良い子の歴史博物館

訪れたことのある博物館、歴史上の人物、交通機関についての感想、小論など。

コンテナ

2005年06月15日 | 交通機関
現代の物流を支える最大の発明はコンテナだと思う。
規格が合えば、船、鉄道、トラック、航空機の別なく、輸送できる。
輸送手段を選ばないので、戸口から戸口へ輸送可能となる。
頑丈な箱で運ぶので、荷物の痛みを最小限に減らせる。
冷蔵冷凍などの設備付きのコンテナもある。

コンテナ船の場合、従来型貨物船に比べて、港での停泊時間が大幅に減った。
そのおかげで船員たちの港での色恋話が消滅した。
近年では20フィートコンテナ6千個積載の全長300メートルを超える超大型コンテナ船が
登場し、単位積載量あたりのコストを大きく下げている。

鉄道の場合、貨車連結組み換えのためのヤード方式の広大な操作場が不要になった。
北米大陸では、海上コンテナを2段積みにした車両を100両程度引っ張る貨物列車が大平原を走り抜ける。
そのおかげで、自動車大国の米国でも、陸上輸送における鉄道利用の割合は極めて大きい。
日本の鉄道の場合は、線路幅が狭く、米国のような大規模コンテナ列車は不可能だが、
JR貨物の車扱い貨物が年々減少する中で、コンテナ貨物は少しづつ増えている。
トラックに頼っていた陸上長距離輸送では、
長距離部分を鉄道や船舶に任せるモーダルシフトが実現可能となる。

一部で実現しているが、コンテナ毎にICカードをつけて、運送状況を把握管理することも可能だ。
出発地点から到着地点までの最適区間や手段を自動で決定し、配送するシステムを
世界レベルのネットワークで構築することだって考えられる。
さらに集配拠点施設の自動化、ロボット化も進めるべきだ。
宅配便の集配と同じレベルのシステム化をコンテナ輸送で構築して欲しい。
トラックが港で自分の荷物が降ろされるのを待つロスを完全になくして欲しい。

また、狭軌鉄道や、山岳用ナローゲージ、軽自動車向けの
小さなコンテナの規格もあっていいと思う。