こんばスコップ。
仕事も終えましたし、書くか。
めんどくせぇけど。
初日は岩沼。
すぐそこ海じゃん。
って、本来ならハシャグところだが、笑えない。
母屋に近づく事すら出来ない程の物量。
一軒しか予定がないから楽勝。
と思っていたら、
「あらま!」
と言ってしまう程でした。
ミヤギテレビさんが来てたしね、ビシッと決めましょう。
作業前に写真を撮ればいいんだろうけど、
ミヤギテレビのOH!バンです。を見てもらえばいいさ。
過去最高のヘビーさでした。
これで、8割片付いた感じ。
腰の高さまで思い出いっぱい。
おやおや、柱が斜めですぞ?
持ち上げてみよう。屋根を。
俺は強いんだ。
朝、美味しいパン食べたから。ヨーグルトも。
タケチンと拾った杵で、
「あ、よいしょ~!あ、よいしょ~!」
と直しました。
雄大が、最近貫禄あるんだよね。
副団長!
ヒューヒュー!
何にもなかった広場が、こんなになる位。
これ全部、庭にあっただよ。
人の力ってすごいね。
津波もすごいけど、人の力もすごいと俺は思う。
「リョウちゃん。今日、これ行けんの?」
「大丈夫。諦めんな。」
俺とタケチンの会話。
団員には聞かせられないネガティブトーク。
心が折れそうになったよ。
風呂場は誰もやりたがらないが、行くまでの道のりを俺たちが作りさえすれば、
レナちゃんが必ず率先して行ってくれる。
一番、具合悪くなるのは風呂場とトイレ、キッチン。
水回りがきついね。
はい、なんだかんだでこの通り。
よかったね。
庭。
どれが直した柱でしょ~か?
室内。
侵入経路は俺が無理やり入って窓を開けて、
中でスッ転んでやっとのこと確保したのが夢のよう。
胸の高さまで様々なものがありました。
犬のハリーが死んじまったって。
ハリーが守ってくれたとしか思えないロケーション。
ハリー。
ナイスコップ!!
お前の家もきれいにしてやるよ。
薬撒いて終わり。
こうして見ると・・・
俺もタケチンも、足短けぇ!
サカタ!
バッタの後ろ足みたいな腕だね。
チェーンソー、よろしく。
最後、家主のオッサンがシドロモドロにお礼を述べていた。
「住まなくちゃ!という気になります。」
だそうだ。
それ以外、何も聞きたくねぇよ。
「ほにゃらら、ホニャララ・・ありがとうございました!」
その後流れる、静かな空気が湿っぽくていつも嫌い。
「はい。カミカミの演説ありがとう。俺、帰る。さようなら。」
一同、爆笑。
これでいい。
バイバイ。
元気でね。
着替えてdogwoodにダンプを格納。
ナカガワが生意気なことを言うので根性焼きをしてやろうとしたが、
必死に抵抗された。
こいつは、ガソリンもまだ不安定な頃から直接バスを借りて、
仙台に応援に来てくれたりする偉い奴。
食い物とかも世話になったなぁ。
俺なんかより、数倍偉いが、会うとムカつくんだよね。
また来い。
二日目。日曜。
雨ざんす。
寒いざんす。
吐く息が白いざんす。
がんばろう。
「あれ?今日はタンクトップじゃないの?」
「うん。だって寒いんだもん。」
「なんか、見分けつかなくて分かり辛いんだけど。」
「寒いんだもん。」
ボランティアセンターはボランティア派遣中止、という天候。
ゲリラには関係のない話だ。
泥出しと、業者が庭に積んだモノを移動。
最初は、スコップ団は必ず怪訝そうに見られる。
たぶん、俺が悪い。
言葉づかいとか。
朝、オバアチャンが、
「ボランティアの人達ですか~??」
と迎えに来た。
俺はボランティアという言葉を使いたくない。
近所付き合いの延長みたいなもんだろうがよ。
お隣の家の片付けを手伝うことを、ボランティアといいますか?
言わねぇ!
だから、
「ちげ~よ、ばあちゃん。俺たちはボランティアじゃない。
縁があれば手伝いに行くよ。ナイスコーディネイト!」
と言ってやった。
現場に行ったら、そのばあちゃんが出てきた!
「団長、さっきのおばあちゃんじゃない?あのコーディネイト。」
「うるせぇ、知ってるよ。」
縁があったんですね。
泥出せ!
運び出せ!
「やっぱり暑くなってきた!見てこの脇汗!着替えてくる!ランニングに!」
「団長!タンクトップって言って!ただでさえカッコ悪い名前なのに!」
ごみは残らず捨てちまえ!
「物置、壊す?どうする?」
「できるんですか?」
「できますとも、見ますか?スコップキックを。」
外に出て、破壊神達を召喚。
「へい、野郎ども。あ~、ディス モノオキ デストロ~イ!OK?」
「OKボス。」
アチョ~!
仕上げはお母さん。
「ア~、Is this a pen?」
「No,this is a コウアツセンジョーキ」
「Hahahahaha.」
FUCK!!
とにかくスゲー雨。
ウェットカール。
グラマラスカール。
カッパを前後逆に着た石井さん。
年下に「カールスモーキー」と言われても笑い続け、
「IT関連なんです。」
と仕事の説明をすれば、
「イン○テンツ関連????大変!どうしましょう!」
と言われても笑い続ける、器の広い人。
でも、カッパの着方も知らないようだから仕方ないよね。
怖すぎるし。
午後は、雨もザーザーなので、中止にしました。
苦渋の決断でも何でもない。
アッサリと俺は午後はやめにした。
怪我なんかされたら、俺は寝込むと思う。
なので、サカタの案内で少し県境まで行くことにした。
見渡す限りの思い出と笑顔の残骸。
本当に泣きそうになる。
ここはずっと住宅地が広がってた場所。
墓地はドミノ倒し。
なんとかしねぇとなぁ。
海を見つめて、言葉を失う宮城の男と、
出来るだけチャライ写真に仕上げようというコンセプトでチャライ俺。
「げっへっへ~!人助けとか無縁だぜ~!」
本当に言葉もねぇよ。
一度、見てみるといい。
俺たちみたいなアホだって、やること、やれることが沢山あるよ。
もう一回考えてくれねぇだろうか?
千年に一回だぜ?
今、何かしねぇで平然としてる人を、俺は一生好きになれない。
一生懸命に仕事をするでもいい。
ただ、なんとなくダラダラするっつぅのが、どうにもこうにもプンスカしちゃう。
まだ家族も見つかってない人もいます。
自分の家を見て、泣いてる子もいます。
「命が助かってよかったね。」
って本気で言う奴もいる。
頭で分かったフリすんなよな。
人はちょっとした事で弱くなる。
君もそうだろう?
彼氏や彼女とケンカした、旦那や奥さんとケンカした。
それぐらいでアップダウンしてんだろう?
それどころじゃないんだ。
それどころじゃないんだぜ?
別にスコップ団じゃなくてもいい。
片付けを、手伝ってくれないだろうか?
女の子一人でも、一畳位の掃除はできる。
20人いれば20畳があっという間。
俺たちのスコップ団への参加の仕方をよく聞かれる。
「来ればいい。」
集合場所に来ればいい。
ボランティア保険に入って、
長靴履いて、
軍手とおにぎり持って、
ただ来ればいい。
来週は6軒。
4人家族だとして、24人。
俺たちが動いたって、世界が変わらねぇって事は知ってる。
でも、その24人の世界は変えられる事も、俺たちは知ってるんだ。
俺は、早く終わらせたい。
寂しくなるかもしれないけど、スコップ団は早々に解散させたい。
その後、友達として続くさ。
それでいい。
それでいいと思ってる。
Youtubeに先日のNHKのが出てたよ。
誰か知らないけど、ありがとう。
何言われたって構やしねぇ。
誰もやらねぇからやる。
犬も、ガソリンも、イルカも、ドライアイスも全部そうだ。
誰かやってくれるなら代わってくれよ。
だけど、誰もやらねぇなら俺は一人でもやるぞ。
この放送を山元町の議員やら、助役やら区長やらが見ていてくれたらしい。
「あんた、いいごど言ってたな。人を生き返らせるのが一番だって、ほんとだな。」
「んだか?」
「俺たちも、手伝うよ。ドラゴンボール。」
「知ってんの?ドラゴンボール。」
「孫いっからね。クリリンパとか主役の。手が伸びるんだろ?九つ集めるんだろ?手伝うよ。」
「クリリンだし、主役じゃない。手は伸びない。
それはワンピースだと思う。それでね、ドラゴンボールは7個でいいの。」
「んえ???カメハメハのやつでしょ?」
「そこは当たった。いいよ、もう。」
「あんだ達は立派だと思う。誰もやってくれない場所だから、ここは。色んな人達来てくれてるけど。」
「うん。」
「会えて良かった。あんだに。」
「うん。そうだね。地震がなければもっと良かったね。」
「でも、無かったら会えなかった。」
「そうだね。」
オッサン達も、頑張ってる。
誰も防護服もガスマスクもしてない。
俺は、彼らと共に生きようと思う。
だって、もう友達だから。
アゲイン。