つのテコテコは玄関先に、この品は机の上に置いて、コロナ退散を託すことにしましょう。

 

 

 


驚きの逆唐草、インドの盾Dahl

2020年03月17日 | コロナに負けるな

コロナウイルスに負けるなシリーズ、第8弾です。

 

Dahl(ダル)とよばれるインドの盾です。18-19世紀の品です。

                 径 38㎝、高 6㎝

ニュージーランドの骨董屋で購入しました。

ニュージーランドは国が若いので、自国の古い品はありません。先住民マオリに関しては歴史的な物もありますが、入手は不可能です。

ただ、イギリス圏であった関係でヨーロッパから、また、現在は、人種の坩堝といわれるくらいの多民族国家ですから、世界各地から、多くの品が集まっています。

この品もその一つでしょう。

実は、以前、これと同じ品を、オークランド博物館の展示品の中に見つけていたのです。

博物館前の店に、ずらっと名品のコピーが並んでいる・・・故宮博物院ではよくある類の話ですね。

でも、これはコピー品ではありません(^^;)

 

材質は、黄銅。

インド・中東風の装飾がびっしりと施されています。

 

気が遠くなるような細工です。

点々はすべて鏨でつけた小孔です。

 

模様には、渡金、渡銀が施されています。

 

 

 

 

 

裏側をみると、実用品であることがわかります。

 

頑丈な鉄輪に、太い紐が2本。これで、がっちりと盾を持ちます。奥には四角い皮があててあって、拳を保護するようになっています。

紐はほつれ、皮も破れています。実際に使われていたのでしょうか。

 

さて、今回の品、ここからが本題です。

主模様の間には、唐草と思われる細長い枝葉模様がびっしりと描かれ、隙間は黒く塗られています。

よく見ると、唐草の葉と葉の間がくぼんでいる所が何カ所かあります。

埋めてあった素材が傷んで剥がれ落ちたのです。

ということは、黒い部分の地金は彫り込まれており、金色の唐草は凸形に浮き彫りにされて残った部分なのです。彫られた凹部には漆を塗りこんで、平にしたのでしょう。

これは、ちょうど、酒田の人さんの古伊万里コレクションで紹介されている、伊万里焼の逆タコ唐草模様に相当します。通常のタコ唐草のように、直接、唐草模様を描くのではなく、周囲を呉須で塗って、残った白い部分を唐草模様にするのです。

呉須で隙間を塗って白い部分を唐草模様として残す古伊万里染付皿の逆タコ唐草と異なり、この品の場合は、金属を彫り下げ、残った凸部で唐草模様を表すのですから、本当に気が遠くなるほどの手間がかかります。

 

その一部を拡大してみました。

黒い部分は間を埋める漆。2本の金線は唐草の一部。

金線の間の白くなっている部分が彫り下げられた所です。埋めた漆が剥がれて、彫りすすんだ跡が見えています。

 

異国の職人が心血をそそいで作り上げた盾。

これを手にすれば、コロナウイルスも簡単に跳ねかえすことができること間違いなし(^_^)