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卒論100人ゼミ――ギネス記録か!

2018-02-11 08:44:39 | 在校生・受験生情報
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■前代未聞――日本で唯一の存在:「卒論100人ゼミ

  商学部の卒論指導を行う4年生用ゼミは「演習Ⅲ」という名称である。

  これに100人(正確には84人)の履修者を受け入れていたことを示すのが、
 これから掲載する資料である。

  断っておくが、商学部で、合計84人の学生が卒論作成ゼミに参加している
 という話ではない。

  たった1人の専任教員が、その担当する卒論ゼミに、84人もの履修者を受け
 入れていたという話である。このうちの何人が実際に4単位を取得したのかは
 分からないが、ショッキングな事実であることに変わりはない。

  しかも、これが10数年のあいだ続いていたというのだから!

  (なお、この2014年度に設置された「演習Ⅲ」の数は、24であり、履修者の
   総数は231名である。「イナバゼミ」は、3分の1強の履修者を集める、
   最も人気のあるゼミである)。

  以下に、資料を掲げる。
 


   集中【授業】 演習Ⅲ ●●×× 通年 商学部 教授 84【名】


■ギネス記録か!

  いろいろと調べてみたが、日本の大学にこのようなゼミは存在していない。
 「県下第一」どころか、「日本一」というところであろう。

  専任教員の急病急死により、その担当していた履修生を他の専任教員が
 引き受けて、一時的にゼミが膨れ上がることはあろう。

  しかし、10数年もこのような卒論ゼミを放置してきたこの大学、おそらく
 「世界一」なのではないかと思う(もちろん証拠は挙げようがない。なぜなら、
 こんな状態は恥であり、当然隠すからである)。

  ギネスに登録申請したらどうかと思う。対抗馬はまず出てこないだろう。
 
  いや、こういう記録は、ギネスは扱わないらしい。恥さえ忍べば、こんな
 記録は簡単に破ることができるからである。


HPでの「演習Ⅲ」の説明

  中央学院大学はHPで「演習Ⅲ」を次のように説明している。

   「4年次は、指導教員のアドバイスのもと、自分の研究テーマについて
    卒業論文などにまとめます。」
 
  この記述によると、「演習Ⅲ」には、履修者はそれぞれ「自分の研究テーマ」
 をもって参加することになっている。このこと自体は、いたって普通である。

  その次の文には、サラッとこう書いてある。

         「卒業論文などにまとめます」
 
  この「など」という言葉が気になる。もしや「卒業論文」ではなく、
 「レポート」の類でもいいのか、との疑問がわく
のである。

  そこで、HPにある商学部教員のシラバスをのぞいてみた。ほとんどの教員は、
 「卒業論文」の作成を履修者に課すことを明らかにしている。

  しかし、やはり卒業論文ではなく、レポートを課す教員が数名いた。この点に
 ついては別の機会に述べよう。

  さて、我々の「イナバ教授」のシラバスをのぞくと、「卒業論文」の作成を
 課していることがわかる


  シラバスに明記しているのだから、卒業論文の作成が単位認定の要件という
 ことであろう。このことを、まず確認しておこう。


■1人で84人の卒論指導!?

  もう何十年も前から、社会科学・人文科学系の学部の多くは、卒業論文を
 卒業要件にしてはいない。卒論を書かなくても卒業できる。

  しかし、選択科目としてのゼミはあり、4年生用のゼミは、卒業論文が単位取
 得の条件となることが多い。

  この卒論用のゼミは、毎週は行われない。卒論指導の頻度は、担当教員に
 よって異なる。例えば月1回の相談日を設定したり、随時相談にのったりと、
 様々である。

  後期が始まると、学生は本格的にとりかかり、担当教員の指導を受けながら
 執筆し、1月には提出しなければならない。

  卒論の作成を指導しなければならない学生が20名もいたら、教員は11月
 から12月にかけては多忙になる。疲労困憊(こんぱい)する
。学生の
 書いたものにチェックを入れ、論旨を明快にし、「てにをは」や誤字の訂正を
 行わなければならないからである。

  もっとも、卒論が公表されないような大学では、担当教員は「手抜き」を
 することができるし、実際にしている


  学生の卒論といえども、著作権の問題があり、本人の同意なしに卒業論文を
 ネットで公表するような大学・学部はないが、冊子にして図書館に収蔵し、
 いつでも見られるようにしている大学は存在する。卒論を書かせる際に、これを
 条件にしているようである。

  狭い範囲ではあるが、卒論が公表される大学では、専任教員は、卒論指導に
 緊張を強いられる。というのも、学生の卒論の出来栄えを見れば、担当の専任
 教員の仕事ぶりが分かってしまうからである。

  だからこういう大学の専任教員は、4年生用のゼミ履修者を極力少なくする
 ために、履修者「選抜」を行い、数名程度に抑えている。この教員による「選抜」
 は、どの大学でも許されているようだ。


中央学院大学の卒論は、教員間でも見ることができない

  中央学院大学商学部は、卒論に関して言えば、専任教員には総じて「天国」
 ようなところである。

  なぜなら、商学部の「演習Ⅲ」の履修生の手による卒業論文は、教員間でも
 見ることができないため、専任教員の卒論指導については、他の専任教員から
 容喙(ようかい=口を出されること)されることも、批判されることもないから
 である。

  もちろん、卒論指導を立派に行い、学生と自分用に冊子にしている教員がいる
 ことも、我々は知っている。まじめな教員だ!


  (なお、法学部の「フィールドスタディーズコース」では、卒論の執筆が卒業
 要件にされているが、他の専任教員でさえ見ることができない。もちろん、非常勤
 講師などオヨビデナイ)。
 

■1人で84人の卒論指導は無理

  さて、再び「イナバ教授」の84人の卒論に戻ろう。

  本当に、この84人は「卒業論文」を書いたのか?
  本当に、「イナバ教授」は84人分の卒論指導を行ったのか?

  年間1人30分の個別の卒論指導を4回行うとすると、年間1人につき2時間
 となる。84人では168時間である。

  1日3時間をそのための時間としても、56日を要する。

  提出締め切り前の文章の手直し、文献目録の書き方の訂正の指導のための
 84人分の時間は、どうやって取ったのか? 本当に、指導したのか? 疑問は
 つきない。

  要するに、どうみても不可能なのである。これは、専任教員10人分の仕事で
 ある。

  「イナバ教授」はスーパーマンなのか!

             <続く>

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