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「戦後少女マンガ史」米沢嘉博著

2007年10月08日 | マンガ
文庫になって初めて読みました。最初は1980年刊。
著者はコミケの始祖みたいな方らしいです。
中高生のころ読んでいた「SFマガジン」に、東京ではSF作家やファンが集まるSF大会というものがあって、なかにはペリーローダンみたいな格好で参加するものもあると知ってへええと思ったものです。で、その会場の横でコミックマーケットというのもやっているというはなしでした。著者とは3歳違いでほぼ同年代。

個々の作品に対する評論ではなく、年代を追ってだいたいの少女漫画の流れを駆け足でご紹介といった感じです。

一つ内容を訂正するなら、大矢ちきの絵の影響をうけて山岸凉子の「アラベスク」のユーリミノロフの造形が変わったというのは当たってないと思います。
デビュー作からしばらくのあいだは丸顔のかわいい感じの絵柄でしたが、「雨とコスモス」(1971年)という作品を発表した際に画風をがらりと変えてきたのでした。
デビュー作の「レフトアンドライト」では編集者のアドバイスを入れて、画風を変えて少女漫画らしくしてようやくデビューに至ったのでした。
「少女漫画チックないままでの絵から習作時代の絵に戻した」とのこと。じつはこれが本来の作風であるということでした。