ゆんのひとり言

~お酒とお芝居と歌とスイーツをこよなく愛するゆんの日記~

「ねじ廻る(演劇企画集団Jr.5)」@ウエストエンドスタジオ

2022-12-27 12:00:00 | 観劇記&鑑賞記

今年最後の観劇は、Jr.5の公演です。



出演者の大半をオーディションで選んでいる公演ということで、
存じ上げない方が大半です。
舞台に立つ小野君を観たかったので、
小野君出演回を選んで行ってきました。

客入れの間、舞台中央にかなり金属製の高い階段と、
低めの階段とが2つ。
高い階段上に、リュックを背負った女の子が
ぽつんと座っています。
高い階段の方は、途中で途絶えている感じで、
飛び降りるには高すぎるし、
梯子で登り下りするのだろうか…などと、
不思議に思いながら眺めていました。

開演と同時に、出演者が総出で登場。
階段や舞台に散らばっていた台を移動させ、
あっという間にセットを組み立てます。
階段2つをつないで、スムーズに上り下りできるようになりました。

舞台は、どこかの島にある、ねじ工場。
家出してきた庄子泉(和田みなみ)と、
祖父・河原喜夫(中原和宏)との出会う場面から始まります。

祖父が経営するねじ工場で働くのはパートの宍戸久美子(大嶽典子)、
若い社員・川向正志(鷲見友希)の2人だけ。
そこに「リゾートバイト」のチラシを見て応募してきた
瀬野尾愛(坂口瑛美)。
「豪華客船が作れると思ってきたのに、なんでねじの検品…」と
全く士気の上がらない、バイトの愛。
工場に入り浸る、近所の乾物屋の息子・安喰善一(奥田努)。

10数年ぶりに島に帰って来た、河原の二女・春子(小山あずさ)は
泉の抱える心の痛みを察し、泉も次第に心を開くように。
泉を迎えに来た母・雪恵(水野小諭)は、春子と折り合いが悪い様子。
さっさと娘を連れて帰ろうとする母と、頑なに拒む娘。
二人の間であたふたする父・和男(山下直哉)。
そして、春子を追いかけてやってきた、
元婚約者の大滝高弘(小野健太郎)。

大口の契約がなくなり、自分の年齢のことを考えると
工場を閉めた方が良いのか、と漠然と悩む喜夫。
立ち行かなくなる前に閉めた方が良い、とアドバイスする春子、
母と立ち上げた工場なんだから、最後までやれば良いと主張する雪恵。
そんな「大人たち」の様子を見て、泉がとある行動に出て、
それまでうまくかみ合っていなかった「ねじ」が、
一気に廻りだす・・・

泉の家出の原因はイマイチ判然としませんでしたが、
家族の抱えるそれぞれの思いが、
最後にはうまくかみ合い、将来への希望を感じさせるエンディングで、
スッキリした気分にさせてくれる作品でした。
随所に笑いもあって、重くなりすぎないのも良いです。

出演者もそれぞれ魅力的でしたね~。
不器用だけどまっすぐな大嶽さん、
若き職人気質の鷲見さん、
知的な色っぽさのある小山さん。
飄々とした奥田さんに、頼りないけど一生懸命な山下さん。
全くやる気がなかったのに、見事な変貌を遂げた坂口さん。

喜夫が、要所要所で「それならそれで、廻っていくんだよ」
という台詞を言うのですが、
そうなんだよなぁ、と激しく共感。

先日のライフの公演と同じ会場でしたが、
椅子と椅子の間にすこーし隙間があったこと、
クッションがしっかりしていたこと、
このおかげで、辛くなく観劇することができました。
ちょっとした差で、全然違いますね…。

観劇納めが良い作品で、良かったです!

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