(-)×(-)=(+)を不思議に思う人が世の中には大勢います。こんなの定義(約束)にすぎません。ですから理由なんてどう「こじつけ」たってかまわないのです。以下わたしのヘリクツです。
数学は西洋で発達した学問です。西洋人はわれわれ日本人のような東洋人と全く発想が違うと思っています。その一つが「対称性」に対する思い入れです。西洋人はシンメトリーをきわめて重視します。一方、日本人は対称を嫌います。むしろ「対称性の破れ」を当然と認識できます。
対称に対する西洋人の思考が (-)×(-)=(+) にも現れています。符号のかけ算には4つしかありません。 (+)×(+)、(+)×(-)、(-)×(+)、(-)×(-) です。
(+)×(+)=(+) は万人の認めやすい約束。2×3と3×2のような交換法則を成立させたいのが人情です。とすると
① (+)×(+) =(+)
② (+)×(-) = ?
③ (-)×(+) = ?
④ (-)×(-)
②と③は同符号にしたく有りません? (+)にしちゃうと ①~③まで(+)のオンパレード。だから(-)で決定でしょう。
① (+)×(+) =(+)
② (+)×(-) =(-)
③ (-)×(+) =(-)
④ (-)×(-) =?
対称性が大好きな西洋人になりきってね。(+)、(-)、(-)ときました。④の符号は当然(+)だよね。