ハラスメントの調査および処分申立書
法学部非常勤講師・小林勝
以下の者による私およびその他の応募者に対するハラスメント
行為および同隠蔽行為の調査、処分を要求します。(ただし、
退職者が調査処分の対象にならない場合は矢次氏を除く)。
A.ハラスメント行為者および隠蔽行為者(括弧内の役職は行為時のもの)
1.ハラスメント行為者
李憲模(法学部教授)―審査委員会主査
白水智(法学部教授)―同副査
矢次眞(法学部教授)―同副査―すでに定年退職している
大村芳昭(法学部長)
2.同隠蔽行為者
佐藤英明(学長)
柴谷晃(法人顧問弁護士)
B.ハラスメント該当行為および同隠蔽行為
1.李、白水および矢次の法学部教授3名は、2014年度に実施された
「政治史・政治学」の専任教員公募人事の審査委員であったが、
雇用対策法10条に違反して年齢制限を実施し、申立者(以下、小林)等を
選考から排除した。
2.法学部長であり、「政治史」等の公募に小林が応募することを知って
いた大村氏は、小林を実質的審査から排除するために、公募する専任教員
の職位を「准教授または[専任]講師」と定めた。
また大村法学部長は、この採用人事を審査・決定する2014年12月17日
の教授教授会において、公募書類における採用後の予定職位は「准教授
または専任講師」となっており、これは若い人を採用するとのこちら側の
の意思表示なのだから、年齢制限は問題ない旨を述べ、舘教授の警告を、
すなわち年齢制限は雇用対策法10条によって禁止されており、場合に
よっては告発の対象になるとの警告を、無視して票決を強行した。
3.当時学長であった佐藤英明氏は、学校法人中央学院が全国教職員組合
(以下、組合と呼ぶ)と行った2015年1月21日の団体交渉において、組合
に対して、2014年12月17日の教授教授会においては「誤解されるような
発言があったかも知れないが、年齢制限はしていない」と回答し、李、
白水、矢次の3名の審査委員および大村法学部長による違法行為を追認し、
隠蔽した。
なお、佐藤学長は、当該教授教授会においてこの人事の違法性を指摘し
かつ法人にも告発した舘教授からの事情聴取をまったく行わずに、この
ような回答を行った。
4.法人顧問弁護士である柴谷晃氏は、上記団体交渉(2015年1月21日)に
おいて、雇用対策法10条に対しては大学設置基準第7条の3で対抗できる、
すなわち雇用対策法第10条違反の要件事実が存在したとしても、年齢制限
をしたのは偏に「大学設置基準」第7条の3を遵守するためであり、従って
違法性はない旨、抗弁し、この違法人事を隠蔽し、擁護した。
さらに柴谷弁護士は、同年2月27日の団体交渉においては、次のような
驚くべき主張を行って、李、白水、矢次および大村の違法行為を擁護した。
すなわち、舘教授が当該教授教授会において雇用対策法10条の条文を読み
上げ、「場合によっては告発の対象になる」と警告したことによって、その
場に居た教授たちが違法性を認識し、そのうえで敢えて採決したのだから、
この違法性は治癒される――という主張である。
C.事実の概要等
この事案に関して、小林が把握している事実は以下のとおりである。
なお、若干の説明を加えた。
1. 土橋法学部長が専任化を餌に、自分の学位申請論文の書籍化作業の
ほとんどを小林にさせながら、専任化の約束を果たしていなかったことを
知った舘幸嗣法学部教授は、2013年10月初旬に、法学部長室に大村氏を
訪ね、事情を話し、土橋氏の定年退職を待たず、同氏の後任人事―――
「政治史」である―――を直ちに行うよう申し入れた。
その際に舘教授は、「小林さんの人事を阻止しますか」と尋ねると、
大村法学部長は「阻止しません」と返事をした。(資料1:小林が学校
法人中央学院を被告として起こした訴訟における甲15号証、舘幸嗣
陳述書43頁)。
2.その後、同月18日に舘教授は、土橋氏とともに再度大村法学部長を
訪ね、同様の申し入れを行った。(同、舘幸嗣陳述書43頁)
3.2014年6月26日の第3回拡大学部長会議(学長引継ぎのための特別会議)
において、大村法学部長は、学長に就任予定の佐藤英明商学部教授に、
「法学部の展望と課題」と題する書面(資料2)を提出した。
同書面には、「課題5」として「年齢構成に配慮した人事」が挙げられ、
その方法(「展望」)として、「専任教員の採用に際して年齢構成を考慮
した職位設定を行う」ことが挙げられた。
これは、公募に際して、公募要領に示す「職位」を使用して、年齢制限
を行う意向を示したものである。
なお、就任予定の佐藤英明氏がこの際どのように反応したかは不明で
あるが、容認したと推認される。
4.2014年10月中頃の教授会において、「政治史等」を担当する専任教員の
公募が決定され、3名より構成される審査委員会が設置された。主査には
李教授が、副査には白水教授および矢次教授が任命された。
5.同年10月23日付で、公募要領が、国立研究開発法人・科学技術振興機構
が運営するポータルサイトであるJREC-INおよび中央学院大学の講師控室
に掲載・掲示された(資料3)。
「職名」は「講師または准教授」であった。
「募集担当科目」は「『政治史』等」であったが、「担当予定科目名」
としては、さらに詳しく「政治史、政治学、演習他」が挙げられていた。
年齢制限をすることは全く書かれていなかった。
6.この「政治史・政治学等」の専任教員人事を決定する法学部教授教授会
が、同年12月17日に開催された。
応募者は61名を数えた。小林も、年齢制限がなされていなかったので
応募した。
7.同会議においては、概略以下のやり取りがあった(資料4)。
① 候補者の選考を司る審査委員会の主査である李憲模教授がまず、
選考対象を「30代から40代半ばぐらい」に限定したことを明らかにし、
図らずも、雇用対策法10条に違反した候補者選考を行ったことを露呈
させた。
② そのため舘教授が、年齢制限を行ったことを確認しようとすると、
李教授は「年齢をある程度は加味」したが、「絶対的ではない」など
と抗弁した。
また副査の白水教授も、年齢制限は「明確な合意事項ではありません」
「(年齢は)ある程度は加味しましたが、それだけで・・・したわけ
ではありません」などと抗弁した。
③ 年齢制限を行ったことを確認した舘教授は、年齢ではじかれた者の中
に業績のある者がいると指摘し、小林勝の名前を挙げ、小林を敢えて
外した理由を李教授に問うた。
④ すると主査の李教授は、「60何歳の方を新規採用で採って、それは、
[舘]先生は、どういう・・・」などと述べ、ここに至り、年齢制限を
行ったことをはっきりと認めた。
⑤ これに対して舘教授は、三友宏常務理事と話して、経営陣としては
年齢については何も文句を言わない旨を聞いていると述べると、李教授
は、「それは建前論でしょ」と一蹴した。
⑥ さらに舘教授は、小林が提出した業績を読んだかを李教授に問うと、
李教授は「読んでいません」と答え、偏に年齢制限を行って小林等を
選考から除外したことを、図らずも明らかにした。
⑦ すると大村法学部長が、「「我々は[公募要領に]准教授または
専任講師をあげたわけで、それはつまり若手を採りたいというこちら
側の意思表示でもあるし」と発言し、募集対象が若い人であるのは
明白だ、応募者側も当然了解しているはずだ、それゆえ年齢制限を
課して若い人を採用することは何の問題もない、との立場を明らかに
した。
⑨ ここに至り舘教授は、雇用対策法10条の条文を読み上げ、これが
「義務規定」すなわち禁止規定であることを指摘した。
しかし、大村法学部長は、この指摘を無視し、「もう時間も来ていま
んで、票決しましょう」と述べた。
そこで舘教授は、「場合によっては告発の対象になりますよ」と警告
したが、大村法学部長はこの警告を無視し、票決を強行した。
8.票決の結果、3分の2以上の賛成票をもって、審査委員会が選んだ候補者
1名を、法学部専門科目「政治史・政治学」担当教員(専任講師)として
採用することが決定された。
9.この決定に基づき同年12月20日前後、不採用になった小林等の応募者に
対し、大村法学部長名にて不採用通知が発信された。
10.以上の事態をうけて舘教授は、同年12月23日、全国教職員組合執行
委員長であった小林を伴い、三友宏常務理事を訪問し、前述した教授・
教授会の経緯を説明した。
あわせて、i) 厚生労働省への告発、ii) 法人と大村法学部長及び審査
委員3名(李憲模教授・白水智教授・矢次眞教授)とに対し損害賠償請求
の訴えが提起されうる、と法人へ通告した。
11.次いで同年12月27日には、舘教授が組合執行委員数名を伴って、厚生
労働省を訪問し、雇用対策法第10条に違反する事実につき厚生労働省へ
告発した。
与党国会議員を介しての告発であった。
同告発は、労働基準局雇用対策課・課長補佐により即日受理された。
その際に同課長補佐は、「本件は雇用対策法第10条違反の摘発第1号と
なる」との見解を示した。
12. 明くる2015年1月21日(第1回)と2月27日(第2回)の二度に亘り、
本件について学校法人・中央学院と組合との間で団体交渉が行われた。
13. 第1回の団体交渉に至るまでに、法人は、当事者である大村法学部長
と他の審査委員より事情を聴取した、と聞き及んでいる。しかし、同人ら
が法人に対して、どのように述べたかは不明である。
なお、後述するように、佐藤学長が第1回団体交渉において組合に回答
したことが真実であるとするなら、李や大村等は法人に虚偽の内容の陳述
を行って自己弁護を図ったということになる。
しかしまた、この団体交渉における法人顧問弁護士柴谷の発言から、法人
は、顧問弁護士の助言を受けて、雇用対策法10条違反は法的に特に問題なし
と判断し、真実を隠蔽した回答を組合に行ったことが考えられる。
14. 組合との第1回団体交渉(2015年1月21日)において佐藤学長は、李や
大村等の虚偽報告を盲信したか、あるいは真実の報告があったにも
かかわらず隠蔽を決め込んだのかは不明であるが、「法学部教員公募に
おいて年齢制限・年齢差別の事実はない」旨、事の実相を歪めた回答を
舘教授や組合に行った。
柴谷弁護士は、雇用対策法第10条には大学設置基準第7条の3で対抗でき、
すなわちたとえ雇用対策法第10条違反の要件事実が存在したとしても、
年齢制限をしたのは偏に「大学設置基準」第7条の3を遵守するためであり、
従って違法性はない旨、抗弁した。
15. 2015年1月30日、厚生労働省千葉労働局の職員が中央学院大学を訪問し
、
大村法学部長その他に対し、雇用対策法第10条の主旨につき説明・訓示し、
違反について行政指導を行った。
なお、この事実につき、大村法学部長は同年4月に至るも、法学部教員
に一切知らしめなかった。
16. 2015年2月27日の第2回団体交渉時には、すでに厚生労働省千葉労働局
の行政指導(1月30日)を受けたあとのことでもあり、また違法行為が
なされた事実を証明する当該教授教授会の音声記録(大村法学部長及び
李・白水・矢次教授の発言を収める)の反訳が組合から提出されるに及んで、
漸く法人も「年齢制限・年齢差別」が存在した事実を認めるに至った。
すなわち、当該公募(募集告知・選考・審査・内定)全過程において、
大村法学部長と審査委員3教授の恣意・専横により、雇用対策法第10条に
違反する重大な瑕疵が刻まれた事実について、法人も認容せざるを得なく
なったのである。
この際、法律である「雇用対策法」の「禁止規定」たる同法第10条には、
文科省令である「大学設置基準」の「配慮義務」たる同基準第7条の3を
もって対抗しうる、との第1回団体交渉時の柴谷弁護士の主張に対し、
組合から詳細な反論文書も提出された。
これに対して柴谷弁護士は、教授たちが舘教授の説明により違法性が
あることを知ったうえで、敢えて採決を行ったのだから、この違法性は
治癒される、との驚くべき発言を行った。 以上
法学部非常勤講師・小林勝
以下の者による私およびその他の応募者に対するハラスメント
行為および同隠蔽行為の調査、処分を要求します。(ただし、
退職者が調査処分の対象にならない場合は矢次氏を除く)。
A.ハラスメント行為者および隠蔽行為者(括弧内の役職は行為時のもの)
1.ハラスメント行為者
李憲模(法学部教授)―審査委員会主査
白水智(法学部教授)―同副査
矢次眞(法学部教授)―同副査―すでに定年退職している
大村芳昭(法学部長)
2.同隠蔽行為者
佐藤英明(学長)
柴谷晃(法人顧問弁護士)
B.ハラスメント該当行為および同隠蔽行為
1.李、白水および矢次の法学部教授3名は、2014年度に実施された
「政治史・政治学」の専任教員公募人事の審査委員であったが、
雇用対策法10条に違反して年齢制限を実施し、申立者(以下、小林)等を
選考から排除した。
2.法学部長であり、「政治史」等の公募に小林が応募することを知って
いた大村氏は、小林を実質的審査から排除するために、公募する専任教員
の職位を「准教授または[専任]講師」と定めた。
また大村法学部長は、この採用人事を審査・決定する2014年12月17日
の教授教授会において、公募書類における採用後の予定職位は「准教授
または専任講師」となっており、これは若い人を採用するとのこちら側の
の意思表示なのだから、年齢制限は問題ない旨を述べ、舘教授の警告を、
すなわち年齢制限は雇用対策法10条によって禁止されており、場合に
よっては告発の対象になるとの警告を、無視して票決を強行した。
3.当時学長であった佐藤英明氏は、学校法人中央学院が全国教職員組合
(以下、組合と呼ぶ)と行った2015年1月21日の団体交渉において、組合
に対して、2014年12月17日の教授教授会においては「誤解されるような
発言があったかも知れないが、年齢制限はしていない」と回答し、李、
白水、矢次の3名の審査委員および大村法学部長による違法行為を追認し、
隠蔽した。
なお、佐藤学長は、当該教授教授会においてこの人事の違法性を指摘し
かつ法人にも告発した舘教授からの事情聴取をまったく行わずに、この
ような回答を行った。
4.法人顧問弁護士である柴谷晃氏は、上記団体交渉(2015年1月21日)に
おいて、雇用対策法10条に対しては大学設置基準第7条の3で対抗できる、
すなわち雇用対策法第10条違反の要件事実が存在したとしても、年齢制限
をしたのは偏に「大学設置基準」第7条の3を遵守するためであり、従って
違法性はない旨、抗弁し、この違法人事を隠蔽し、擁護した。
さらに柴谷弁護士は、同年2月27日の団体交渉においては、次のような
驚くべき主張を行って、李、白水、矢次および大村の違法行為を擁護した。
すなわち、舘教授が当該教授教授会において雇用対策法10条の条文を読み
上げ、「場合によっては告発の対象になる」と警告したことによって、その
場に居た教授たちが違法性を認識し、そのうえで敢えて採決したのだから、
この違法性は治癒される――という主張である。
C.事実の概要等
この事案に関して、小林が把握している事実は以下のとおりである。
なお、若干の説明を加えた。
1. 土橋法学部長が専任化を餌に、自分の学位申請論文の書籍化作業の
ほとんどを小林にさせながら、専任化の約束を果たしていなかったことを
知った舘幸嗣法学部教授は、2013年10月初旬に、法学部長室に大村氏を
訪ね、事情を話し、土橋氏の定年退職を待たず、同氏の後任人事―――
「政治史」である―――を直ちに行うよう申し入れた。
その際に舘教授は、「小林さんの人事を阻止しますか」と尋ねると、
大村法学部長は「阻止しません」と返事をした。(資料1:小林が学校
法人中央学院を被告として起こした訴訟における甲15号証、舘幸嗣
陳述書43頁)。
2.その後、同月18日に舘教授は、土橋氏とともに再度大村法学部長を
訪ね、同様の申し入れを行った。(同、舘幸嗣陳述書43頁)
3.2014年6月26日の第3回拡大学部長会議(学長引継ぎのための特別会議)
において、大村法学部長は、学長に就任予定の佐藤英明商学部教授に、
「法学部の展望と課題」と題する書面(資料2)を提出した。
同書面には、「課題5」として「年齢構成に配慮した人事」が挙げられ、
その方法(「展望」)として、「専任教員の採用に際して年齢構成を考慮
した職位設定を行う」ことが挙げられた。
これは、公募に際して、公募要領に示す「職位」を使用して、年齢制限
を行う意向を示したものである。
なお、就任予定の佐藤英明氏がこの際どのように反応したかは不明で
あるが、容認したと推認される。
4.2014年10月中頃の教授会において、「政治史等」を担当する専任教員の
公募が決定され、3名より構成される審査委員会が設置された。主査には
李教授が、副査には白水教授および矢次教授が任命された。
5.同年10月23日付で、公募要領が、国立研究開発法人・科学技術振興機構
が運営するポータルサイトであるJREC-INおよび中央学院大学の講師控室
に掲載・掲示された(資料3)。
「職名」は「講師または准教授」であった。
「募集担当科目」は「『政治史』等」であったが、「担当予定科目名」
としては、さらに詳しく「政治史、政治学、演習他」が挙げられていた。
年齢制限をすることは全く書かれていなかった。
6.この「政治史・政治学等」の専任教員人事を決定する法学部教授教授会
が、同年12月17日に開催された。
応募者は61名を数えた。小林も、年齢制限がなされていなかったので
応募した。
7.同会議においては、概略以下のやり取りがあった(資料4)。
① 候補者の選考を司る審査委員会の主査である李憲模教授がまず、
選考対象を「30代から40代半ばぐらい」に限定したことを明らかにし、
図らずも、雇用対策法10条に違反した候補者選考を行ったことを露呈
させた。
② そのため舘教授が、年齢制限を行ったことを確認しようとすると、
李教授は「年齢をある程度は加味」したが、「絶対的ではない」など
と抗弁した。
また副査の白水教授も、年齢制限は「明確な合意事項ではありません」
「(年齢は)ある程度は加味しましたが、それだけで・・・したわけ
ではありません」などと抗弁した。
③ 年齢制限を行ったことを確認した舘教授は、年齢ではじかれた者の中
に業績のある者がいると指摘し、小林勝の名前を挙げ、小林を敢えて
外した理由を李教授に問うた。
④ すると主査の李教授は、「60何歳の方を新規採用で採って、それは、
[舘]先生は、どういう・・・」などと述べ、ここに至り、年齢制限を
行ったことをはっきりと認めた。
⑤ これに対して舘教授は、三友宏常務理事と話して、経営陣としては
年齢については何も文句を言わない旨を聞いていると述べると、李教授
は、「それは建前論でしょ」と一蹴した。
⑥ さらに舘教授は、小林が提出した業績を読んだかを李教授に問うと、
李教授は「読んでいません」と答え、偏に年齢制限を行って小林等を
選考から除外したことを、図らずも明らかにした。
⑦ すると大村法学部長が、「「我々は[公募要領に]准教授または
専任講師をあげたわけで、それはつまり若手を採りたいというこちら
側の意思表示でもあるし」と発言し、募集対象が若い人であるのは
明白だ、応募者側も当然了解しているはずだ、それゆえ年齢制限を
課して若い人を採用することは何の問題もない、との立場を明らかに
した。
⑨ ここに至り舘教授は、雇用対策法10条の条文を読み上げ、これが
「義務規定」すなわち禁止規定であることを指摘した。
しかし、大村法学部長は、この指摘を無視し、「もう時間も来ていま
んで、票決しましょう」と述べた。
そこで舘教授は、「場合によっては告発の対象になりますよ」と警告
したが、大村法学部長はこの警告を無視し、票決を強行した。
8.票決の結果、3分の2以上の賛成票をもって、審査委員会が選んだ候補者
1名を、法学部専門科目「政治史・政治学」担当教員(専任講師)として
採用することが決定された。
9.この決定に基づき同年12月20日前後、不採用になった小林等の応募者に
対し、大村法学部長名にて不採用通知が発信された。
10.以上の事態をうけて舘教授は、同年12月23日、全国教職員組合執行
委員長であった小林を伴い、三友宏常務理事を訪問し、前述した教授・
教授会の経緯を説明した。
あわせて、i) 厚生労働省への告発、ii) 法人と大村法学部長及び審査
委員3名(李憲模教授・白水智教授・矢次眞教授)とに対し損害賠償請求
の訴えが提起されうる、と法人へ通告した。
11.次いで同年12月27日には、舘教授が組合執行委員数名を伴って、厚生
労働省を訪問し、雇用対策法第10条に違反する事実につき厚生労働省へ
告発した。
与党国会議員を介しての告発であった。
同告発は、労働基準局雇用対策課・課長補佐により即日受理された。
その際に同課長補佐は、「本件は雇用対策法第10条違反の摘発第1号と
なる」との見解を示した。
12. 明くる2015年1月21日(第1回)と2月27日(第2回)の二度に亘り、
本件について学校法人・中央学院と組合との間で団体交渉が行われた。
13. 第1回の団体交渉に至るまでに、法人は、当事者である大村法学部長
と他の審査委員より事情を聴取した、と聞き及んでいる。しかし、同人ら
が法人に対して、どのように述べたかは不明である。
なお、後述するように、佐藤学長が第1回団体交渉において組合に回答
したことが真実であるとするなら、李や大村等は法人に虚偽の内容の陳述
を行って自己弁護を図ったということになる。
しかしまた、この団体交渉における法人顧問弁護士柴谷の発言から、法人
は、顧問弁護士の助言を受けて、雇用対策法10条違反は法的に特に問題なし
と判断し、真実を隠蔽した回答を組合に行ったことが考えられる。
14. 組合との第1回団体交渉(2015年1月21日)において佐藤学長は、李や
大村等の虚偽報告を盲信したか、あるいは真実の報告があったにも
かかわらず隠蔽を決め込んだのかは不明であるが、「法学部教員公募に
おいて年齢制限・年齢差別の事実はない」旨、事の実相を歪めた回答を
舘教授や組合に行った。
柴谷弁護士は、雇用対策法第10条には大学設置基準第7条の3で対抗でき、
すなわちたとえ雇用対策法第10条違反の要件事実が存在したとしても、
年齢制限をしたのは偏に「大学設置基準」第7条の3を遵守するためであり、
従って違法性はない旨、抗弁した。
15. 2015年1月30日、厚生労働省千葉労働局の職員が中央学院大学を訪問し
、
大村法学部長その他に対し、雇用対策法第10条の主旨につき説明・訓示し、
違反について行政指導を行った。
なお、この事実につき、大村法学部長は同年4月に至るも、法学部教員
に一切知らしめなかった。
16. 2015年2月27日の第2回団体交渉時には、すでに厚生労働省千葉労働局
の行政指導(1月30日)を受けたあとのことでもあり、また違法行為が
なされた事実を証明する当該教授教授会の音声記録(大村法学部長及び
李・白水・矢次教授の発言を収める)の反訳が組合から提出されるに及んで、
漸く法人も「年齢制限・年齢差別」が存在した事実を認めるに至った。
すなわち、当該公募(募集告知・選考・審査・内定)全過程において、
大村法学部長と審査委員3教授の恣意・専横により、雇用対策法第10条に
違反する重大な瑕疵が刻まれた事実について、法人も認容せざるを得なく
なったのである。
この際、法律である「雇用対策法」の「禁止規定」たる同法第10条には、
文科省令である「大学設置基準」の「配慮義務」たる同基準第7条の3を
もって対抗しうる、との第1回団体交渉時の柴谷弁護士の主張に対し、
組合から詳細な反論文書も提出された。
これに対して柴谷弁護士は、教授たちが舘教授の説明により違法性が
あることを知ったうえで、敢えて採決を行ったのだから、この違法性は
治癒される、との驚くべき発言を行った。 以上